日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2018年1月25日号

2018年1月25日号  

禰屋さんへの有罪判決を破棄 岡山・倉敷民商弾圧事件(禰屋裁判)  

検察・裁判所の不当な姿勢を断罪
広島高裁岡山支部 審理を地裁に差し戻す判決

 岡山・倉敷民商弾圧事件の禰(ね)屋(や)町子さんが、一審判決(懲役2年・執行猶予4年)は不当だとして控訴していた裁判で、1月12日、広島高裁岡山支部(長井秀典裁判長)は、一審判決を破棄し、審理を岡山地裁に差し戻しました。

 「主文。原(一審)判決を破棄する。本件を岡山地方裁判所に差し戻す」
 傍聴席からは「よし」の声が上がりました。
  
 事件は2014年、当時倉敷民商会員であったI建設の「脱税」事件を口実に、民商事務局員であった禰屋町子さんが「脱税」の手助けをした(法人税法違反)、また禰屋さんと民商事務局長の小(こ)原(はら)淳(じゅん)さん、事務局員の須(す)増(ます)和(かず)悦(よし)さんの3人が税理士でない者が税務書類を作成した税理士法違反だとして、逮捕・起訴されたものです。
 禰屋さんの裁判は昨年3月、岡山地裁(江見健一裁判長)で一審判決が出され、広島国税局の木嶋輝美査察官の報告書を「鑑定書」として採用し、それにもとづきI建設の脱税と禰屋さんの手助けを認定し、有罪としました。

一審の証拠採用は違法  

 控訴審で弁護団は、査察官報告書は「鑑定書」にあたらないと反論しました。その理由は、木嶋査察官はI建設の脱税を告発した本人であり不公平である、専門的知識によって作成されたものではない、同報告書は木嶋氏自身が調査してまとめたものでなく、他の査察官の報告書などの爐泙進垢瓩任△襪覆匹犯稟修靴泙靴拭
 今回の判決では、〆沙ヾ韻調査にあたって税法の知識が必要であるのは当然で、調査の内容も専門的な知識によるものとはいえない、⊆尊櫃膨敢困鬚こなったのは木嶋査察官ではなく別の査察官であり、「鑑定書」として証拠能力はない、と判断。そのうえで、「鑑定書」と認めるべきではない査察官報告書を採用し、それを事実認定に用いたことは、明らかに訴訟手続に違反するとして、一審判決を破棄し、審理を岡山地裁に差し戻しました。そのほかの弁護団の主張(禰屋さんが脱税の手伝いをした事実はない、税理士法に違反する行為もしていないなど)についての判断はおこないませんでした。
 今回の判決は、検察のずさんな立証、また検察に「鑑定書」として出すよう「助け舟」を出し、有罪とした一審の裁判所の不当な姿勢を断罪する内容です。
 中央本部と岡山県本部は声明を出し、判決が、査察官報告書の採用を否定し、一審判決を破棄したことは評価できるが、有罪の根拠であった同報告書が採用できなければ、無罪とすべきだったと指摘しています。

3人の無罪へ支援を  

 判決後の報告集会には支援者200人が参加。あいさつに立った禰屋さんは「救援会や民商の皆さんをはじめ多くのご支援にお礼を申し上げます。一人ではここまでできなかったと思います。はっきり言って無罪がほしかったです。でも、今後も、山本宣治さんのことば「唯生唯戦」、ひたすら生き、ひたすらたたかう、その思いでたたかいます。3人へのご支援をお願いします」と決意を語りました。
 今回の判決を勝ちとった力は、禰屋さんが全国を歩き支援を訴えたこと、有罪判決の問題点を具体的かつ的確に批判した弁護団の活動、そして、全国から寄せられた支援でした。控訴審で寄せられた署名は9カ月間で5万4000人分を超え、11月に呼びかけた要請はがきも9200枚を超えました。
 今後、検察が差戻し判決を不服として最高裁に上告すればたたかいは最高裁に移り、上告を断念すれば岡山地裁で審理がやり直されます。
 差戻しの審理は、あらためて裁判がやり直されます。有罪判決が破棄されたことで楽観せず、禰屋さんの無罪と、最高裁でたたかう小原さん、須増さんの無罪をめざし、全国からのいっそうの支援をお願いします。
〈判決を出した裁判官=長井秀典裁判長、村川主和、藤井秀樹〉

powered by Quick Homepage Maker 3.60
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional