2021年7月15日号
2021年7月15日号
法定ビラ配布に違法不当な職質
葛飾支部が亀有警察署に厳重抗議 東京
選挙期間中の干渉 警察は指摘に反論できず
東京都議会議員選挙（７月４日投開票）期間中に法定ビラを配布していた会員が警察から職務質問を受け、干渉される事態が発生しました。葛飾支部と東京都本部は、職権乱用による不当な介入であるとして管轄の亀有警察署に、抗議をおこないました。
６月２７日午前、会員のＡさんが葛飾区内の民家に都議選法定ビラを配布していたところ、近くの交差点から進行してきたパトカーから降りてきた警察官２人に呼び止められました。警察官が「不正なビラではないか。何のビラだ」と聞くので、Ａさんは法定ビラであることを告げ、引き続きビラ配布をおこなったところ、警察官が両手を広げてＡさんの進路を阻み、威圧。｢名前を言え｣と迫られましたがＡさんは断りました。するとズボンのポケットを服の上から触らせるよう求め、携帯電話を確認し、「名前を確認するので携帯を見せろ」と言ってきました。Ａさんが「個人情報なので見せられない」と断ると、「財布を見せろ。カードがあるだろう」と迫りました。Ａさんは「見せられない」と応じず、｢名前を言う必要はない｣と断り続け、現場から離れました。Ａさんは今年入会し、選挙・政治活動をすすめる心得を学習していたため、毅然と対応することができました。
※選挙期間中の法定ビラ配布は公選法に定められた正当な活動です。職務質問を定めた警察官職務執行法第２条１項の要件に当てはまりません。
葛飾支部の小松伸哉さんら役員と支部顧問の西田穣弁護士、都本部の山崎友代常任委員ら６人は２９日、亀有警察署に抗議･要請文書を持って､申し入れをおこないました。
要請では、Ａさんが「法定ビラを配布している」とビラを示したにもかかわらず、なお通行を妨げ、執拗に氏名を聞き出そうとしたことの不当、違法性を指摘し、見解を質しました。
西田弁護士は「嫌疑がないことが明確になった後も執拗に名前を名乗らせることは法律上できない。選挙期間中の政治・選挙活動を妨げないために、現場の警察官に周知・徹底するように」と述べました。
警察は職務質問をおこなう時の一般論を述べるだけで、反論はできませんでした。今後同様のことを起こさないように対応するように求めて、申し入れを終えました。抗議文の受け取りを拒否したため、翌日署長あてに郵送しました。
このことをＳＮＳに投稿したところ、大きな反響でした。（都本部）
兵庫・えん罪・花田郵便局事件
事実吟味せず棄却 無辜の叫びに背を向ける 大阪高裁
２００１年６月に、姫路花田郵便局に二人組で強盗に入って大金を奪って逃げた犯人の一人とされ懲役６年の有罪判決を受けたナイジェリア国籍のジュリアス（仮名）さんが求めていた再審請求の決定が６月３０日、大阪高等裁判所第６刑事部（村山浩昭裁判長）で行われました。
決定は「即時抗告を棄却する」という不当なもので、この日早くから駆けつけた「ジュリアスさんを守る会」、兵庫、大阪、滋賀各府県の救援会や支援者などから、「ひどい」の声が出ました。
担当の池田崇志弁護士は支援者を前に決定の内容について「犯人がかぶっていた目出し帽にジュリアスさんのＤＮＡがなかったことは認めていながら『そのことが直ちに申立人の実行犯人性を否定する根拠とならない』。真犯人が車や現金を隠した倉庫の鍵がかけられていなくて、ジュリアスさん以外でも自由に使えることを証言したＮ証人（事件発生時には警察の言うがままに証言）の証言については、『本件発生からは実に１８年、陳述書作成からでも６年という歳月が経過した後になってから突如、思い出したことになり信用できない、またＮ証人が申立人やその家族に恨まれたくないとの思いから、証言を翻した』など、思い込みと事実関係を十分に吟味しない棄却決定であり、特別抗告する」と決意を語りました。
最後まで闘う
ジュリアスさんを守る会の里見繁代表世話人（関西大学教授）は「冤罪を作る捜査機関とそれを見抜けない裁判所。ジュリアスさんと家族を冤罪から救い出し、この国で安心して暮らせる日まで、たたかいは終わりません」と述べました。
