日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2018年3月5日号

2018年3月5日号  

岐阜・大垣警察市民監視違憲訴訟 自由にものが言える社会にする裁判 公安の情報収集に歯止めを  

国会で集会・行動
 岐阜県大垣市での風力発電施設建設をめぐり、県警が勉強会を開いた住民2人と、関係のない市民運動家2人の個人情報を収集し、事業者に提供していた事件。当事者4人は、市民監視等は共謀罪の先取りであり、違憲だとして、岐阜県(警察)を相手に国家賠償請求訴訟を、岐阜地裁に申し立てています。大垣警察市民監視違憲訴訟の勝利をめざす「もの言う」自由を守る会は、運動を全国に広げようと2月16日、院内集会を開き、会場は岐阜からの30人余を含め、90人が参加し、いっぱいになりました。

 集会では、立憲民主党、共産党、社民党の国会議員があいさつをおこないました。立憲民主党の山尾志桜里議員は、「政府は共謀罪の審議の中で、一般の人は捜査の対象とはならないと答弁している手前、もし共謀罪で捜査がおこなわれた場合、この人は一般人ではないと言い続けることとなる。5野党で提出した共謀罪廃止法案を成立させるうえでも、本件の訴訟をやること、運動を続けることの意味は大きい」と激励しました。

国民すべてが監視の危険に
 弁護団の山田秀樹団長が、訴訟の概要を報告しました。
 大垣警察と風力発電施設の事業者との会議議事録には、警察のほうから積極的に原告4人や岐阜コラボ法律事務所についての情報提供をおこなっていること、20年以上の長期間、継続的に、反対運動をおこさせないために情報交換をおこなっていたことが赤裸々に書かれていると報告。
 「議事録から、警察が原告や岐阜コラボ法律事務所を共謀罪が想定する組織的犯罪者集団だと見なし、情報収集がおこなわれていたことがはっきりしている」と述べました。
 法廷で被告(県警)は、情報収集について「認否しない」としています。その理由として、「今後の情報収集に支障が出る」などと述べています。
 山田弁護士は、「警察は、情報収集は通常業務の一環であり、トラブル防止の観点から住民の情報収集は適法であると述べています。しかし、この理屈では日本国民全体が警察に情報収集されることを許すことになってしまう。この裁判で、公安警察のルールなき情報収集と市民監視に歯止めをかけよう」と、裁判の意義を訴えました。
 さらに、清水勉弁護士から、1月29日の第5回口頭弁論で、原告4人の個人情報の抹消を請求する新たな提訴を、県(警察)と国(法務大臣)を被告におこなったことが報告されました。警察が保有している国民の個人情報を抹消させる権利があることを裁判所に認めさせ、国民みんなの権利を守ることにもつながると裁判の意義を強調しました。

個人の尊厳を守るため提訴
 集会では原告が、それぞれ支援を訴えました。
 「なぜ、私が監視の対象にされたのか。また、間違った情報を流され、どこから情報が出たのか、人を疑うようになり、つらい気持ちです。憲法に保障された個人の尊厳が守られる社会にするためにたたかいます」(船田伸子さん)
 「僧侶をしています。私はフツーの、一般人だと思っていますが、風力発電の勉強会をしたら、それが情報収集されました。いま、ものを言わないでいるほうが恐ろしい世の中になりそうで、しっかりものを言っていきたいと思います」(松島勢至さん)
 「支援する側、される側という立場ではなく、自由に意見が言える社会を勝ちとっていきたいと思い、提訴しました」(近藤ゆり子さん)。

共謀罪の先取り許さない マンション建設めぐり暴行罪に男性に無罪判決  

 愛知県名古屋市内のマンション建設に反対する男性が、建設現場の責任者に暴行をしたとして起訴された事件で2月13日、名古屋地裁は男性に無罪判決を言い渡しました。愛知県本部では共謀罪の先取りだとして重視し、支援してきました。
 16日の上記院内集会には無罪となった奥田恭正さんが参加し、国会前で発言しました。
 * *
 私は、でっちあげの暴行事件として逮捕され、2週間勾留されました。マンション建設に反対する住民が集まって話し合っただけで、市民が逮捕されるという、共謀罪の先取りと言える、非常に恐ろしいことがおきています。でも、何も声をあげられない、そんな状況にしてはいけないと思います。私もがんばります。一緒にがんばりましょう。

静岡・天竜林業高校成績改ざん事件 「証拠直視し審理を」 愛知支える会 東京高裁に要請  

 生徒の成績表をかさ上げする見返りに20万円を受け取ったとして、天竜林業高校の元校長だった北川好伸さんが懲役2年6月の有罪判決を受け、再審を求めている天竜林業高校成績改ざん事件で、2月6日、東京高裁への要請行動がおこなわれました。要請は、北川さんを支える愛知の会と救援会愛知県本部によるもので、参加した10人は、裁判所の職員に対し次のように訴えました。
 「お金を渡したとされる人(元天竜市長)が、自白は警察に強要されたもので、お金は渡していないと法廷で証言している。また、事件発覚の発端となった内部告発は、北川さんに対するものではなく、成績の改ざんが横行していたことについてのものであることも明らかにした。こうした無実の証拠を、地裁支部は無視して再審請求を棄却した。高裁ではきちんと調べてほしい。再審は無(む)辜(こ)の救済を目的とする制度。裁判所はその役割を果たすべきだ」
 裁判所に提出した署名は2363人分で、累計3625人分となりました。東京高検に対しても要請し、事件の再調査と隠している証拠の開示を求めました。
 要請に先立ち、支援者が裁判所前で宣伝行動をおこないました。「この事件は、(進学のための)成績が足りないと報告を受けた北川さんが『えー、何とかならないの』と嘆いたことが改ざんの指示とされたものだ。何の根拠もなく、警察が犯人と決めつけたもので、言葉遊びだ」などとマイクで訴えました。栃木・今市事件の公判日だったこともあり、多くの支援者が署名に協力してくれました。

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