日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2020年5月15日号

救援新聞より

2020年5月15日号  

滋賀・湖東記念病院人工呼吸器事件 西山さんに謝罪せよ 4団体が滋賀県警に要請  

 再審無罪判決が確定した西山美香さんに謝罪し、不当な捜査の検証と公表を求めて、4月23日、滋賀県警本部へ要請しました。

 要請したのは、「西山美香さんを支える会」、国民救援会滋賀県本部、中央本部、再審・えん罪事件全国連絡会。「支える会」の伊藤正一会長、滋賀県本部の中野善之助会長、川東繁治事務局長、中央本部の橋本宏一副会長の4人が県警におもむき、県警本部刑事部刑事企画課の石居高廣総括管理官と面談しました。
 最初に伊藤さんが、滝澤依子本部長宛の要請書を読み上げ、中野会長が要請の趣旨を説明。「県警本部長は判決を生かすとはいうが、西山さんへの謝罪をいまだしていない。県民が関心を持って見守っている。再びえん罪を生まないための検証と改善をしっかりしめすべきだ」と述べました。また、橋本副会長は、起訴するかどうか判断に影響与える捜査報告書が送検されなかったのはなぜなのか、西山さんをうその供述に誘導した警察官の処分はどうなのか、明らかにしてほしい、と求めました。対応した管理官は、回答するかどうかここで回答できないが、本部長には伝えると述べました。 (橋本宏一)

東京・小石川事件 伊原さんの再審を棄却 東京地裁 「可能性」で新証拠を切り捨て  

 強盗殺人事件の犯人とされた伊原康介さんが再審を求めている小石川事件で東京地裁(小森田恵樹裁判長)は3月31日付で再審請求を棄却する不当決定を出しました。
 事件は2002年に文京区小石川のアパートで発生した強盗殺人事件で、同じアパートに住んでいた伊原さんが別件逮捕され、警察の暴力的な取調べでウソの自白を強いられました。05年に無期懲役が確定し、千葉刑務所に収容されています。
 15年の申し立て以来、裁判所は弁護団の度重なる証拠開示に応えず、一切の事実調べもおこなわないままの棄却決定です。
 決定は弁護団が提出した新証拠を可能性の問題としてことごとく切り捨てています。被害者は口にタオルを押し込まれて殺害されたとされていますが、弁護団はそのタオルから伊原さんのDNA型は検出されておらず、真犯人のものと思われるDNA型が検出されていることを示す鑑定書を提出。これについて、「タオルに触れた可能性のある人物を特定することは不可能で、検出されたDNA型が真犯人のものであるということはできない」と切り捨てました。
 また、指紋が検出されていない点についても、「汗の分泌量が多すぎると指紋が付着しない可能性がある」などと、新証拠について、「弁護団の主張のように断定できない」などと「可能性」だけで、確定判決の事実認定に影響を及ぼさないと再審請求を棄却しました。「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則が再審にも適用されるとした白鳥・財田川決定に反した不当な決定です。
 4月7日に支援者と面会した伊原さんは、「裁判所がしっかり事実を見てくれなかったということが、悔しいというより悲しい。きちんと調べてくれれば再審開始は出ると思う。前を向いてあきらめずにやっていきます」と話しました。
 弁護団は4月6日、即時抗告しました。
〈抗議先〉 〒100―0013 千代田区霞が関1―1―4 東京地裁刑事第10部 小森田恵樹裁判長
〈激励先〉〒264―8585 千葉市若葉区貝塚町192 千葉刑務所 伊原康介様

三重・名張毒ぶどう酒事件 奥西さんに再審を 名古屋市繁華街で宣伝  

 2005年の再審開始決定から丸15年となる4月5日、えん罪名張事件愛知の会と国民救援会愛知県本部の共催で、再審開始決定15周年行動を名古屋市の繁華街・栄でおこないました。
 この行動には再審無罪判決を勝ちとった湖東記念病院人工呼吸器事件の西山美香さんを迎え、また、新型コロナウイルス感染防止の観点から愛知県内でのとりくみとしたにもかかわらず、奈良、大阪、岐阜からもご参加いただき、総勢70人の宣伝となりました。
 弁護団の岡村弁護士、元面会人で愛知の会の稲生昌三さん、愛知県本部の矢野副会長からの訴えに続き、西山さんが訴えました。
 「獄中で奥西さん獄死のニュースを聞いた時はとてもショックでした。刑期を終えて岡さんに会いに行きました。お元気でしたが高齢で、支援者の皆さんの支えで何とか頑張ることができていると話していました。私と同じように再審無罪を勝ちとって、岡さんとみんなで喜び合いたい」。
 人通りは少ない街中でしたが、参加者はパネルや横断幕を掲げるとともに、岡さんのメッセージを載せたビラ入りティッシュを配りました。

 〈名張毒ぶどう酒事件〉1961年、三重県名張市葛尾の地域の懇親会でぶどう酒に毒物を混ぜて5人を殺害したとして、奥西勝さんが起訴。1審無罪、2審逆転死刑判決となり確定。05年に再審開始決定が出るも、06年に取り消しに。15年に奥西さんが亡くなり、妹の岡さんが再審を引き継ぐ。第10次再審請求は17年2月に名古屋高裁刑事1部が棄却。現在、同高裁刑事2部に異議審が係属。

北海道・札幌大学特任准教授地位確認裁判  

最高裁が不当決定

 最高裁に上告していた札幌大学特任准教授地位確認裁判について、2月14日付で、「上告却下。上告不受理」の決定が送られてきました。
 裁判は、札幌大学特任准教授Aさんが雇止めは無効として、提訴していたもので、地裁、高裁で請求が棄却され、最高裁に上告していました。

ご支援に感謝します 原告・Aさん  

 2019年11月に上告理由書を提出し、上告審の準備を進めていましたが、大変残念ながら今年2月に上告が却下されました。最高裁による「却下・不受理」決定により、2017年以来の法廷でのたたかいは終わりました。
 国民救援会の皆様には、裁判傍聴、署名活動、カンパ・物販活動など、力強いご支援をいただき、誠にありがとうございました。3年に及ぶ司法の場での苦しい闘いを完走できたのは、ひとえに皆様のお力添えのおかげです。皆様から賜った激励と裁判経験をいつか必ず力に変え、ふたたび立ち上がり前に進みたいと思います。
 新型コロナウイルス感染拡大による経営不振を口実とした非正規労働者の雇い止めや派遣切りが連日報道されています。この3年、非正規労働者、とくに非正規教員に対する差別的処遇の改善を願いたたかってきた当事者として、一人でも多くの非正規労働者が救済され、安心して暮らせる日がくることを願ってやみません。

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