日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2018年11月25日号

2018年11月25日号  

検察は公訴取り下げよ 岡山・倉敷民商弾圧事件(禰屋裁判)  

 民商会員が正しく納税できるように、禰屋町子さんが会計資料をパソコンソフトに入力し、援助したことが税理士法違反、法人税法違反に問われている倉敷民商弾圧事件・禰屋裁判。岡山地裁の差戻し審で高裁の差戻し判決から10カ月経っても明確な立証計画を出せない検察に「公訴(起訴)を取り下げよ」の怒りの声が広がっています。

立証計画出せない検察

 弁護団は、10月11日、検察官が10カ月も主張・立証計画を示せない異常な状況を糾弾し、検察官に公訴取消を、裁判所に公訴棄却を求める意見書を提出しました。
 検察官は、10月12日及び19日に立証計画の一部を提出しましたが、その内容は立証計画とはいえないきわめて粗略なものでした。
 11月12日の第4回打ち合わせにおいても、検察官は主張・立証計画の全体像の提出時期を回答できませんでした。
 弁護団は、検察官は起訴の際に国税査察官の報告を鵜呑みにして自ら証拠を精査することを怠っていた、主張・立証計画提出が遅々として進まないことに何のサンクション(懲罰)もないことは不公平である、立証計画を出せないのは本件が本来起訴すべきでない事件だからであると指摘して、公訴取消を迫りました。
 検察官は、「起訴時に証拠を精査しており、公訴取消はない」と即答。これに対し、裁判長は、「立証計画が未だに提出されないことを弁護人が不公平だと考えるのは理解できる」「検察官は公訴を維持するというのであれば、なおさら立証計画の提出は必要でしょう」として、検察官に対し、公訴取消について持ち帰り検討すること、公訴を維持するのであれば検察官の体制の見直しにつき具体的な報告をすることを指示しました。
 また、既に提出した立証計画について、弁護団は、検察が決済計算書など二次的な証拠を持ち出しているため、原資料ではなく二次的な証拠によって立証することは許されない、そのような証拠請求には同意できないと明言しました。これに対し、検察官は、裁判所から伝聞例外として証拠請求するかを問われ、伝聞例外で証拠請求予定であると回答しました。
 弁護団は、高裁で判決破棄の理由となった鑑定書問題の繰り返しになると猛抗議し、伝聞例外該当性(証拠能力)と各証拠の信用性を徹底的に争う態度を示しました。
 裁判長は検察官に対して、立証計画の作成作業を続けるとともに、2019年2月末までに全立証計画を明らかにするように指示し、初めて作業の締め切りを設けました。次回打ち合わせ期日は来年1月15日です。

裁判勝利へ決起集会
 裁判勝利に向け、支援の輪をさらに広げようと11月12日、岡山市内において倉敷民商弾圧事件裁判勝利決起集会がおこなわれ、11都道府県から150人が参加しました。
 弁護団の則武弁護士が「小原・須増事件の成果 禰屋事件の課題」と題して次のように報告しました。
 検察などが一番狙ったのは、税理士法違反だ。税理士法違反で有罪とすることができれば、全国の民商を弾圧することができると考えたと思う。そこで、税理士法違反とされた小原・須増裁判をおさらいしたい。
 岡山地裁で弁護団は、申告納税権が憲法で保障される権利であり、民商は、運動として会員が自立して申告ができることを目標にしているけれど、実際には様々な困難があり、事務局の援助が必要だが、それすらも許されないということであれば、憲法上の申告納税権が侵されるという主張をおこなった。これに対して岡山地裁は憲法上の人権かはわからないが、納税義務者が納税のための知識を学びあって自分の責任で納税申告することは何ら制限されるものでないとした。民商がすすめている自主申告・自主納税運動を裁判所が認めたということだ。そして、二人の行為は自己の利益を得るためとか、納税の適正を欠くというものとは認められないとして量刑を軽くして有罪とした。この判決は、事実上の無罪判決だ。
 高裁では、申告納税制度は民主的な租税思想に親和的な制度で、制度自体は国民主権をうたう憲法上の要請からも十分に尊重されるべきとして、弁護団の主張に近づいてきた。
 小原・須増裁判では、〔云Ρ親阿陵論的な解明が進んだこと、∋実上の無罪を勝ちとったこと、L云Δ料反ッ動気鮨い止めたことが重要だ。
 小原・須増裁判で事実上の無罪をとったのだから、禰屋裁判で無罪を勝ちとって、小原さん、須増さんが再審申し立てをできるようにしたい。そのためには、もっと大きな世論喚起が必要。裁判官を動かすには多くの国民の監視の目が重要な役割を持つ。納税者の権利をさらに確立させ、禰屋裁判での勝利を勝ちとるために、より一層の大きな支援をと訴えました。
 集会の最後に禰屋さんが決意表明をおこない、「岡山地裁で不当判決を出した江見裁判長は、民商のことを『組織的犯罪集団』と言った。許せない。いま、各地に出向いて訴えをしている。ここまでの支援に感謝すると同時に、なお一層のご支援をお願いします」と訴えました。集会後、参加者は岡山地裁に向けて市内をデモ行進しました。
〔要請先〕
〒700―0807岡山市北区南方1―8―42 岡山地方裁判所 後藤有己裁判長

