日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2018年4月15日号

2018年4月15日号  

創立90周年 会員を増やし、言論の自由守ろう 「改憲ノー」署名を妨害 警官が市民3人を強制連行 東京・小金井市  

 東京都小金井市で、憲法9条を守る署名活動をしていた市民が警察に強制的に連行される事件が発生しました。
 3月31日午前11時頃、小金井市緑町のマンションで「安倍9条改憲NO! 3000万人署名」への協力をお願いして回っていた3人の市民が、「住民の通報を受けた」という小金井警察署員によって強制的に連行されました。
 警察は「住居侵入」だなどと言っていますが、現場となった賃貸マンションはオートロックではなく、入口には扉一枚ついていませんし、1階から2階には外階段で直接上れるようになっている開放的な建物です。各戸のドアの横にはインターホンが取り付けられており、3人はインターホンを鳴らし、署名に協力してもらえるかどうか、尋ねて歩いただけです。
 小金井警察署はパトカー3台に警察車両1台、制服・私服あわせて十数名の警官を出動させ、まるで「凶悪犯罪」でも起きたかのようにして、70歳から80歳の市民3人を強制的に連行したのです。
 そもそも憲法は21条で言論・表現の自由を保障しています。署名活動は憲法16条で保障された請願権を行使するため、その趣旨に賛成してくれるよう他人にはたらきかける行為ですから、当然、その言論・表現の自由は保障されます。
 ましてや今回の署名は、最高法規である憲法について、主権者である市民が語りあい、署名を通じて政治に参加していく参政権の行使そのものです。市民同士が語り合う自由を「住居侵入」などと攻撃する小金井署の弾圧は、民主主義の否定であり、一切の道理はありません。
 3人は駆けつけた弁護士や救援会小金井支部の奮闘でその日のうちに身柄は釈放されましたが、小金井署は「事件」として送検する構えです。皆さんのご支援をお願いします。
〈激励先〉救援会三多摩総支部 電話・FAX042(524)1532

都迷惑防止条例が改悪 監視、抑圧許さない 都本部  

 市民運動を弾圧するおそれがある東京都迷惑防止条例の改悪案が3月29日、都議会で賛成多数で可決、成立されました。
 条例は現行の規制に加えて、さらに「悪意の感情」という目的で、「居住等の付近をみだりにうろつくこと」「監視していると告げること」「電子メール(SNS含む)を送信すること」「名誉を害する事項を告げること」「性的羞恥(しゅうち)心を害する事項を告げること」を新たな規制の対象としています。
 例えば国会前で首相を批判する集会をおこなうこと、ネット上で首相夫人を批判すること、9条改憲署名を集めるため戸別訪問することなどが「悪意」をもってみだりにうろついたと警察官にみなされれば、突然逮捕される可能性が起きます。
 国民救援会東京都本部は同日、声明を発表。「監視・抑圧や人権侵害を許さず、萎縮することなく運動を前進する」とし、「『改正』案廃止に向けて奮闘する」と述べています。

再審確定めざす「犯人と決めつけ」勝又さん 取調べ状況を証言 東京高裁  

 小学1年の女児が山中で遺体となって見つかり、事件から8年後に別件逮捕の末に勝又拓哉さんが殺人罪で起訴された栃木・今市事件。控訴審第7回公判が3月29日、東京高裁(藤井敏明裁判長)で開かれ、勝又さんへの被告人質問がおこなわれました。
 勝又さんは、検察側が犯人性を示す証拠だと主張する、勾留中に母親宛てに送った手紙について説明。「自分で引き起こした事件でお母さんやみんなに迷惑をかけてしまい、本当にごめんなさい」とする内容は、「女児殺害」に関してではなく、自白調書にサインしたことに対する謝罪だと説明しました。「検事から『サインしたら犯人で間違いない』と言われた。決めつけられ、もう犯人になるしかないと思った」と涙ながらに語り、自白に追い込まれていった厳しい取調べの状況を生々しく述べました。

