日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2019年1月15日号

2019年1月15日号  

一日も早い、無罪判決を 熊本・松橋事件  

 34年前に、知人を殺害した犯人として宮田浩喜さんに懲役13年が確定した松橋事件。再審を申し立て、昨年10月に最高裁で再審開始が確定し、12月20日に再審公判に向けての第1回三者協議がおこなわれました。

 記者会見で弁護団は、この日の三者協議で検察は、「新たな主張をしないし、証拠申請も、有罪立証も求刑も行わない」と述べ、裁判所は「宮田さんの状況から、早期に判断を行いたいが、自白調書を証拠として扱うとなれば、半年はかかってしまう。この判断についてはどうか」と検察に問いかけたところ、検察は「持ち帰って検討する」と回答しました。松橋事件では、自白調書がなければ凶器とされた小刀も、凶器かどうかわからないこととなるなど、自白調書の信用性が大きなカギを握ります。検察は、次回協議(1月31日)までに返答するとしていますが、弁護団は「有罪立証をしないと言っている以上、自白調書について検討する必要はないのではないか」と主張しました。

早期に判断で
裁判所も一致

 さらに弁護団は、「宮田さんの年齢や体調を考慮して、早期に判断をという点では、裁判所も、弁護団も一致している。今日の協議で分かったことだが、当初裁判所は10月にも協議日程を入れようとしていたが、検察が難色を示したことから、今日の日程となった。宮田さんは、34年もの長きにわたって犯人扱いを受けている。なぜこんなに長くかからなければいけないのか。刑事裁判が誤った時の影響の大きさを痛感する」と述べました。
 宮田さんの状況について記者から質問され、弁護団は、「食欲は旺盛だが、認知症が進行しており、しゃべることや意思表示はほとんどできず、判断力は低下している。地裁の開始決定時(2016年6月30日)には、とても喜んでおり、現在も無罪が出るまでは生きようという気持ちがあるのではないか」と答えました。
 裁判所は、今の裁判体で判断を行いたいと表明しており、早ければ年度内に判決が出される可能性があります。
 三者協議の日程に合わせて、裁判所と検察への署名の提出と要請を行い、裁判所には無罪判決を要請する署名1236人分と要請決議3本を提出し、検察には108団体の無罪論告を求める署名を提出しました。この日の行動には、福岡・大分・宮崎・長崎・鹿児島・熊本の各県本部と中央本部から21人が参加しました。

宮田さんを訪問 顔色良く元気

 一連の行動後、熊本県本部の佐藤秀年事務局長と、中央本部の岸田郁事務局長は、施設に入居している宮田さんを訪ね、激励しました。
 宮田さんはこの日、お風呂に入ったこともあってか、とても顔色が良くお元気そうで、施設職員の話によれば、風邪もひかず、食事もよくとられているとのことでした。しかし、宮田さんは自ら自分の無実を訴えることができない状態です。
 長期にわたり殺人犯の汚名を着せられている宮田さんに、一日も早く無罪判決を届けるため、全国現地調査を成功させ、支援を強めましょう。

〈要請先〉
〒860―8513 中央区京町1―13―11 熊本地裁 溝國禎久裁判長
〈激励先〉
〒862―0954 熊本市中央区神水1―30―7 コモン神水 国民救援会熊本県本部