第238次最高裁統一要請行動 「再審開始決定を早く」6事件の当事者や支援者が訴え  

 第238次最高裁統一要請行動が11月14日にとりくまれ、6事件31人が参加しました。早朝、最高裁前で公正な判断をするようマイクで訴え宣伝行動。つづいて要請がおこなわれました。
 高裁で再審開始決定を勝ちとり、検察が特別抗告している滋賀・湖東記念病院人工呼吸器事件の西山美香さんは、「昨年12月の再審開始決定が本当に嬉しかった反面、検察が抗告し、いつ最高裁の決定が出るのか不安な毎日を過ごしている」と述べ、「身体も精神も不安定な毎日です。私は人工呼吸器のチューブを抜いていません。早く私の再審開始決定を確定させてください」と訴えました。
 鹿児島県本部の野元幸一事務局長は、鹿児島・大崎事件について要請。10月におこなった第20回全国現地調査の参加者から「原口アヤ子さんの無罪は明らかなのに、なぜ裁判が長引くのか」と怒りの声が出されたことを紹介し、「松橋事件で検察の上訴に理由がないとして再審開始を認めたように、92歳の原口さんが元気なうちに開始決定を出してください」と訴えました。
 栃木・今市事件の支援者の須黒雪枝さんは、東京高裁の裁判官が有罪の結論に合わせて検察に訴因変更させたことは許されないと強調し、「公平であるべき裁判官が、こんなやり方で人を有罪にしていいのか」と怒りを露わにしました。
 このほか宮城・仙台北陵クリニック筋弛緩剤冤罪事件、静岡・袴田事件の支援者、大阪で派遣先の違法行為の断罪を求める裁判の当事者・川上小百合さんが要請しました。
 次回の統一要請は1月23日におこなわれます。

京都・長生園不明金事件 西岡さんは無実です 不当逮捕から19年、地元で集会  

 長生園不明金事件の真相を究明する会(奥山峰夫代表)は10日午後、南丹市園部町の国際交流会館で講演会を開催、同会会員など37人が参加しました。
 このとりくみは、99年に社会福祉法人で不明金3千万円が発覚した長生園不明金事件で不当に逮捕され有罪判決を受けた西岡廣子さんを激励し、真相究明と裁判のやり直しを求める運動の一環として毎年おこなわれているものです。
 今年の企画は、大阪高裁で再審開始決定を勝ち取った滋賀・湖東記念病院事件の主任弁護士井戸謙一氏を講師に、当事者の西山美香さんも迎え、事件の概要などを詳しく聞きました。
 講演会の最後に西岡さんは、「ここまで頑張ってきて良かったと言える日が来ることを願っています。お力添えをよろしくお願いします」と引き続きたたかう決意を語りました。
 講演会終了後参加者は、国道9号線宮町交差点に移動し、パネル・横断幕・のぼりを掲げて通行車両や近隣商店に西岡さんの無実をアピール。これには手を振ったり激励の言葉が寄せられました。

滋賀・日野町事件 再審確定に支援を 日野町内で宣伝行動  

 11月3日、日野町事件の再審開始決定の報告とお礼、即時抗告審の支援を訴えて日野町内で宣伝行動をおこないました。
 7月の第59回全国大会で披露した横断幕を掲げ、県本部の中野会長と、「求める会」長谷川事務局長がマイクをにぎり、「裁判のやり直しという決定をいただきました。みなさんのご支援に感謝します」「検察の即時抗告により大阪高裁でたたかうことになりました」と報告しました。
 宣伝カーでテープを流しながら日野町駅前商店街などで訴え、署名も協力してもらいました。(県本部版より)

東京・三鷹事件 竹内さんに再審を 東京高裁に要請行動  

 三鷹事件の真相を究明し、語り継ぐ会と国民救援会三多摩総支部、東京都本部、中央本部は11月8日、東京高裁前で宣伝行動と裁判所要請をおこないました。
 三鷹事件は1949年、東京・三鷹駅構内で無人電車が暴走し6人が死亡、20数人が重軽傷となった事故で、10人が起訴された事件です。竹内さんのみが一審無期懲役、二審で死刑判決。遺族が2011年に第2次再審請求を申し立てています。
 再審開始を求める署名を1955人分提出し、要請しました(累計1万5千人分)。

岡山・倉敷民商弾圧事件 検察は起訴取り下げよ  

 11月6日に岡山地検に「公訴を取り下げよ」と7回目の要請と岡山地裁に13回目の「無罪判決を求める」「地検に公訴の取下げをすすめよ」の要請をおこないました。それぞれ、地検の畑野検事正、地裁の後藤裁判長宛の要請書を読み上げて提出しました。地検では、「検事正に渡します」と答えました。地裁は、「裁判長に要請に来たことは伝えるが、要請書は総務課が保管する」との対応を変えませんでした。「国民の権利である請願権を認めないのか」の追及に、従来の扱いを変えませんでした。
 次回の要請は、11月27日、12月11日、25日。検察への要請は、12月6日です。
 署名は累計で(11月12日現在)、検察へは2970団体。地裁4万6269人分、454団体。(岡山県本部)

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