【声明】
 

立川・自衛隊官舎ビラ配布事件の最高裁不当判決に抗議する

 

 本日、最高裁第二小法廷(今井功裁判長)は、東京都立川市の防衛省宿舎に、自衛隊のイラク派兵反対をよびかけるビラを配った市民3人が住居侵入罪で逮捕・起訴された事件について、高裁有罪判決を支持し、上告を棄却する不当判決を言い渡した。
日本国民救援会は、憲法に保障された正当な国民の言論・表現活動を認めない不当な最高裁判決に対し、強く抗議する。
 この事件は、自衛隊のイラク派兵強行に反対する国民の運動が大きくとりくまれていたなかで、「戦争する国」づくりに反対する言論活動を抑えるために「住居侵入」を口実にして起こされた弾圧事件である。本件における逮捕の5日後には、国公法弾圧堀越事件が起こされ、1審の東京地裁八王子支部で無罪判決が出された1週間後には、葛飾ビラ配布弾圧事件が、いずれも警視庁公安部主導によってでっち上げられるなど、相次いだ不当逮捕事件が国民の言論活動や反対運動を躊躇させるための政治的弾圧であったことはいっそう明白となっている。本件を起訴した東京地検八王子支部副支部長が「ピザ屋のチラシと反戦ビラとは訳が違う。他の団体の活動を押さえる犯罪予防の狙いもある」と語った言葉に、この事件の狙いが示されている。また、本件が陸上自衛隊東部方面情報保全隊立川派遣隊と警察が共謀して弾圧を行ったことも明らかになった。
 1審の東京地裁八王子支部(長谷川憲一裁判長)は、「ビラの投函自体は憲法21条1項が保障する政治的表現活動で、民主主義社会の根幹をなす。商業的宣伝ビラの投函より優位的地位が認められる」として、憲法の表現の自由、とくに政治的表現活動を保障することの重要性を示して全員に無罪を宣告した。
ところが2審の東京高裁(中川武隆裁判長)は、憲法判断を避けて住居侵入罪の構成要件に関する形式的な判断だけで1審無罪判決を覆し、ビラの投函が「自衛官工作の意味を持つ」などと政府に批判的な言論・表現活動への捜査機関の弾圧を容認する憲法違反の不当判決(一人に罰金10万円、二人に各罰金20万円)を言い渡した。この不当判決に対して、「権力の暴走ともいえる事態であり、今後が極めて憂慮される」(神奈川新聞)、「表現の自由を切り捨て」(京都新聞)など、マスコミはじめ学者などから多くの批判が表明されたが、当然である。
 最高裁には、憲法違反の高裁不当判決を見直し、憲法に保障された正当な言論・表現活動の自由を守る立場からの判断が求められていた。本日の上告棄却判決は、最高裁が「憲法の番人」としての責務を自ら放棄し、政府に批判的な言論・表現活動に対する弾圧を正当化した原判決を容認したものであり、「戦争する国」づくりに手を貸すことになる「権力の暴走ともいえる事態」に怒りをもって重ねて強く抗議する。
日本国民救援会は、引き続き、憲法・国際自由権規約に保障された、主権者国民の正当な言論・表現の自由を守り、同じ言論弾圧事件である国公法弾圧事件や葛飾ビラ配布弾圧事件の無罪判決を勝ちとるためにいっそう旺盛に運動をすすめる決意を表明するものである。

 
2008年4月11日
 
日本国民救援会中央本部
                               会長 山田 善二郎