長野・あずみの里「業務上過失致死」事件裁判 山口さんに過失はない  

3月25日判決 長野地裁 松本支部

 長野地裁松本支部であずみの里「業務上過失致死」事件裁判の第22回公判が12月17日に開かれ、弁護団の最終弁論と当事者である山口けさえさんの最終意見陳述がおこなわれ、結審しました。判決は3月25日。
 弁護団の最終弁論では、‐攀鬚砲茲辰毒Г瓩蕕譴觧実∨楫鏝訴事実K楫鏈枷修婆笋錣譴討い襪發里箸靴殖横娃以任鯆兇┐襭撹構成からなる弁論書の要点を12人の弁護団が分担して朗読をおこないました。
 弁護団はあずみの里における介護職員と看護職員の業務の違いと分担を詳細に述べ、食事やおやつ時の介助は、介護職員が中心になっておこない、手の空いた看護職員は積極的に補助として入ってることを、証拠採用された「現場再現DVD」を文字化した資料を元に述べました。また、発生当初、「窒息ではないか」との推測が独り歩きし、これをもとに看護師長や救急隊、搬送先医師の対応がなされましたが、死亡後の検査によって、死因は窒息ではないことが証言などによって明らかになっています。これについて弁護団は、警察の捜査によって、「異変」が「窒息事故」と変質させられ「業務上過失致死事件」とされたのは、あずみの里の職員らが異変発生に心を痛め、再発防止に努める真摯な反省が警察・検察によって逆手に取られ、検察は警察のずさんな組み立てを引き継いで起訴しているからだと厳しく指摘しました。また、検察の捜査は、山口さんに対する取り調べのみで、「窒息」についての医学的・科学的検討も全くおこなっておらず、信用性がないことを批判しました。
 山口さんは、「裁判が始まってこの4年間の苦しみは言い尽くせない。怒りと切なさが入り混じった日々だったが、次第に不当な裁判に怒りがわき、負けられないとの思いが強くなった。介護・福祉の未来がかかっていると確信している」と述べました。
 法廷に入れなかった参加者は、市街で署名・宣伝行動をおこない、82人分の署名が集約されました。
 午後からの報告集会では、弁護団報告に続いて、全日本民医連岸本事務局長が発言。看護協会や老健協会などからの協力を得てきていることを紹介し、二度とずさんな捜査・裁判を医療現場に許してはならないと、無罪判決めざして最後までの奮闘を呼びかけました。

〈要請先〉 〒390―0873 松本市丸の内10―35 長野地裁松本支部・野澤晃一裁判長

岐阜・大垣警察市民監視国賠事件 侵害度合いの分類!? 裁判官の求めを厳しく指摘 岐阜地裁  

 大垣警察署が、風力発電施設計画の勉強会を開いた地元住民2人と反原発活動や平和活動をしていた大垣市民2人の個人情報を収集し、事業主体の中部電力子会社に提供していた事件をめぐり、監視は違憲だとして、国家賠償請求と個人情報の抹消を要求している裁判で、12月3日、岐阜地裁(池町知佐子裁判長)で口頭弁論が開かれました。
 裁判所から、警察が収集した個人情報のプライバシーの侵害度合いを、個別に分類できないかという求めがあり、弁護団の原和一弁護士が陳述しました。
 原弁護士は、個別の分類ができる状況ではないと述べた上で、原告らの個人情報は、思想信条や私事に関するものであり、分類する必要性もないと指摘。自分のどのような個人情報を、どれくらい、いつ誰に提供するかは本人が決めることだと厳しく指摘しました。
 くわえて、「岐阜県警警備部は、原告らを公共の安全を害する者としてマークし、その動向を監視する犂道訛仂歇圻瓩箸靴討い襪海伴体が異常であり、警察の自由裁量としておこなうことは許されていない。原告らが社会にとって「有害」と評価され、それが外部に流され人格を蹂躙されていることは、およそ許容されるべきではない」と述べました。最後に、「裁判官自身も、もし自分がその立場だったらと考え、現代の民主主義社会において普遍的に共有されている価値観をもとに本件事案の問題点を考えていただきたい」と締めくくりました。
 今後の日程は、1月30日(水)の三者協議で決められる見通しです。

宮城・仙台北陵クリニック事件 青森・津軽と埼玉で支援組織結成 再審の扉開かせよう  

●青森・津軽の会
 12月15日、弘前市内で、宮城・仙台北陵クリニック事件の学習会と、支援する会設立総会が開かれました。青森県内で青森、八戸に続き3番目の支援する会となります。
 第1部では事件のDVDを観て、小田切達弁護士(国民救援会中弘支部支部長)が、事件について講演しました。講演はとても分かりやすく、質疑も含め、事件の本質の理解を深めるものでした。
 第2部では設立準備会から支援する会の結成が提起され、当面の活動や役員体制を確認しました。会の名称は「仙台・筋弛緩剤えん罪事件・守(もり)大助さんを支援する津軽の会」(略称・守大助さんを支援する津軽の会)とし、会長に小田切弁護士、事務局長に竹浪純さんが選出されました。
 警察のデッチ上げ冤罪事件の真相を広め、再審の扉を開かせることを意思統一し、当面、守さんへ激励の年賀状を送ることにしました。(青森県本部)

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