日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2018年7月5日号

2018年7月5日号  

無実の人を救おう なくせ冤罪!市民集会供。横娃或幼兇┐觧臆  

 「くり返すな冤罪!市民集会供集〇,郎匿海鯔験欧垢襪福」が6月21日、都内で開催され、会場いっぱいの200人以上が参加しました。

再審法の改正を求め  

 集会は、冤罪で苦しむ人を救おうと、国民救援会や再審・えん罪事件全国連絡会、なくせ冤罪!市民評議会、各事件の支援組織などでつくる実行委員会が主催したもので、昨年11月につづき2回目となります。
 今回の集会は、最高裁でたたかう再審事件での勝利、そして再審を阻んでいる制度の改正(再審法の改正)をめざして開かれました。
 再審は、無実の人(無(む)辜(こ))を救うための制度です。現在、最高裁では、かつてなく多くの再審事件がたたかわれています。再審開始を勝ちとりながら検察に不服申し立て(上訴)をされた滋賀・湖東記念病院人工呼吸器事件、熊本・松(まつ)橋(ばせ)事件、鹿児島・大崎事件、加えて再審決定が取り消された静岡・袴田事件、高裁で不当決定を受けた宮城・北陵クリニック筋弛緩剤冤罪事件などが、最高裁でたたかっています。

「私は殺していない」当事者、弁護団が訴え  

 集会は、全国連絡会の瑞慶覧淳事務局長のあいさつで開会。
 湖東記念病院事件の井戸謙一主任弁護人が記念講演をおこない、再審開始決定のポイントを説明したのちに、検察の上訴で西山美香さんが不安な日々を送っていることを紹介。「憲法の精神は、無実の人を罰しない、被告人を長期間不安定な地位に置かない、そしてこれらの価値を犯人をとり逃さない価値よりも上に置いている。再審の場合も同様。加えて、再審を請求している人は過酷な状況におかれており、それらをふまえれば、再審開始決定に対する検事の不服申立ては禁止されるべき」と述べました。つづいて西山美香さんが「私は絶対に殺してはいません。ご支援お願いします」と訴えました。
 次に、東住吉冤罪事件青木国賠・青木惠子さんがみずからの経験を語ったうえで、「冤罪を訴えるみなさんにも私と同じ喜びを味わってもらいたい」と述べました。
 各事件からの報告に移り、袴田事件の西嶋勝彦弁護団長が東京高裁の不当決定について解説(7面に要旨)。袴田巖さんの姉・秀子さんは、巖さんの獄中からの手紙(「…いずれにしても冤罪は生きてそそがなければみじめすぎるのだ」)を読み上げ、「82歳の弟を長生きさせて冤罪をそそぎたい。そのために私は100まで生きてがんばりたい」と述べると、大きな拍手が起きました。
 北陵クリニック事件の東京の会の泉聖二さんは「守(もり)大助さんの一日も早い再審無罪を勝ちとりたい」と決意を表明。松橋事件の齋藤誠弁護団共同代表は、「宮田浩喜さんは86歳、もし亡くなれば審理は終わり、また一からやらなければならない。早期に再審を勝ちとりたい」と述べました。大崎事件の鴨志田祐美弁護団事務局長は、原口アヤ子さんの91歳の誕生日の様子を映像で紹介。「最初の開始決定が検察の上訴で取り消され、次の再審決定まで15年かかった。検察の上訴で無実を晴らすまでの時間がいたずらに長引いているのは問題。法の制度改正が必要」と訴え、布川事件国賠の桜井昌司さんは「冤罪の理不尽を生涯をかけて訴え続けたい」と述べました。
 次に、再審法の改正をめざして、九州再審事件弁護団連絡会世話人の八尋光秀弁護士、日弁連人権擁護委員会再審部会前部会長の泉澤章弁護士が連帯のあいさつをおこないました。
 最後に、「検察・裁判所の道義なき再審封じを弾劾し、誤判からの救済手段として、再審法改正を今こそ実現しよう!!」とのアピールを採択し、終了しました。

滋賀 日野町事件 「支援が希望の光」 長女・美和子さん訴え 7月11日再審可否判断  

 強盗殺人の犯人として無期懲役刑を受け、獄中で亡くなった阪原弘さんの再審を求めている滋賀・日野町事件で、再審の可否を判断する決定が7月11日、大津地裁で出されます。決定を前に、阪原さんの長女・美和子さんが裁判にかける思いを述べました。(6月2日の「なくそうえん罪救おう無実の人びと関西市民集会」での発言より)

 阪原弘の長女・美和子と申します。
 父が刑務所から病院に運ばれたとき、声を出せないほど衰弱しており、恨み言ひとつも言わずに逝ってしまいました。棺(ひつぎ)のなかの父は言いました。「つらかった、寂しかった、悔しかった、お前たちのもとに帰ってきたかった」そのとき、父の無念を晴らすんだと心に決めました。
 そして遺族による再審請求をおこないましたが、家族もボロボロでした。父を亡くしたショックが大きすぎて、立ち直ることができませんでした。今日ここで皆さまに父のお話しができるのは、支援者の方が家族を支えてくださったからです。弁護団が三者協議のなかで粘り強い交渉をおこない、無実の証拠を見つけ出し、家族に希望の光を見せてくださいました。自然と元気が湧いてきて、もう一度、もう一度父のために頑張るんだ、そう思わせていただきました。
 7月11日、決定が出ます。父と一緒に待ち続け、欲しくてたまらなかった良き決定が出されるものと期待しております。
 この地球上で、冤罪に巻き込まれる人ってほんのひとつまみだと思うんです。そのひとつまみにされたら、巻き込まれた本人と家族は地獄の毎日の始まりです。すべての冤罪被害者は、地獄の毎日を過ごしながら闘い続けています。闘いが長ければ長いほど冤罪に押しつぶされ、そして心が折れます。でも皆さまのお力、皆さまのご支援があればつぶれても、折れても起ちあがることができます。
 どうか私たちに、冤罪被害に苦しむ全事件に、皆さまのお力をお貸しください。お借りしたお力で必ずや裁判に勝利し、冤罪の醜さ、怖さ、悲惨さ、それを広く世の中の人に伝え、警鐘を鳴らし続けていこうと思います。冤罪で苦しむ私たちが伝えていかなければならないと思っています。(家族再審ニュースより)

〈要請先〉〒520―0044 大津市京町3―1―2 大津地裁・今井輝幸裁判長
〈激励先〉日野町事件再審無罪を求める会 〒527―0038 東近江市聖徳町4―14 全教・湖東第一教職員組合内

袴田事件 地元集会で秀子さん「落ち込んでられぬ」  

 袴田事件の不当決定に抗議する集会が6月15日、地元静岡市内で開催され、支援者134人が参加しました。主催は、国民救援会など8つの支援団体でつくる「袴田巖さんの再審無罪を求める実行委員会」。
 司会者からは、再審開始決定の報告集会を予定していたが、不当決定の報告集会になったことへの抗議と憤りのあいさつがされ、弁護団の西澤美和子弁護士が決定について報告しました。
 支援者のあいさつでは、袴田巖死刑囚救援議員連盟顧問の牧野聖修元衆院議員が「決定を聞き愕(がく)然とした。無実を信じている」と抗議の意を表しました。つづく支援団体からの決意表明で、国民救援会の鈴木猛事務局長は「各紙の社説を見ても高裁決定に批判的です。事実を知らせ、裁判官の論理ではなく、市民の常識で最高裁に迫り再審を勝ちとりましょう」と述べました。
 最後に袴田秀子さんがあいさつに立ち、「事件のあとは息を殺していました。いま堂々としていられるのはご支援のおかげです。落ち込んでいられません。最高裁に向かって突き進むのみです。一緒に頑張ってください」と訴え、大きな拍手が起きました。
 集会は、不当決定への抗議と、最高裁での再審開始をめざす決意を固め合う集会となりました。

袴田事件の不当決定について、西嶋勝彦弁護団長の報告を紹介します(文責・編集部、6月21日の「くり返すな冤罪!市民集会供廚砲董

正義拠り所に最高裁揺るがす

 決定の一番の特徴は、再審開始の根拠の一つである本田克也教授のDNA鑑定批判に終始している点です。もともと自白が証拠に使えず、客観的証拠もないから、公判維持のために(犯行着衣とされた)5点の衣類が味噌樽から「発見」されたという確定審の経過に目を覆っているのです。
 東京高裁は、4年間の審理の大半を本田鑑定の検証実験に費やしましたが、検察推薦の鑑定人が、裁判所が求めた鑑定事項に従わず、鑑定は使い物になりませんでした。それを正面に据えて本田鑑定批判はできないので、警察や検察が本田鑑定への批判的な文献や学者の意見を集めて叩き、決定はそれを無批判に採用しました。
 (5点の衣類の味噌の色が薄く、1年2カ月も味噌漬けになっていたということが不自然であることを示す)味噌漬け実験については、当時のカラー写真が劣化しているとか、実験に使われた味噌が当時の味噌の色と同一性がないとして切り捨てる一方、50年近く前の味噌工場の元従業員を検察官が引っ張り出して「当時の味噌の色はもっと薄かった」と証言させ、私どもの実験結果を否定しました。
 極めつけは、再審開始決定が認めたように、捜査官の証拠捏(ねつ)造(ぞう)としか考えられない数々の論点について、いつどこで誰がどのように偽りの証拠を持ち込んだのか、そのプロセスとやり方を弁護側の方で主張も立証もできていないとした点です。「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則が再審段階にも適用されるのが白鳥・財田川決定の教訓で、それも踏み外しています。
 最高裁白鳥・財田川決定の本来の考え方は、古い証拠群の中に新証拠を投げ込んで総合評価し、不合理な点が出て有罪判決が維持できなければ、供された新証拠は再審の要件である明白性がある証拠になるというものです。しかし決定は、新証拠それぞれに高い証明力を要求して、さんざん叩いて最後の総合評価まで行かせないという間違った評価をしています。
 最高裁の闘いになります。決定が再審を取り消すなら、勾留・死刑執行停止も取り消して再収監しなければ論理が一貫しませんが、できなかった。開始決定の論理と袴田さんの主張の正しさが正義にかなっているということは否定できなかったのです。それを拠り所に最高裁を揺るがしていきたいと思っています。

名張事件 名古屋高裁に要請 再審は無辜の救済に  

 ぶどう酒に毒を入れて5人を殺したとして死刑判決を受け、獄中で亡くなった奥西勝さんの再審を求めている三重・名張毒ぶどう酒事件で、6月15日、名古屋高裁刑事2部(盒凝虻枷縦后砲僕彑噌堝阿おこなわれ、4都府県20人が参加しました。
 要請では、「本来、無辜の救済である再審制度を裁判所が理解していない。法整備がないことを理由に調べようとしないのは許せない」などと訴えました。
 要請署名を2044人分提出し、累計1万518人分となり、約半年で1万人分を越えました。
 名古屋高検に対しても要請し、「有罪の確信があるならすべての証拠を出せ」などと要求しました。(愛知県版より)

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