立川・自衛隊官舎ビラ配布の高裁不当判決に対する会長声明
 本日(12月9日)、東京高裁第3刑事部(中川武隆裁判長)は、東京都立川市の自衛隊官舎に「自衛官・ご家族の皆さんへ、自衛隊イラク派兵反対!いっしょに考え、反対の声をあげよう!」と題したビラを配布した市民3人が住居侵入罪で逮捕・起訴された事件の控訴審で、1審の無罪判決を破棄し、1人に罰金10万円、2人に各罰金20万円とする不当判決を言い渡しました。
日本国民救援会は、憲法に保障された正当な国民の言論・表現活動を認めない不当な高裁判決に対し、強く抗議するものです。
 昨年12月16日に1審東京地裁八王子支部が出した無罪判決では、「ビラの投函自体は憲法21条1項が保障する政治的表現活動で民主主義社会の根幹をなす。商業的宣伝ビラの投函より優越的地位が認められる」「立ち入りによるプライバシー侵害の程度は極めて軽微で刑事罰に処するに値する違法性はない」とし、憲法の表現の自由、政治的表現活動を保障する立場からの判断を示しました。
しかし、高裁判決は、@1審判決が正当とした動機について「本件ビラ投函は…自衛官工作の意味を持つもので…これを投函するために管理権者の意思に反して邸宅、建造物等に立ち入って良いということにはならない」などとし、A「居住者らが受けた不快感のほか…ビラ投函のための立ち入りが反復して行われた」ことから「管理権者らの法益侵害の程度が極めて軽微であったとはいえない」と認定し、逆転有罪判決としています。
また、高裁判決は、本件ビラ投函が「自衛官工作の意味を持つ」として、ビラの表現内容にまで踏み込んで判示しています。これは、「ピザ屋等のチラシと反戦ビラとはわけが違う。他の団体の活動を押さえる犯罪予防の狙いもある(本件を起訴した際の東京地検八王子支部副支部長の談話)」という、検察の治安優先の考えと同じです。
今回の高裁判決は、憲法判断を避け、住居侵入罪の構成要件に関する形式的な判断だけで1審の無罪判決を覆し、政府に批判的な言論・表現活動への捜査機関の弾圧を容認した憲法違反の不当判決です。
この事件は、自衛隊のイラク派兵強行に反対する国民の運動が大きくとりくまれるなかで「住居侵入」を口実にして「戦争する国づくり」に反対する言論活動を抑えるために起こされた弾圧でした。
私たちは、憲法に保障された正当な言論表現活動の自由を守り、同じ言論弾圧事件である国公法弾圧事件や葛飾ビラ配布弾圧事件などの無罪判決を勝ちとるとともに、いままた、政府がイラク派遣1年延長を決めるもとで出されたこの不当判決に厳しく抗議し、国民の正当な言論活動を守るために一層旺盛に運動をすすめる決意です。


  2005年12月9日
                             日本国民救援会中央本部
                                 会長  山田 善二郎
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