日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2019年9月5日号

2019年9月5日号  

松川事件70周年 二度と松川を繰り返させない 9月21日〜22日、全国集会を福島で開催  

 松川事件の発生から70年。9月にはこれを記念して福島市で全国集会が開催されます。その成功にむけて奮闘している松川運動記念会事務局長の吉田吉光さんから寄稿いただきました。

松川事件の闘い輝かしい金字塔
 1949年8月17日未明、東北本線奥羽線経由上り旅客列車が福島市松川町で脱線転覆し、3人の乗務員が機関車の下敷きとなって死亡。脱線転覆の原因は、何者かが人為的に引き起こした線路破壊でした。これが松川事件です。
 当時、人員整理等に反対していた国労福島支部と東芝松川工場の組合役員等20人が逮捕・起訴されました。一、二審の死刑、無期を含む有罪判決という厳しい状況の中、獄中からの無実の訴えや、家族の全国行脚、弁護団の奮闘と作家・広津和郎の松川裁判批判などを通じて、猝擬造力働者を救え瓩箸い声が国内外に大きく拡がりました。差戻審では、完全無罪の判決となり、検察側の再上告も棄却され、14年と5回の裁判を経て1963年9月12日、全員無罪が確定。更に国家賠償裁判では、検察官が長年隠していた「諏訪メモ」など、警察・検察の不正と違法がより明確にされました。この事件は、当時の情勢などから政治的謀略の疑いが濃厚で、権力犯罪と言えるものです。
 松川裁判は、司法における正義と道理が、ヒューマニズムに根ざした国民運動と相まって実現した、輝かしい金字塔であります。松川裁判の勝利は、その後の刑事弾圧・冤罪再審事件だけでなく、労働、公害、教育、消費者、原発などの問題解決に、大きな影響を及ぼしました。

松川資料は日本の宝「世界の記憶」登録を
 福島大学松川資料室には、松川裁判の記録や、被告たちの無実の叫びをあらわす2万3千通の書簡、これに応えた広津和郎、宇野浩二、志賀直哉等文化人が裁判長に「公正裁判」を求めた要請書、松川救援の記録、著作、評論、「諏訪メモ」、門外不出の「最高裁調査官報告書」、そして差戻審門田実裁判長の手控え・資料なども整理・保管され、一般公開されています。この松川資料を閲覧した方々から「松川資料は日本の宝」と絶賛。2016年から松川資料をユネスコ「世界の記憶」(遺産)へ登録めざす活動にとりくんでいます。

「冤罪をなくそう」全国集会に参加を
 松川事件は、去る8月17日、発生して70年を迎えました。これまで松川事件発生と無罪確定の10年の節目に「全国集会」をとりくんできました。それは、松川事件・裁判・救援運動の内容と教訓を学び、次世代に伝え、冤罪をなくし、二度と松川事件を繰り返させないためです。今年は、70周年を記念して9月21日から22日に福島大学を会場に、松川事件70周年記念全国集会を開催します。主題は「冤罪をなくそう」です。
 今回の「全国集会」の記念講演は、冤罪事件をテーマにした映画を制作された映画監督・周防正行さんの記念講演です。シンポジウムでは、国賠で勝利(現在、高裁)した桜井昌司さんが発言されます。冤罪を防ぎ、なくしていくためにどうするか。一緒に考えようではありませんか。

長野・あずみの里「業務上過失致死」裁判 高裁で逆転無罪を 介護の未来守るシンポ開催  

 「特養あずみの里業務上過失致死事件裁判で無罪を勝ち取る会」は8月18日、安曇野市で東京高裁での控訴審のたたかいに向け「介護の未来を守るシンポジウム」を開き、県内外から350人が集まりました。
 弁護団長の木嶋日出夫弁護士は介護現場の事故が職員個人に刑事罰が科せられた今回の裁判、「死因は何か、ドーナツによる窒息なのか」「おやつの形態を確認しなかったことを刑事責任に問えるのか」の2つの争点について弁護側の科学的、医学的な知見に基づく主張と、これを無視、検察の主張を追認しただけの判決を批判し「理屈の通らない判決を野放しにできない」と控訴審・東京高裁の無罪に向けて決意を語りました。
 医師で東京保険医協会西多摩支部長の片倉和彦医師、松本医療専門学校介護福祉学科の大輪広美学科長、NPO法人峠茶屋 訪問看護ステーション所長の江森けさ子さんが発言。有罪判決が介護現場に与える影響について語りました。会場から今後の介護現場を懸念し「無罪判決を」との発言も相次ぎました。
 最後に、一審で罰金20万円の刑を受けた山口けさえさんは「地裁判決は残念な結果に終わったが、控訴審における無罪を信じて頑張っています。これからもご支援をよろしくお願いします」と引き続く支援を訴えました。

静岡・袴田事件 慎重審理を要請 最高裁  

 8月23日、「袴田巖さんに一日も早い再審無罪をめざす実行委員会(国民救援会、アムネスティ、日本プロボクシング協会袴田巖支援員会など8団体で構成)は、袴田事件の再審開始を求めて最高裁への要請行動を行いました。今回の要請行動には、実行委員会の代表をはじめ、国民救援会中央本部、千葉、神奈川両県本部からも参加しました。
 この日の行動は、最高裁に特別抗告して1年が経過したこと、さらに担当裁判官の山崎敏充裁判長が8月末に退官することもあって、緊張感をもって要請を行いました。
 要請では、「事件から53年、姉の秀子さんは86歳、巌さんは83歳となった。これ以上、無実の巖さんの命を弄ぶのは直ちにやめてください」、「東京高裁の大島隆明裁判長は、袴田巖さんの意見を聞くこともなく再審開始決定を取り消した。これは適正手続き違反です」、「最高裁は最低でも東京高裁に差し戻しをすべきです」などの訴えがなされました。
 最後に、中央本部の瑞慶覧副会長から「この事件は死刑事件です。死刑がかかった事件でありながら弁護団と一度も面会もせず決定を出すことはあってはならない」と、最高裁が慎重で公正な審理を尽くすことを強く要請しました。

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