訴因変更許可 公平さに疑問

 つづいて、犯行場所と日時を特定せず幅を広げる、検察の訴因変更の請求に対し、裁判所が変更を許可しました。弁護側は、「裁判員裁判で争点は一審で詰めに詰められており、控訴審で1年半以上が経過した時点で訴因が変更されるなら、被告人・弁護側の防御権の侵害になる」「憲法が保障する迅速で公平な裁判を受ける権利の侵害だ」と強く反論しましたが、藤井裁判長は「一審は訴因変更の必要性が看過されていた。訴因変更後も弁護側主張の全体構造は変わらない」、「訴因追加で弁護内容に実質的な変更が生じるとは考えられない」と述べて変更を認めました。
 これにより、検察が主張していた殺害場所が「茨城県常陸大宮市の林道」から「栃木県か茨城県内とその周辺」に拡大し、犯行日時は「2005年12月2日午前4時ごろ」から「(下校中の被害者が同級生と別れたとされる)1日午後2時38分ごろから2日午前4時ごろ」までの幅に広げられました。
 勝又被告は、変更後の起訴内容について「違います。殺していません」と、あらためて無実を主張しました。次回公判は6月8日。弁護側と検察側がそれぞれ意見を述べ、結審する見込みです。
*   *
 一審・宇都宮地裁の裁判員裁判では、勝又さんと犯行を結びつける証拠はなく、勝又さんが捜査段階で「被害者を林道に立たせ、右肩を押さえて胸などを6〜7秒で10回刺した」などと述べた自白の信用性などを認め、無期懲役の有罪判決としました。しかし、昨年10月から始まった東京高裁の控訴審で、法医学者の証人尋問を通じて「被害者はかなり出血したはずなのに、現場に残された血痕が少ない」ことなどが明らかにされ、自白と現場の客観的状況証拠に矛盾が生じ、一審の有罪判決が根拠とした自白の信用性が基本的部分で崩壊してきました。勝又さんを守る会では、「控訴審の審理を通じて、勝又さんの無実はいっそう明らかになった。無罪判決に向けて、署名をはじめ全国から支援を集中してほしい」と呼びかけています。
〈要請先〉〒100―8933 千代田区霞が関1―1―4 東京高裁・藤井敏明裁判長

袴田救援議員連盟が総会  

 袴田さんの早期の再審確定をめざそうと、「袴田巖死刑囚救援議員連盟」(以下議連)の総会が、3月19日、衆議院第2議員会館で約4年ぶりに開催されました。国会議員、秘書(約20人)、支援者、マスコミなど約60人が参加しました。
 塩屋立議連会長(自民)は挨拶のなかで、「静岡地裁の画期的な再審開始決定と同時に袴田巖さんが釈放されたことで、議連の目的を一定達成することができたが、検察の即時抗告によって袴田さんは死刑囚のまま。司法が適正かつ公正公平な判断をおこなうよう、議連としてもできることを果たしていく」と述べました。
 西嶋勝彦弁護団長の報告、袴田秀子さんの支援を訴えに続き、支援団体を代表して浜松市民の会の寺澤暢紘事務局長が、議連に要望書を提出し、独善化した検察の暴走を止めるために、法務大臣に指揮権発動を求めるよう要求しました。
 総会は、法と証拠に基づく公正公平な司法の判断による袴田さんの再審無罪の実現と、東京高裁が検察の即時抗告を棄却した暁には、検察に特別抗告を断念させるため全力を挙げることを趣旨とする要請決議を採択しました。

最高裁統一要請 公正裁判を求め6事件44人訴え  

 第234次最高裁統一要請行動が3月23日におこなわれ、4事件44人が参加しました。
 早朝の宣伝で、滋賀・湖東記念病院人工呼吸器事件の西山美香さんは、最高裁が一日も早く検察の特別抗告を退けて再審開始を確定するよう訴えました。
〈参加事件〉岡山・倉敷民商弾圧事件、滋賀・湖東記念病院人工呼吸器事件、高知・白バイ事件、熊本・松橋事件、鹿児島・大崎事件、神奈川・相模原児童相談所事件

相次ぐ国の責任を認める司法判断 東電福島第一原発事故 住民訴訟  

 東電福島第一原発の放射能事故によって、平穏な生活を奪われた住民による集団訴訟が全国でおこなわれています。住民の訴えに司法はどう応えたのか、裁判の経過を振り返ります。

 住民が国や東電に損害賠償を求めている裁判は、全国で約30件あり、これまでに7件で判決が出ました。国が被告に含まれる5件の裁判のうち4件が国の賠償責任を認めています。判決はいずれも、国は巨大津波の襲来を予見することができ、東電に津波対策を取らせる権限があったとして、事故を招いた国の責任を認めています。
 一方、認定された賠償額は、事故による損害の範囲の判定の基準を定めた国の「中間指針」枠内にとどめられ、いずれの裁判も請求額の1割程度の金額に留まっています。3月22日に福島地裁いわき支部で判決が出た「ふるさとを返せ福島原発避難者訴訟」は、住民216人が東電を相手に慰謝料など約133億円を求めましたが、賠償額は213人に約6億1千万円でした。
 この裁判の原告団長・早川篤雄さんは、「賠償額の基準は、事業者を保護する目的で制定された原子力損害賠償法に基づいているから、被害の実相に見合ったものにならない。裁判所は住民の被害実態を真正面から受けようとしていない」と批判します。
 さらに、国あるいは東電の責任を認めた7つの裁判所の判断についても、次のように述べました。
 「いずれの裁判所も、津波を予見できたかどうかだけを見ている。誤った視点だ。福島はたまたま地震、津波がきっかけだったが、『原発はそもそも過酷事故を排除できない技術だ』と言われている。国は原発の大事故を予見していたから事業者を守る原賠法を作ったし、過疎地に建設する立地審査指針を作った。危険性を知りながら、住民の命を軽視した国の原発政策によって起こされた事故なのに裁判所はそこを見ようとしない」

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