【声明】
 

鳩山法相による三たびの死刑執行に抗議する

 

法務省は10日、同日午前に4人の死刑を執行したと発表した。国民救援会は、死刑執行に強く抗議する。
鳩山邦夫法務大臣が昨年8月に就任して以来、死刑執行は昨年12月の3人、今年2月の3人に続いて3回目であり、計10人に上る。法相は同日午前11時からの記者会見で「これからも、粛々とやらせていただく」と語った。
鳩山法相は、昨年9月、死刑執行について「ベルトコンベヤーと言ってはいけないが、(死刑確定の)順番通りにするか、乱数表にするか」として、自動執行をすべきと言う驚くべき問題発言を行っている。国民救援会は、この発言に対しても、辞任(罷免)を強く求めた。また、昨年12月の死刑執行に対しては、国連人権高等弁務官から強い遺憾の意が表明されるという異例の事態が生じていた。
国民救援会は、死刑制度の存廃に関する国民的議論を尽くさないままに、現在の司法が治安強化の立場から厳罰主義に傾斜して死刑判決が増加しているという異常な現状のもとで、国際人権章典の精神や死刑廃止の国際的な流れから起こっている内外の厳しい批判に逆行する、この三たびの死刑執行と、その継続執行の意思表明に厳しく抗議する。

@ 国民救援会は、戦前、拷問など残虐刑罰廃止を掲げて運動し、戦後は、不当な死刑判決を宣告された犠牲者を助けだした実績をつくってきた反面、無実を叫びながら死刑を執行された苦い経験をもっている。

A 人間の行う裁判制度に絶対的に誤りがないということはいえず、誤判による死刑はその悲惨さとともに、回復不可能な刑罰であり、加えて、国民救援会は、誤判だけでなく、松川事件などのように権力によって意図的に死刑を言い渡された恐怖も身をもって体験してきた。

B 死刑存置論の根拠として、犯罪抑止力と被害者の感情などが挙げられているが、犯罪抑止力の効果については、立証されておらず、また、応報感情・思想は歴史的にも変化しており、近代の刑罰制度においては、応報刑から教育刑、身体刑から自由刑へと大きく変わってきている。

C 世界的には、国際人権諸規定で死刑廃止の方向が打ち出されて、現在、世界の半数近い国で死刑が実質的に廃止されている。

D 国連規約人権委員会においても、日本の人権状況が審議され、日本政府に対して二度にわたって「死刑廃止に向けて努力すべきである」との勧告を出している(1993年、1998年)。また、昨年5月18日に示された国連の拷問禁止委員会による日本政府報告書に対する最終見解・勧告においては、日本の死刑制度の問題点を指摘したうえで、死刑の執行を速やかに停止するべきことなどが勧告された。さらに、昨年12月18日には、国連総会本会議において、すべての死刑存置国に対して死刑執行の停止を求める決議が圧倒的多数で採択された。
以上のとおりで、国民救援会は、鳩山法相による三たびの死刑執行と、その継続執行の意思表明に抗議するとともに、当面、死刑の執行を停止し、死刑廃止条約を批准して、死刑を廃止することを要求するものである。

 
2008年4月11日
 
日本国民救援会中央本部
                               会長 山田 善二郎