日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2019年2月25日号

2019年2月25日号  

熊本・松橋事件 宮田さん、3月28日無罪へ!  

 1985年熊本県松橋町(現宇城市)で起きた殺人事件(松橋事件)の犯人として懲役13年の刑に服しながら無実を訴えてきた宮田浩喜さん(85歳)。やり直し裁判(再審)の初公判が、2月8日、熊本地裁(溝國禎久裁判長)で開かれました。検察側は有罪(殺人)の主張・立証・求刑もせず、即日結審。3月28日に無罪判決が言い渡されることになりました。

謝罪と反省の
言葉を判決に

 開廷前には、国民救援会の熊本県本部・佐藤秀年事務局長、橋本宏一中央本部副会長と宮崎、鹿児島県本部の代表7人が、裁判所書記官室を訪れ、全都道府県本部会長の要請書や個人署名を提出。「宮田さんは冤罪で人生が奪われた。これは警察、検察が無実の証拠を隠し、ウソの自白をさせたことでつくられた事件、長い間苦しめてきた宮田さんへの謝罪とこれらの捜査を厳しく断罪し、冤罪被害者を速やかに救済する再審法改正への立法を促すことばを判決に盛り込んでもらいたい」と要請しました。
 弁護団の入廷前には門前の激励行動もおこなわれました。

冤罪で34年も
苦しめられた

 開廷30分前には、メディアや国民救援会の仲間、市民など200人余りが59席の傍聴券を求めて並びました。
 午後1時30分開廷。脳梗塞の影響などで宮田さんが出席できないままの進行となりました。起訴状の朗読に対して、主任弁護人三角恒弁護士が「被告人は無罪です」ときっぱり。検察官は、冒頭陳述と論告求刑で、再審請求手続きで「自白の重要部分が客観的事実と矛盾し、疑義が生じた」「自白の信用性が揺らいだ」ことを踏まえ、新たな有罪の主張、立証はしないと述べ、(有罪か無罪かについては)裁判所に「適切な判断を」と求めました。検察はさらに、宮田さんの自白調書や凶器とされた小刀など約200点の証拠の取り調べ請求をしましたが、裁判長は弁護側の意見を聞いたうえ大半を却下しました。
 最終弁論に立った弁護団は、宮田さんと事件をむすびつける証拠は一切存在しないことを改めて主張。齋藤誠弁護士は「有罪判決が確定し再審請求を考えてから30年、これまでを思えば感無量。宮田さんは人生を奪わてしまったといって過言でない。子どもや家族や親せきまでも苦しんできた。おだやかな余生も送ってもらうのも困難だが、『宮田さん、あなたの無実が認められた』と伝えたい。一刻も早く無罪判決を出してもらうよう切に願う」と訴えました。このあと、裁判長が、次回は判決公判、3月28日(木)午前10時101号法廷と告げ、午後2時には閉廷しました。

再審法改正の
流れつくろう

 2時30分からの記者会見では、弁護団と宮田浩喜さんの次男・賢(まさ)浩(ひろ)さん(60歳)が質問にこたえて語りました。
 「宮田さんの健康がおぼつかない状態。誤判原因の解明という思いもあるが、元気な内の判決を急いだ」(弁護団)、「もっと早く無罪判決を出してほしかった。もう2年早ければ兄がこの場にいた。さらに2年早ければ、父も裁判のことを理解できたはず」。「検察の、このくらいにしておいてやる、という言い方には……。人間としての心はないのでしょうか」(賢浩さん)。これらの発言のあと、再審開始のハードルの高いことや、34年もの長い年月がかかる問題をどう考えるのかとの質問があり、弁護団から、現行の司法制度に大きな問題があり、無実の証拠を検察が隠していた問題や異議申し立てを繰り返すことなどを許さないよう、「再審法改正」をしないと、悲劇がなかなか救われないとの発言がされ、すでに冤罪弁護団、日弁連とも力を合わせ、この改正運動に取り組んでいるとの報告もありました。
 国民救援会は、冤罪の根絶と冤罪被害者の救済のため、現行刑事訴訟法の再審に関する規定の改正を主張しています。それは、捜査機関手持ち証拠の全面開示と検察官の上訴禁止です。少なくともこの2つの実現は急務の課題です。
 裁判所に対し、証拠を隠して冤罪を作った検察を厳しく断罪する無罪判決を、最後まで要請しましょう。

【要請先】 〒860−8513 熊本市中央区京町1−13−11 熊本地裁 溝國禎久裁判長
【激励先】 〒862−0954 熊本市中央区神水1−30−7 コモン神水 救援会熊本県本部

福岡・防衛大学校人権侵害裁判 上級生に賠償命令 「全国の署名が大きな力に」 福岡地裁  

 福岡・防衛大学校人権侵害裁判で2月5日、福岡地裁(足立正佳裁判長)は、学生7人について違法行為を認め、計95万円の支払いを命じました。
 裁判は、防衛大学校で上級生の「指導」の名による人格権を否定する暴行やいじめを受け、退学に追い込まれたAさんが、国と上級生8人に賠償を求めているものです。国に対する請求の裁判も、同地裁に係属しています。
 判決では上級生の大半の行為について、「およそ指導とは言えず、原告に苦痛を与えた」と、その違法性を認めました。1人の行為については指導の範囲内としました。

全国大会後に温かい署名が  

 原告Aの母
 2月5日、元防大生(現幹部自衛官)被告に対する判決後、記者会見席の息子の「姿」に私は胸が詰まりました。
 滋賀大会後、全国から寄せられた驚くほど沢山の温かい署名が息子の「力」となったこと、心より感謝申し上げます。
 これら「指導」に対して司法はどのような判決を国に下すのか?引き続きご支援お願い致します。

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