東京高等裁判所の
再審請求横浜事件控訴棄却判決に抗議する

 1月19日、東京高等裁判所第2刑事部(安倍文洋裁判長)は、いわゆる「横浜事件」再審請求裁判で、06年2月9日、横浜地方裁判所刑事部(松尾昭一裁判長)が言渡した免訴判決を支持して、控訴棄却を言渡した。
 そもそも「横浜事件」は、侵略戦争の敗北直前に、今日までその悪名を残している特高警察が、「共産主義運動の再建」なる架空の事実をでっち上げた、空前絶後ともいえる権力犯罪事件であった。
 細川嘉六氏をはじめ中央公論など60名を上回る出版関係者が逮捕、4名が虐殺されるという凄惨な拷問により、ウソの自白調書が作られたのである。
 極めて重大な問題は、この「事件」を審理した横浜地裁が、敗戦の直後、特高警察が作り上げた「ウソの自白調書」を含む裁判記録を焼却して特高警察の犯罪を隠滅した上で、犠牲者に有罪を言渡すという、前代未聞のデッチ上げを完成させたということである。
 当然のこととして、本再審請求裁判において裁判所に求められていたものは、裁判所がこうした冷厳な事実を厳粛に認めて、犠牲者の全員に無罪を宣告して名誉を回復することにあったのである。
 しかるに東京高等裁判所は、何らの実態審理をすることもなく、横浜地方裁判所が言渡した不当な判決を支持して、再審請求を退けたのである。これは、社会正義のために国民から課せられている真実を明らかにすべき責務を、裁判所が自ら放棄したものであって、今日の憲法の下で人権と民主主義のために公正であるべき裁判所がその道をはずれた、人権と民主主義の裁判の歴史に、最悪の汚点を刻んだといわざるを得ない。
日本国民救援会は、この判決に怒りを込めて抗議し、この不正・不当極まりない判決が、最高裁判所において必ず改められることを強く要求するものである。

2007年1月22日   

 

日本国民救援会中央本部会長
山田 善二郎