板橋高校「威力妨害事件」判決声明

                    

 昨日5月30日、東京・板橋高校「威力業務妨害事件」に対して、東京地裁刑事第9部(村瀬均裁判長)は罰金20万円の有罪判決を言い渡した。
 この事件は、2004年3月、東京都立板橋高校の卒業式に来賓として参加した同校元教諭・藤田勝久さんが、開式前に保護者席の父母に対して、日の丸・君が代の強制の実態を報道した週刊誌のコピーを配布し、「国歌斉唱のとき教職員は立って歌わなければ処分されます。ご理解願ってできたら着席をお願いします」と静かに訴えた、このことを卒業式を遅らせた威力業務妨害として起訴したものである。
 藤田さんと弁護団は、この事件が言論・表現の自由を抑圧し、卒業式でほとんどの生徒が君が代の斉唱の際に起立しなかった「責任」を藤田さんに押し付けた不当なものであること、藤田さんの行為は開会式の20分も前のことであり、ビラ配布は教頭の退去要求以前に終了しており、藤田さんは教頭や校長に退去を言われて若干の抗議はしたものの自ら退去したもので式の遅れとは関係がないことを主張してきた。
 ところが、判決では、検察側証人の教頭や校長などの証言を全面的に採用し、弁護側証人の教員や保護者等の証言は否定して、藤田さんが教頭の退去命令に大声で抗議・抵抗したと針小棒大に事実を作り変え、その結果卒業式の開始が2分遅れたとして威力業務妨害は成立する、と断定した。そして、「一定の意思の表明であっても、他人の業務を妨害していいことにはならない」と形式的に判断した。
 いま、小泉内閣によって「戦争をする国」づくりが進められ、憲法や教育基本法を改悪する策動が強まる中で、立川自衛隊官舎反戦ビラ事件や国公法弾圧事件、葛飾ビラ配布弾圧事件など、言論・表現活動への弾圧事件が相次いで起きている。今回の事件もこの流れと軌を一にし、公安警察と検察が法律の拡大解釈や濫用によって仕立て上げたものである。今回の判決は、東京都教育委員会等による、子どもと教師の内心の自由をおかす日の丸・君が代の強制と、公安警察の言論・表現の自由に対する弾圧を追認したものであり、断じて許すことはできない。
 私たち日本国民救援会は、真実と正義にもとる不当判決に強く抗議し、言論・表現の自由を守るために全力でたたかうことを表明する。

  2006年5月31日
                                        日本国民救援会  
                                          会長 山田 善二郎  


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