日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2017年7月25日号

2017年7月25日号  

共謀罪法が施行 市民が抗議集会国会前 萎縮せず闘おう  

 話し合いをすることが警察に監視され、処罰の対象となる共謀罪法が7月11日、施行されました。当日は国会前に800人の市民が集まって集会が開かれ、国会に向かって抗議の声をあげました。(主催=共謀罪NO!実行委員会、総がかり行動実行委員会)

 「市民監視の法律いらないっ」「共謀罪を使わせないぞっ」
 気温30度ほどになった国会前、市民800人が国会議事堂に向けて抗議のシュプレヒコールを放ちました。

萎縮せず闘う

 主催者を代表して海渡雄一弁護士は、戦前の治安維持法は、できる前に反対運動があったものの、成立後に反対運動ができなかったため徐々に悪用された経過をあげた上で、「過去から学び、廃止運動を続けることで、市民の人権侵害を防ぐことができる」と述べ、廃止を求める署名運動を始めようと提起しました。
 法案審議に反対した野党各党も連帯発言。民進党の福山哲郎参院議員は、安倍政権の支持率下落を指摘して、「安倍政権退陣の道筋が見えてきた。内閣退陣を求める声は、共謀罪を廃止しろという国民の声と同じ。国民の声を力に頑張りたい」と発言。
 共産党の小池晃参院議員は、「共謀罪ができても、その上には思想・良心の自由を定めた日本国憲法がある。憲法に基づいて闘おう。共謀罪があろうとも、委縮せず闘いを広げよう。その旗印が憲法だ」などと訴えました。他に社民党の福島みずほ参院議員、自由党の森裕子参院議員も発言しました。

甚大な副作用

 連帯の挨拶で日本体育大学の清水雅彦教授は、「共謀罪を発動させない取り組みが重要で、私たちが声を上げ続ければ、簡単に適用することはできない」と述べました。
 自由人権協会の芹沢斉代表理事は、政府がテロ防止とした共謀罪の立法目的にふれ、「欧州では、すでに共謀罪に類似の法律を持っているが、テロを防止できていない」と指摘。一方で共謀罪を実効性あるものにするために「監視社会という甚大な副作用が生じる」と指摘しました。
 共謀罪NO!実行委員会と総がかり行動実行委員会では、共謀罪廃止に向けた統一署名の作成を準備しています。

社会保険庁不当解雇撤回裁判(東京事案)1人の処分取消し 2人の請求は棄却 東京地裁  

 旧社会保険庁が職員525人を不当解雇し、人事院の公平審理で「処分妥当」とされた25人が解雇撤回求め提訴(東京事案は3人)した裁判で、6月29日、東京地裁(清水響裁判長)は、1人の分限免職処分を取り消す判決をおこないました。一方、残る2人の請求は棄却しました。
 判決は、旧社保庁長官等が、新たに発足した日本年金機構や他省庁への転任などの措置を通じて、分限免職を回避する努力をすべきなのに怠ったとして、相川寛さんに対する処分を取り消すよう命じました。

再審開始決定へ、審理大詰め 滋賀・湖東記念病院人工呼吸器事件 裁判所、死因に疑問  

 03年、滋賀県の湖東記念病院で、人工呼吸器を外して患者を殺害したとして懲役12年が確定した看護助手の西山美香さんの再審請求審で、7月6日、大阪高裁で弁護団と検察、裁判所による三者協議がおこなわれ、次回の三者協議で終結する見通しとなりました。

 第2次再審請求の即時抗告審で、大阪高裁(後藤眞理子裁判長)は、死因に疑問をもっていることを表明しました。裁判所は、亡くなった患者の血中カリウムイオンの濃度が1・5ミリモルという非常に低い値であり、致死性不整脈による死因が疑われることから、人工呼吸器のチューブを抜いて酸素が途絶した「窒息状態」がカリウム値に影響を与えるのかについて弁護側、検察側双方に意見書を出すよう求めました。

病死の可能性が

 検察はカリウム値1・5ミリモルは解剖時のデータで、死亡時は高かったと主張。蘇生時に使う薬剤の影響でカリウム値が下がったと述べました。死因は「自白」通り、チューブを引き抜いたことで窒息し低酸素脳症によって死亡したと説明しました。
 一方弁護側は、死亡すれば細胞が壊れて血中にカリウムが流れ出すため死亡時は高くなり、解剖時の1・5ミリモルという値は、死亡時はさらに低かった可能性があり、死因は致死性不整脈(つまり病死)の可能性が高いと主張しました。また薬剤の影響は組み合わせ方など条件によって変わると反論。さらに患者の顔面は蒼白で心停止の状態だったことから、もし窒息死であれば顔面はうっ血して赤くなるはずだと主張しました。
 裁判所は蘇生処置を施していったん患者の脈が拍動を始め、その後停止したことは不整脈、窒息死のいずれと関係があるのか、追加立証を8月7日までにするよう双方に求めました。

証拠は自白のみ

 この事件は「自白」以外に証拠はなく、即時抗告審ではカリウム値と顔面の色(心停止か窒息か)によって自白の信用性が問われました。また人工呼吸器のチューブを抜くとアラームが鳴る仕組みですが、アラーム音を聞いた人はひとりもいません。さらに看護助手は人工呼吸器を扱う資格はなく、西山さんは消音ボタンの存在も操作の仕方も知りませんでした。結局、チューブは外れていなくて、アラーム音も鳴っていなかったことがはっきりしています。
 7月6日に行われた記者会見で弁護団の井戸謙一弁護士は「8月17日の次回三者協議で審理は終了するのではないか。決定は10月中に出るのではないか」と述べました。(滋賀県本部・川東繁治)

〈要請先〉〒530―8521 大阪市北区西天満2―1―10 大阪高裁 後藤眞理子裁判長

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