日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2018年3月15日号

2018年3月15日号  

宮城・仙台北陵クリニック事件 再審請求を棄却 仙台高裁 証拠調べせず不当決定  

 仙台高裁(嶋原文雄裁判長、行方美和、根崎修一両裁判官)は2月28日、仙台北陵クリニック筋弛緩剤冤罪事件の再審請求即時抗告審で、再審を棄却した地裁決定を支持し、守(もり)大助さんの再審を認めない不当決定を出しました。
 事件は、北陵クリニックに勤めていた准看護師の守さんが患者5人の点滴に筋弛緩剤を混入し殺人罪などを犯したとして無期懲役が確定したものです。2012年に仙台地裁に再審請求。14年に棄却。即時抗告審では、患者の尿や点滴ボトルから筋弛緩剤の成分「ベクロニウム」が検出されたとする鑑定(土橋鑑定)の信用性が争点となりました。
 決定は、弁護団が提出した土橋鑑定の誤りを指摘する意見書(志田意見書)について、実験の装置や条件が異なり、「理論的根拠が示されず、薄弱」などとして、信用できないと判断。また、患者一人の急変の原因が、難病のミトコンドリア病によるものであるとする弁護側の意見書(池田意見書)については、「遺伝子検査の結果が示されていない」などと切り捨てています。
 記者会見で弁護団は、「証人尋問も証拠開示もせず、医学的な検証なしで化学を否定する不当な決定だ。池田意見書にはミトコンドリア病の遺伝子検査の結果が出ていないと切り捨てているが、死因に疑問が生じているなら再審においても立証責任は検察にあるのだから、裁判官は検察に立証を求めるべきだ」と批判し、「ねばり強くたたかい続け、必ず再審無罪を勝ちとる」と最高裁に特別抗告することを明らかにしました。
 当日は120人の支援者が仙台高裁前に集まり、不当な決定に対して怒りのシュプレヒコールをあげました。
 この裁判には、全国に43の守る会・支援する会が結成され、200人を超える医療人アピール賛同者の支持を得るなど、運動が広がりました。裁判のやり直しを求める要請署名は、再審請求申立て以降、累計で21万971人分に達しました。
〈抗議先〉〒980―8639 仙台市青葉区片平1―6―1仙台高裁 嶋原文雄裁判長

時間無駄にしないで 大助さんの母・祐子さん  

 今年こそ桜の下で大助と一緒に花見をしたかった。裁判長を信用していたが、4年間も時間をかけてどんな審理をしてきたのか、人の人生を裁判官はどう思っているのか。最高裁では科学的な見地から審理してほしい。これ以上大切な時間を無駄にしないでほしい。
 全国の支援する会や国民救援会の人たちに大変お世話になりました。ありがとうございました。大助も私たちも、17年間頑張ってきました。これからもたたかい続けます。ご支援よろしくお願いします。

静岡・袴田事件 「正しければ勝てる」 集会で袴田巖さん訴え  

 いまだ死刑囚の身である袴田巖さんの再審開始決定を確定させ、無罪判決につなげようと、2月24日、東京都内で集会が開かれ、210人が参加しました。主催は国民救援会など支援8団体による実行委員会。
 集会では、袴田巖さんが姉・秀子さんとともに登壇し、会場が沸き立ちました。巖さんは「ついにすべてに勝った。正しいから勝ったんだ。何か不正なことをやっていれば、冤罪闘争は持たない。完全に正しければ必ず勝つ」などと述べ、大きな拍手を受けました。
 弁護団の西嶋勝彦弁護団長が、即時抗告審の経過を報告。裁判所が実施したDNA鑑定の検証結果で不利になった検察は、「弁護側鑑定人が鑑定資料を汚染した可能性がある」などと根拠のない反論していると批判。また、犯行着衣とされたズボンがはけない、返り血がズボンよりも下着のステテコに多いなど矛盾が多い点について検察は、捏造するなら首尾一貫しているはずで、捏造を否定する証拠だなどと主張。西嶋弁護士は「話にならない」と切り捨て、「検察の申し立てが不当であることは明らかで、ただちに再審を」と述べました。
 リレートークでジャーナリストの江川紹子さんは、「袴田さんは33年以上も絶望にさらされ、心はまだ檻の中。この状況を長引かせるのは非人道の極み。再審裁判を早く開始すべき」などと述べました。作家の雨宮処(か)凛(りん)さんは、「人の人生を蔑(ないがし)ろにした責任を誰も取らず冤罪が繰り返される。司法のシステムに不備がある」と訴えました。
 集会では、映画『獄友』の主題歌(作詞・谷川俊太郎)を小室等さんが熱唱。最後に参加者全員で「絶対勝ちとる再審無罪」とコールし幕を閉じました。

長野・特養あずみの里業務上過失致死事件 「食事に問題ない」 被告人質問で証言 長野地裁松本支部  

 誤嚥の危険がある高齢の入居者女性のKさんにおやつのドーナツを食べさせ、喉に詰まらせ窒息死させたとして、准看護師の山口けさえさんが業務上過失致死罪に問われている特養あずみの里・業務上過失致死事件。第13回公判が2月19日、長野地裁松本支部(野沢晃一裁判長)で開かれ、山口さんの被告人質問がおこなわれました。
 検察から、Kさんの嚥下状態について問われると、山口さんは、「Kさんは舌と顎で咀(そ)嚼(しゃく)でき、嚥下能力は問題ない。常食のおやつも問題なく食べていた」と証言。検察が、捜査段階の山口さんの調書で、「Kさんは早食いで、嘔吐したり、喉に詰まらせ誤嚥の危険がある」と書かれていることを質問。山口さんは、「警察官が大声を出し、冷静な判断ができなかった。一生懸命話したが、分かってもらえず、私が言ったことと大分違う」と答え、「喉に詰まらせ、誤嚥の危険がある」とは言っていないと調書を否定しました。
 しかし裁判所は、検察官請求の山口さんの警察官・検察官調書3通の証拠採用を決定。今後、女性の死因が「ドーナツ誤嚥による窒息」の因果関係を争点に専門家の証人尋問がおこなわれます。

特急あずさ号窃盗冤罪事件の集会に80人 第二次再審向けスタート  

 長野・特急あずさ窃盗冤罪事件の「再審開始をめざす集い」が2月18日、諏訪市内で開かれ、80人が参加しました。
 集会は自由法曹団長野支部の6人の弁護士による第2次再審請求弁護団の結成を受けたもので、事件の経過と問題点について及川裕貴弁護士、再審手続きと現状について松村文夫弁護士が報告しました。
 当事者のYさんは、「なぜ(再審に)こだわるという人もいるが、やっていないので、真実を明らかにし、汚名を晴らしたい」と決意を述べました。

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