立川・自衛隊官舎ビラ配布の無罪判決に対する会長声明

(2004年12月20日)


日本国民救援会中央本部   会長  山田 善二郎
東京都立川市の防衛庁宿舎に、自衛隊のイラク派兵反対のビラを配った市民3人が住居侵入罪で逮捕・起訴された事件について、東京地裁八王子支部(長谷川憲一裁判長)は12月16日、全員無罪の判決を出しました。判決は、「ビラの投函自体は憲法21条1項(表現の自由)が保障する政治的表現活動で、民主主義社会の根幹をなす。商業的宣伝ビラの投函より優越的地位が認められる」、「立ち入りによるプライバシー侵害の程度は極めて軽微で刑事罰に処するに値する違法性はない」とし、憲法の表現の自由、とくに政治的表現活動を保障することの重要性を示しました。
今回の判決は、住居侵入罪の構成要件に関する形式的な判断から一歩踏み込んで、ビラの配布行為の憲法的重要性を認めた点で、優れた、評価すべきものです。救援会は、検察が控訴を行わず、無罪判決が確定することを強く求めるものです。



 今回の事件の本質は、「住居侵入」という罪名を口実に「戦争をする国」づくりに反対する言論活動を抑え、それによって同様の言論活動・反対運動を躊躇させるための政治的弾圧です。そのことは、普段、商業ビラの配布は容認しながら、自衛隊派兵反対のビラ配布だけを逮捕・起訴したことからも明らかです。
戦前、反戦平和をとなえた人たちを弾圧するなかで、日本は戦争に邁進しました。その反省のうえに立ち作られた日本国憲法のもとでは、政府の政策に反対する表現こそもっとも保障されなければなりません。あわせて、ビラ配りなどその表現手段が保障されなければ、絵に描いた餅になってしまいます。
この事件の5日後、国公法(政治的行為の制限)違反で目黒社会保険事務所職員の堀越明男さんが逮捕されました。2つの事件を重ねあわせ考えるとき、自衛隊の派兵強行、憲法改悪策動の強まりなど、日本を再び「戦争をする国」に大きく変えようとする動きのなかで、これに反対する言論活動を弾圧したものであることは、いっそう明らかとなります。
また、近年発生しているマンションへのビラ配布行為を「住居侵入罪」容疑で逮捕することの不当性が改めて浮き彫りとなりました。



3人を逮捕した警察、起訴した検察、そして逮捕令状や家宅捜索令状を発行した裁判所の責任は重大であり、猛省すべきです。
私たちは、検察の控訴断念を求めるとともに、現在裁判が行われている国公法弾圧事件でも同様に憲法で保障された国民の権利が守られるよう運動をすすめる決意です。  

以上


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