日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2017年4月5日号

2017年4月5日号  

共謀罪法案を閣議決定  

 安倍政権は3月21日、国民の反対を押し切って、過去3度も廃案となった悪法・共謀罪法案の閣議決定を強行しました。自民・公明与党はいまの通常国会(会期末6月18日)での成立をめざしています。国民救援会は共謀罪阻止を勝ちとるために、多くの市民・団体と共同し、奮闘します。

阻止へ全力を

 共謀罪は、犯罪について話し合い・計画(合意)したことを処罰するものです。実際におこなわれた犯罪を処罰する刑法の原則を180度転換するものです。
 共謀罪は、話し合い・合意を処罰するため、人びとが何を考え、何を話し合っているのか、その心の中まで踏み込んで捜査し、処罰することになります。憲法で保障された思想・信条の自由を侵害します。
 実際に「犯罪」が起きる前から「いつ・だれが・どこで合意するのか」と捜査するため、警察が日常的に市民を監視することになります。また、共謀罪には凶器や指紋などの客観的証拠ではなく、「合意」を証明するために、盗聴やウソの「自白」強要がおこなわれます。また自首すれば刑を減免されるため「密告」やおとり捜査がされることになります。警察が恣意的に狙いをつければ、その団体・組織を狙い弾圧も可能です。人権侵害の悪法です。

ウソをあばき本質広げよう

 過去3度も廃案になった共謀罪をなんとしても成立させたい安倍政権は、「テロ等準備罪」と称し、「テロ対策のため」「一般人は関係ない」など本質を隠し国民をだまそうとしています。真の狙いは、安倍政権の悪政に反対する市民・国民の声と運動を押さえつけることです。戦前、侵略戦争に反対した人たちを弾圧した治安維持法が、再びよみがえろうとしています。
 この間の国会答弁を通して、日本はテロ対策に必要な条約はすべて締結していることや、「組織犯罪集団」が警察の判断でなんとでも解釈できることが明らかになっています。世論調査も、当初、賛成が多数でしたが、最近の調査では、反対が多数に変わってきています(毎日新聞‥反対41%・賛成30%、共同通信‥反対45%、賛成33%)。数の上では与党が多数でも、ウソを暴き、その危険性の認識が広がれば必ず阻止できます。

共同した運動先頭で奮闘を

 「共謀罪の新設ハンターイ」「監視社会は許さないぞ」―3月21日、閣議決定に抗議する行動が全国でとりくまれました。首相官邸前では雨の中、早朝から300人の市民が抗議の声を上げました。
 国民救援会の鈴木猛事務局長もマイクを握り、「力をあわせ共謀罪を阻止しましょう」と決意を述べました。
 国民救援会は、秘密保護法や盗聴法に反対する市民団体などと共同し、「共謀罪NO!実行委員会」に参加し、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会と共同して行動を広げています。
 国民救援会の作成した黄色い横断幕は好評で、各地の行動でかかげられています。国民救援会の支部などでの学習会も200カ所を超えて開催され、いずれも予想を上回る参加者で成功しています。
 共同の先頭に立って奮闘し、共謀罪を必ず阻止しましょう。

自衛隊国民監視差止訴訟 共謀罪の闘いに結ぶ 支援する会 成果確認し解散 憲法の光 自衛隊の闇へ  

 自衛隊国民監視差止訴訟を支援する会の解散総会が3月4日、仙台市で開催され、原告団、弁護団、支援者など100人超が参加しました。
 裁判は2007年、自衛隊の情報保全隊がイラク戦争に反対する市民や団体などを監視していたことが明らかになり、東北地方の市民107人が監視の差止めと国家賠償を求め提訴したものです。一審は5人、高裁は1人について賠償を認めました。他の原告が最高裁に上告しましたが昨年10月に、不当にも上告棄却されました。
 総会の冒頭、原告団長の後藤東陽さんが挨拶に立ち、「4人で始まったが、たくさんの原告が続き、支援する会が温かく包んでくれ今日の勝利を迎えることができた」と感謝の言葉を述べました。
 弁護団事務局長の小野寺義象弁護士が、裁判の経過と、二審で元情報保全隊長や元情報保全室長など自衛隊幹部への尋問を実現し、1人の勝訴を確定させ、国に賠償金を支払わせた成果を報告。国民監視が憲法違反であることを知った元情報保全隊員から寄せられた音声メッセージが流されました。
 第2部では、弁護団から、中谷雄二、佐藤博文、内藤功各弁護士が報告。内藤弁護士は闇の組織であった情報保全隊を憲法の光のもとに引きずりだし、情報保全隊の活動に一定の条件をつけさせた成果を確認したうえで、この成果を語りつぐことを呼びかけました。
 総会は、このたたかいの成果を確認し、自衛隊の海外派兵反対や共謀罪阻止のたたかいへと発展させていく決意を固め合う場となりました。

岐阜・大垣警察市民監視違憲訴訟 警察、認否を拒否 第一回弁論に出廷せず 岐阜地裁  

 大垣警察市民監視違憲訴訟の第1回口頭弁論が3月8日、岐阜地裁(武藤真紀子裁判長)で開かれ、140人が傍聴と激励に集まりました。事件は、風力発電施設の建設をめぐり、岐阜県警大垣署が、建設反対派の住民の過去の活動歴や病歴、学歴等を調べ、電力会社側に提供していたものです。
 法廷では、原告の三輪唯夫さんが意見陳述し、山田秀樹弁護団長が訴状の概要を説明しました。被告の県(警察)側は誰も法廷に姿を見せませんでした。
 三輪さんは意見陳述で、「企業、行政、政治、社会に対し自分の意思で声をあげると、時の権力者はあたかも反社会的と考えます。しかし、歴史はその時の反社会的な声、行為が正しかった事実をたくさん教えています。警察の情報収集・監視は、言論の自由を委縮させることにつながります。今回の裁判は、『もの言う自由』を取り戻すための裁判です」と述べました。
 一方の被告は答弁書で、「個別具体的な情報収集活動の内容が明らかとなれば、情報収集の着眼点やその方法・手段が明らかとなってしまい、情報収集対象者に対抗措置を執られる」などと述べ、ほぼ全面的に認否を拒否しました。
 報告集会では、この事件と「共謀罪」の関連を指摘する声が多く出されました。傍聴参加者、原告、弁護団名で「共謀罪の国会提出をしないよう求める」文書を安倍首相・法相に送ることを決めました。

大阪・東住吉冤罪事件青木国賠訴訟 再発防止と検証を 青木さんと弁護団が陳述 大阪地裁  

 東住吉冤罪事件・青木国賠訴訟の第1回口頭弁論が3月9日、大阪地裁で開かれ、80人近い傍聴者が集まりました。
 事件は1995年に、当時11歳だった長女の保険金目当てに、青木惠子さんと内縁の夫・朴龍皓さんが放火殺人をしたとして無期懲役刑とされた事件で、昨年8月に再審で無罪が確定した青木さんが、自白強要などの違法な捜査をした警察や検察の責任を追及しているものです。
 法廷では、まず原告の青木さんが陳述書を読み上げました。
「どうして無実の私が犯人とされたのか、やっていないと訴え続けたのに、地裁でも高裁でも最高裁でも認められなかったのはなぜか。結果、20年を超えて身柄を拘束され続けたのはなぜか。きちんと解明してほしい。無罪が確定しても、私や家族の失われた年月は戻ってこない。警察も検察も謝ろうとはしない。私のような目に遭う人が、再び出ないようにと思い、訴訟に踏み切った」
 続いて弁護団から、罪の無い市民に取り返しのつかない被害を与えた刑事手続きの誤りを検証し、再発防止策を構築する一助とすることを裁判所に求めるとともに、徹底した真相究明と、21年の失われた時を思い審理計画を早急に明らかにすること、原告が被った甚大な被害を受け止め、適正な賠償がおこなわれるべきだなどと述べました。
 報告集会では、国や大阪府の答弁書に示された「原告の請求は棄却されるべき」という姿勢に支援者から怒りの声があがり、勝利をめざそうと決意を固め合いました。次回期日は7月18日です。(大阪・伊賀カズミ)

熊本・松橋事件 「論点は尽きた」福岡高裁 再審可否判断へ大詰め  

 1985年に知人を刃物で殺害したとして宮田浩喜さんの有罪が確定し、昨年再審開始決定が出された熊本・松橋事件の即時抗告審で、3月16日、福岡高裁(山口雅治裁判長)で第三回三者協議がおこなわれました。
 焦点となっているのは、弁護側の大野鑑定書が明らかにした凶器とされる刃物の形状と遺体の傷が矛盾するという点で、再審開始決定の根拠の一つにもなっている問題です。前回の三者協議で検察側は、別の事件の鑑定書などを持ち出して反論する補充意見書を出しています。これに対する弁護側が2月に出した反論書について、検察側は再度医師と協議の上反論する予定だと述べました。
 これに対して裁判長は、「今までで論点は尽きていると思っている」と発言し、次回で協議を終了させるかもしれない姿勢をみせました。
 次回協議は5月31日におこなわれます。

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