ジュリアスさんは｢決定はすごくひどい｡許すことが出来ない。私はあきらめない。最後までたたかうので、皆さんよろしく」と決意を語りました。
今後、万一最高裁で特別抗告も棄却されれば、ジュリアスさんは退去強制令で送還される可能性があり、そうなると未成年を含む家族と引き離されてしまいます。こんなことは人道的に許されるものではありません。さらに、国際人権条約にある家族の分離禁止原則にも反するものです。
「ジュリアスさんを守る会」では、再審開始をめざすと共に、法務大臣に在留特別許可を求める運動を強める方針です。
滋賀・日野町事件
早く決定を出して 抗告棄却求める署名千５百提出 大阪高裁
滋賀県日野町の酒店の女性店主から阪原弘さんが手提げ金庫を奪い殺害した犯人とされ無期懲役となり、３年前に大津地裁で再審開始決定を勝ちとっている日野町事件。日野町事件再審無罪を求める会などが６月２２日、大阪高裁への２４回目の要請行動をおこないました。要請には、１０人が参加し、弘さんの長男の弘次さんと長女の美和子さんも参加しました。弘次さんは、「即時抗告審は時間がかかり過ぎている。母も高齢になっているので早く決定を出してほしい」と要請しました。
要請に先立ち、高裁前で大阪、兵庫、京都、奈良、滋賀からの２５人が参加し、宣伝をおこないました。美和子さんは、「父が逮捕されたのは、私たちが２０代の時でした。その私たちが６０手前になろうとしています。長い間父の無念を晴らすために頑張ってきました。でも、もうボロボロです。疲れました。どうかみなさま、助けていただけないでしょうか。大切な父のために、この日野町事件を知ってください」と訴えました。
検察の抗告棄却を求める署名を１５００人分（累計で２万７千人分）提出しました。（日野町事件家族再審ニュースより）
東京・小石川事件
証拠開示を勧告せよ
支援する会が宣伝、要請 東京高裁
２００２年東京都文京区小石川で高齢の女性が殺害され、同じアパートに住んでいた伊原康介さん（当時２２歳）が犯人とされた小石川事件で、支援する会は６月２８日に裁判所前で宣伝を行い、その後東京高裁への要請をおこないました。要請では、検察官に証拠開示を勧告し、事件の真相を明らかにし、再審開始を決定するように訴えました。これには国民救援会東京都本部、大田、文京、千代田の各支部などから１２人が参加しました。
２０年東京地裁は伊原さんの再審請求を不当に棄却し、現在、東京高裁に係属。本年３月に三者協議が開かれ、弁護団の証拠開示請求について、重要な段階を迎えています。
支援する会では、コロナ感染拡大で十分な活動が出来ない中、裁判所への要請ハガキを約１０００枚普及しており、この日は８２５人分（累計１６８３人）の署名を提出しました。（支援する会・芝崎孝夫）
岡山・倉敷民商弾圧事件
禰屋町子さんとオンラインで交流しよう
倉敷民商弾圧事件全国連絡会は、公判までに、禰屋さんの無罪を求める署名の２０万目標をやり切ろうと奮闘しています。そのために、�‥�事者の禰屋町子さんの訴えをオンラインで聞き、交流すること、�∈鯒�１２月におこなわれた全国連絡会第５回総会報告集の学習をおこなうことを提起しています。
禰屋さんの訴えをリアルタイムで聞き、公安警察による弾圧の実態を知れば、民商弾圧をみんなではね返す元気がでます。
６月２７日の北海道商工団体連合会婦人部協議会の「婦人部学校」では、禰屋さんがオンラインで講演し、交流しました。参加者から「自分が同じ立場になった時、耐えることが出来るだろうかと思った。辛く過ごした期間を無駄にしないよう支援していきたい」「理由なき弾圧としか思えない。警察や検察は禰屋さんを私たち民商に対し見せしめをしているとしか思えない」等の感想が寄せられました。
《禰屋町子さんから》北商連の皆さんには、２０万目標の署名の協力をお願いしました。全国の皆さんの支援が私のパワーとなっています。全国の皆さん、ぜひオンライン会議に呼んでいただき、訴えさせてください。
問い合せ先：全国連絡会 電話03-5842-5842
名張事件第10次再審（最高裁）署名用紙
