日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2017年8月5日号

2017年8月5日号  

滋賀・日野町事件 警察、検察を尋問 運動強め再審勝ちとろう 大津地裁  

 1984年に滋賀県日野町で酒店の女性経営者が殺害され、客であった阪原弘さんが犯人とされ無期懲役が確定した日野町事件。第1次再審請求審は2011年3月に阪原さんの死亡によって終了しましたが、遺族4人によって第2次再審請求がおこなわれ、以後大津地裁で協議が続いていました。
 7月18、19の両日にわたって、引き当て捜査を主導した捜査官2人と検察官の尋問がおこなわれました。
 弁護団は、記者会見で今回の尋問は概ね評価できる内容で、再審開始への大きな一歩となったと評価しつつも、9月の吉田弁護側鑑定人への尋問など今後の事態への対応もあり、具体的な尋問結果の公表は差し控えるとしました。
 再審請求審での事実調べで、事件当時の捜査官や検察官の尋問がおこなわれるという稀有な事例となった今回の結果をもとに、弁護側は引き続きまだ隠されている証拠の開示を求め早期の再審開始決定をめざしています。裁判所は遺体の状況と自白が矛盾すると指摘した吉田鑑定人への尋問を経て、弁護側、検察側双方に最終意見書の作成を求めるものと思われます。

証拠の捏造が
 2014年以降、川上裁判長のもとで弁護団が要求していた証拠の開示が大きく進み、実況見分時に撮影されたとみられる大量のネガフィルムにより、有罪認定の根拠が揺らぐ警察捜査の実態が明らかになりました。
 確定判決は、阪原さんが被害者宅から盗んだ金庫の発見現場へ自主的に案内することができたことを「秘密の暴露」であるとして、引き当て捜査報告書を有罪判決の根拠としています。しかし、弁護団の分析により、実況見分調書に添付された写真が、実は往路の写真に復路の写真を紛れ込ませたものであることが分かったのです。捜査側は裁判官を騙(だま)したのです。
 今年3月、裁判官の異動があり、新たな裁判体の今井輝幸裁判長は、記録を精査しており、引き当て捜査に対する疑問、殺害方法に対する疑問について、事実調べを実施すること、そのうえで早期に結論を出す意向を三者協議の中で表明しました。

60人余で激励
 再審請求審の進行に呼応して、日野町事件の地元滋賀県の国民救援会ならびに「日野町事件の再審無罪を求める会」を中心に関西連絡会が結成され、18日、19日の事実調べ当日にものぼりや横断幕を手に延べ60人近い支援者が、裁判所前に集結。弁護団や遺族を激励するとともに、市民に向けてビラを配布しながら支援を訴えました。
〈要請先〉〒520―0044 大津市京町3―1―2 大津地裁今井輝幸裁判長

岐阜・大垣警察市民監視違憲訴訟 警察開き直り 「トラブル防止」と市民敵視 岐阜地裁  

 風力発電施設建設をめぐり、大垣警察署が市民の個人情報を収集し、関連子会社に提供していたのは憲法違反だとして訴えている裁判の第3回口頭弁論が7月12日、岐阜地裁(池町知佐子裁判長)で開かれました。
 第2回口頭弁論で池町裁判長から、「個人情報の収集」、「中電子会社への提供」について認否を明らかにするよう求められていた県側は、認否を明らかにするどころか、「警察の情報収集は具体的な犯罪発生のおそれがある場合に限定されていない」、「トラブルを防ぐため、意見交換をおこなうことはある」と開き直りました。
 記者会見で山田秀樹弁護士は、「議事録を見れば、大垣署とシーテックがどんな目的で情報交換をしたのかは明らかだ。反対運動を起こさせないためだと明確に言っている」また、「トラブルを起こすのは市民だと敵視する警察権力の姿を示している。11日に改正組織犯罪処罰法(共謀罪法)が施行された。この法は警察権限を拡大し、市民への監視が正当化される。共謀罪の廃止にむけた重要な闘いだ」と述べました。
 次回口頭弁論は10月30日午後1時30分からです。(岐阜県本部)

静岡・袴田事件 9月に鑑定人尋問 公開求めるが非公開に 東京高裁  

 7月20日、東京高裁(大島隆明裁判長)で袴田事件の即時抗告審の三者協議がおこなわれ、再審開始決定の根拠の一つとされたDNA型鑑定をおこなった本田鑑定人と、即時抗告審で裁判所が職権で鑑定を依頼した鈴木鑑定人の尋問を9月26日、27日の両日におこなうことが決まりました。三者協議後の記者会見で、弁護団が明らかにしました。
 弁護団は鑑定人尋問を公開の法廷でおこなうように求めましたが、非公開でおこなわれることになりました。但し、請求人の袴田ひで子さんの立ち合いは認められました。ひで子さんは、「これで前に進めてもらえる」と期待を述べました。
 また、会見で西嶋弁護団長は、確定判決が袴田さんの犯行の理由として挙げていた袴田さん右足の脛(すね)の傷について、即時抗告審で開示された証拠によって、逮捕時に袴田さんには右足の脛の傷はなかったことが明らかになり、提出していた弁護団の意見書に対する検察の反論書に対して、再反論意見書を提出したことを明らかにしました。そして、「鑑定人尋問が終われば弁護団としては年内にも最終意見書を出す用意がある」と述べ、早期に検察の即時抗告の棄却を求めていく意向を示しました。
 この日、国民救援会も参加する袴田巌さんの一日も早い再審無罪を求める実行委員会は、東京高裁前で宣伝行動をおこない、東京高裁、東京高検への要請をおこないました。高裁には、新たに3万人を超える署名(累計で約23万人)を提出しました。次回は、9月の鑑定人尋問にあわせて宣伝、裁判所要請などをおこなう予定です。

熊本・松橋事件で福岡高裁へ要請行動 「検察の抗告棄却を」  

 熊本・松橋事件の再審開始決定の確定を求めて7月13日、福岡高裁に国民救援会九州各県から合計9人の参加で要請行動をおこないました。(熊本2人、福岡3人、佐賀、大分、鹿児島、宮崎から1人ずつ)(写真)。
 高裁書記官室で、熊本県本部の佐藤事務局長が署名を提出したあと、参加者全員がそれぞれの県本部からの要請書を読み上げて、要請しました。

第230次最高裁統一要請 須増さん「公訴棄却、無罪判決を」  

 第230次最高裁統一要請行動が7月18日におこなわれ、5事件の関係者と国民救援会の支援者34人が参加しました。
 早朝の最高裁前での宣伝行動につづき、要請がおこなわれました。
 要請には、岡山・倉敷民商弾圧事件の須(す)増(ます)和(かず)悦(よし)さんと禰(ね)屋(や)町子さんも参加。須増さんは、倉敷民商に対する広島国税局の強制調査について、罵声を浴びせて長時間の事情聴取をおこなったり、事件とは関係ない書類やパソコンを押収するなど、違法な方法で得た証拠に価値はないとして、強く無罪判決を求めました。
 なお、この日提出された署名3999人分とあわせ、累計は8万6849分となりました。
〈参加事件〉倉敷民商弾圧事件、鈴村国賠、スカイマーク猪股過労死事件、専修大学労災解雇原田事件、大日本印刷過労自死事件

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