日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2018年4月5日号

2018年4月5日号  

鹿児島・大崎事件 3度目の再審開始 殺人事件ではないと判断 福岡高裁宮崎支部  

 原口アヤ子さん(90歳)が誤った裁判のやり直し(再審)を求めている鹿児島・大崎事件で、福岡高裁宮崎支部(根本渉裁判長)は3月12日、鹿児島地裁の再審開始決定を不服として検察が申し立てていた即時抗告を棄却しました。3度目の再審開始決定が出されました。(関連記事7面)

事故死の疑い

 今回の決定で根本裁判長は、弁護団の提出した東京医科大学・吉田謙一教授の鑑定を新規・明白な証拠として認め、再審開始をしました。吉田鑑定は、解剖の所見と「タオルで首を絞めて殺した」という有罪判決の認定は矛盾していること、そして死因は出血性ショックによる死亡の可能性が高いことを指摘。裁判所も、鑑定をふまえ、死因について、Aさんが亡くなる当日、酔って側溝に自転車ごと転落したことによる事故死の可能性があると指摘し、殺人事件ではないと踏み込んだ判断をしています。
 他方、鹿児島地裁が再審開始決定で認めた心理学鑑定(殺人についての話を聞いたという関係者供述の信用性は高くないと指摘した鑑定)については一定の前提条件の下でのものであるから、限定的意義しか認められないとしました。

一貫し無実主張

 大崎事件は、いまから38年前の1979年10月、鹿児島県大崎町で、原口さんの義弟Aさんが、牛小屋の堆肥の中から遺体で発見されたものです。警察は殺人事件として捜査を開始、原口さんを主犯として、原口さんの元夫、義弟、おいの3人が、Aさんをタオルで絞殺したうえ、遺体を埋めたとしました。原口さんは一貫して無実を主張しましたが、他の3人は、警察の不当な取調べでウソの「自白」をさせられ、4人全員が有罪とされました。
 原口さんは「あたいはやっちょらん。このままでは死ねない」と、再審を請求。第1次再審で、鹿児島地裁は再審開始決定(2002年)を出しましたが、検察の抗告によって高裁で再審開始は取り消されました。第3次で再び鹿児島地裁が再審開始を決定(17年)、そして今回の高裁で再審開始決定が出されました。3つの異なる裁判体で3度も再審開始決定が出されており、このことからも、有罪判決の誤りは明らかです。
 *再審開始決定を出した裁判官=根本渉裁判長、渡邉一昭、諸井明仁

再審開始決定の垂れ幕を掲げる弁護団。裁判所前で待機していた支援者からは喜びの声と拍手があがりました

検察不当にも特別抗告

 検察は、再審開始決定を不服として3月19日、不当にも最高裁に特別抗告をおこないました。国民救援会は、特別抗告に断固抗議するとともに、最高裁で一日でも早く再審開始決定を確定させるために奮闘します。
 再審開始決定後、原口さんの娘・京子さんをはじめ、冤罪被害者、支援者、弁護団は連日、最高検、福岡高検などに、「3度も再審開始が認められたことを真摯に受けとめ特別抗告をするな」「原口さんは90歳、人道上からもこれ以上裁判を長引かせることは許されない」と要請しました。要請署名も7日間と短期間ながら314団体から寄せられました。

倉敷民商弾圧事件3人の無罪を 3・13全国重税反対行動、各地でアピール  

 重い税負担と過酷な徴税に反対し、申告納税制度の発展を求める3・13重税反対行動が全国各地でとりくまれ、岡山・倉敷民商弾圧事件の支援を各地で訴えました(とりくみは集約中)。
 地元岡山では、県下11カ所の行動で支援を訴え、1330枚のビラを配り、小原・須増裁判151人分、禰屋裁判453人分の署名を集めました。国民救援会も9支部が各地の行動に参加し、支援を訴えました。
 神奈川では、17カ所で、ビラや事件パンフの配布や支援の訴えをおこないました。署名は2事件あわせて455人分を集めました。
 石川でも、県本部が集会で倉敷民商弾圧事件の支援を訴えるとともに、直近に出た大崎事件の再審開始を知らせるビラを参加者全員に配布しました。
 山口でも9会場でビラ1170枚を配付。6支部がとりくみました。
 長崎では6カ所の行動で支援を訴え、ビラ1470枚を配布、110人分の署名を集めました。また国民救援会も5支部でとりくみ、ビラの中に国民救援会の入会申込み書を入れて配布したところもあります。
最高裁に要請
 3月23日におこなわれた第234次最高裁統一要請行動に須(す)増(ます)和(かず)悦(よし)さんが参加し、2730人分(累計11万7020人分)の署名を提出し、要請しました。

滋賀・日野町事件 再審可否、7月11日 全国から支援を  

 故阪原弘さんの再審を求めている日野町事件で大津地裁(今井輝幸裁判長)は3月6日の三者(裁判官、検察官、弁護人)協議で、7月11日午後に再審の可否決定を出すと述べました。
 1984年、滋賀県日野町の酒店経営の女性が殺され、金庫が奪われました。その犯人として阪原弘さんが逮捕され、無期懲役が確定。阪原さんは再審を求めましたが、再審請求中の2011年に亡くなり、その遺志を継いで家族が再審を申し立てました。
 第2次再審請求の審理のなかで、阪原さんの無実を証明する新しい証拠が出されました。1つは、検察が隠していた写真のネガです。有罪判決で、阪原さんが金庫の投棄現場に警察官を案内したとされました。しかし、その実況見分調書で、阪原弘さんが現場へ案内したとされる写真が、実は案内後の写真と入れ替えられていたことが判明し、阪原さんが自発的に案内したものではなかったことが明らかになりました。
 また、東京医科大学の吉田謙一教授の鑑定によって、遺体の損傷状況と阪原さんの自白(殺害方法)とは矛盾することも明らかになりました。
〈要請先〉〒520―0044 大津市京町3―1―2 大津地裁 今井輝幸裁判長

大阪・泉大津コンビニ窃盗国賠 最高裁が不当決定  

 大阪・泉大津コンビニ窃盗国賠裁判について、最高裁第2小法廷は3月16日付で、ミュージシャンのSUN(サン)―D(デ)YU(ュー)さんの上告を棄却する不当決定を出しました。
 SUN―DYUさんは、2012年、コンビニ窃盗事件の犯人として逮捕、起訴されますが、その後無罪になります。警察、検察を相手に、大阪地裁へ国家賠償請求訴訟を提訴しました。
 しかし、大阪地裁、大阪高裁と、訴えは不当にも棄却されました。SUN―DYUさんは最高裁に上告しましたが、最高裁に裁判記録が届いて1カ月で上告を棄却するという不当な決定です。
 この間、SUN―DYUさんは、ライブで冤罪撲滅を訴えています。
*担当した裁判長=菅野博之、裁判官=山本庸幸、鬼丸かおる

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