日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2018年1月5日号

2018年1月5日号  

名張事件、不当決定 証拠調べず推測で判断 弁護団「ひどい決定」と批判 名古屋高裁  

 三重・名張毒ぶどう酒事件の第10次再審請求に対し、名古屋高裁刑事第1部(裁判長・山口裕之、裁判官・出口博章、大村陽一)は12月8日、奥西勝さんの妹・岡美代子さんの訴えを退ける不当決定を言い渡しました。
 決定に駆けつけた支援者は裁判所に対し抗議の声をあげました。また地元三重県本部と「三重の会」は11日、津駅前で横断幕を掲げ抗議の宣伝をおこないました。
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 事件は1961年、三重県名張市内の地域の懇親会の席上、毒物入りのぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡したもので、奥西勝さんが犯人とされました。一審は無罪でしたが、二審で死刑、最高裁で確定します。その後、再審を請求。第7次再審請求審で、毒物が違うとの鑑定などで一度は再審開始決定がされましたが、その後覆され、2015年10月、奥西さんは89歳で獄死しました。翌11月、奥西さんの遺志を継ぎ、岡さんが第10次の再審請求を申し立てました。
 申立てから2年、弁護団は三者(裁判所、弁護人、検察)協議の開催、検察が隠している証拠の開示命令、鑑定人などの証人・証拠調べも求めましたが、裁判所はこれらの要求をいっさい拒否し、不当決定を出しました。
 不当決定は18頁で、弁護団が提出した28点もの新証拠について、「かかる再現実験をいくらおこなったところで無意味である」「(新証拠は)何ら意味を有しない」などと切り捨てています。とくに、奥西さんではない別の犯人の存在を示す新証拠(ぶどう酒の王冠の封(ふう)緘(かん)紙に製造時の糊とは違う糊が付いているという最新の科学による鑑定)について、長い時間が経っているなどを理由に「実験方法に多大な疑問がある」と、科学の専門家でもない裁判官が専門家にただすことなく、勝手な推測で重要な証拠を退けています。
 決定後の記者会見で鈴木泉弁護団長は「今日の決定は予想以上にひどい不当な決定。有罪ありきの決定だ」と厳しく批判。岡さんは「弁護士の先生がいろいろ証拠を出したのに裁判所は調べずに悪い決定を出した。ほんとうに残念でたまりません。兄は絶対にやっていません。皆さんどうか助けてください」と訴えました。
 岡さんと弁護団は、不当決定は許せないと、12月11日、名古屋高裁に異議を申し立てました。岡さんは88歳と高齢です。一日も早い再審・無罪をめざしひきつづき全国からの支援をお願いします。
〈抗議先〉〒460―8503 名古屋市中区三の丸1―4―1 名古屋高裁刑事第1部・山口裕之裁判長

共謀罪は廃止に 野党が共同で法案を提出 衆議院  

 共謀罪を廃止する法案を12月6日、立憲民主、共産、自由、社民各党と衆院「無所属の会」が共同で衆議院に提出しました。特別国会は9日に閉会し、法案は継続審議となりました。
 提出日には、共謀罪廃止のための連絡会の主催で、「共謀罪廃止法案提出を喜び、その意義を確認する超党派国会議員と市民の集い」が院内で開催され、会場あふれる多くの市民が駆けつけました。集いには、野党各党の議員が駆けつけ、共謀罪廃止にむけた決意を語りました。

秘密保護法強行から4年 廃止めざし集会  

 秘密保護法が強行成立してから4年目にあたる12月6日、「秘密保護法と表現の自由を考える市民の集い」が都内で開かれ、50人が参加しました。主催は、秘密保護法廃止へ!実行委員会。
 集会では、日本体育大学の清水雅彦教授が講演をおこない、秘密保護法は、一方で、「戦争する国」にむけて日米間の秘密軍事情報の保護などを強める体制づくりのためであること、同時に、警察が制定にかなり関与しており、軍隊の警察化と警察の軍隊化がすすんでいると指摘しました。
 つづいて、海渡双葉弁護士が「日本は国連の人権勧告の実施を!」と題する報告をおこないました。海渡弁護士は、11月に国連人権理事会が日本の人権状況について定期的審査をおこない、218もの勧告を発表し、そのなかに秘密保護法の問題もとりあげられていたと指摘。今後、国連の勧告を日本政府が受諾するよう、問題を広く知らせていくことが大切と述べました。
 同実行委員会は、国会会期中は毎月「6日」の国会前行動・集会を開催し、廃止をめざし運動を継続しています。

岡山・倉敷民商弾圧事件 三人の無罪めざし要請  

 岡山・倉敷民商弾圧事件で、禰屋町子さんの裁判は1月12日、広島高裁岡山支部で判決が出されます。倉敷民商を支える会や岡山の会では、無罪判決をめざし、毎週裁判所前での宣伝と要請行動をおこなっています。15回目となる12月12日の要請では、署名(累計)4万1527人分、150団体を提出しました。裁判所に寄せられた要請ハガキは6200枚となり、1週間で1500枚が届きました。
 小原淳さん、須増和悦さんの裁判は最高裁に上告して2年、いつ判決が出されてもおかしくない情勢です。無罪をめざし毎月、最高裁前での宣伝と要請を続けています。12月15日の要請では、署名(累計)10万7605人分、853団体を提出しました。要請で小原さんは「中小業者の力になりたいと頑張っています。会員と一緒に怒り、泣き、喜ぶ、家族も同然です。困っている家族を助けるのがなぜいけないのでしょうか。活動の実態をぜひ見てください。私たちの声を聞いてください」と訴えました。

「巖を監獄に送らせない」 静岡・袴田事件 姉ひで子さんが街頭で訴え  

 静岡・袴田事件の再審開始確定をめざし12月8日、国民救援会など支援団体は、都内で宣伝行動をおこないました。
 袴田巖さんの姉・ひで子さんもマイクを握り支援を訴えました。ひで子さんは、「東京高裁の裁判も大詰めです。来年3月にも決定が出されます。一日も早く弟・巖を自由にしてほしい」「再審開始決定が出ると信じていますが、万が一にも再審決定が取り消されて巖が再収監されることがあれば、私が拘置所に入ります。再び巖を監獄に送ることはさせません。どうか皆さんご支援ください」と訴えました。街行く人も足を止めて訴えを聞いていました。
 宣伝後、東京高裁と高検へ要請をおこないました。次回の宣伝・要請は、弁護団の最終意見書提出にあわせて1月19日に予定しています。

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