日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2017年3月15日号

2017年3月15日号  

倉敷民商弾圧事件 禰屋裁判 不当判決 懲役2年(執行猶予4年)  

民商の存在を敵視
 岡山・倉敷民商弾圧事件(禰屋裁判)で3月3日、岡山地裁は、禰屋町子さんに対して懲役2年、未決勾留200日算入、執行猶予4年の不当判決を言い渡しました。禰屋さんと弁護団は広島高裁に控訴しました。(裁判長‥江見健一、裁判官‥新宅孝昭、河原崇人)

 判決は、禰屋さんの供述や弁護団の主張をいっさい検討せず、検察官の主張は検証することなく無批判になぞったものとなりました。
 税理士の資格がないのに確定申告書などの税務書類を作成したとされた税理士法違反について判決は、禰屋さんが倉敷民商の業務として、継続的に対価を得て、確定申告書を作成したもので悪質だと判断。「税理士法違反の常習性及び組織性は顕著」などとして、禰屋さんのみならず倉敷民商の活動自体を敵視しました。判決は、禰屋さんが作成の手助けをした確定申告書を、申告者本人が押印して税務署に提出した事実に一切ふれず、組織維持・運営のために集めている特別会費も書類作成の対価と見なしました。さらに「申告納税権なる権利は憲法上保障されていない」と述べ、小原・須増裁判で広島高裁が申告納税制度を「憲法上の要請から尊重されるべき」とした判断から大きく後退させました。
 禰屋さんが脱税の手伝い(ほう助)をしたとされる法人税法違反については、脱税本犯を告発した木嶋国税査察官の作成した報告書を、「鑑定書」として証拠能力があると認め、これに沿って禰屋さんが自らの判断で架空経費を計上させるなどして脱税を助けたと判断しました。そもそも木嶋氏は事件を告発した人物で、作成した報告書は、検察側と同じ訴追側の立場にたつものです。内容も部下が作成した報告をまとめた伝聞証拠であり、公平性も客観性もありません。しかし江見裁判長は、査察官が「特別の学識経験に基づいて作成した書面」であるとし、鑑定書にあたると認め、その信用性も認めました。

警察官30人が法廷に
 裁判長が判決を宣告し閉廷を告げたあと、憤りを抑えきれない傍聴席から「不当だ」「おかしいぞ」などの発言が出ました。傍聴者は発言をしつつも徐々に退出する状況のなか、突如として法廷内に20人〜30人弱ほどの制服警察官が次々と乗り込んで、退出しようとする傍聴者の周囲に立ちはだかりました。直前に裁判長が法廷内の職員に目配せで合図し、職員が無線で連絡を取る様子が確認できました。
 裁判所に確認したところ、警察官は江見裁判長の要請によって法廷そばの別室で待機していた岡山県警の警察官であることが分かりました。弁護団の報告によると、閉廷後に弁護団が裁判長に「警官を投入する必要はない。やり過ぎだ」と抗議をすると、「私の考えだ」と述べたとのことでした。判決が、民商の活動自体を違法なものと決めつけ敵視しているのと同様に、裁判長が傍聴者を敵視していることがうかがえる異常事態となりました。
【抗議先】〒700―0807 岡山市北区南方1―8―42 岡山地裁 江見健一裁判長
【激励先】倉敷民商を支える会 FAX 086(427)0513

袴田事件 再審無罪求め全国集会 「審理急げ」と200人参加  

 再審を求めている袴田事件で2月25日、「袴田巖さんの再審無罪を求める全国集会」が東京都内で開催され、10都道府県から200人が参加しました。
 袴田事件は、2014年に静岡地裁で再審開始決定が出ましたが、検察の即時抗告で審理は東京高裁に係属しており、袴田さんは今も死刑囚のままとなっています。集会は、検察の即時抗告の不当性に焦点を当て、裁判所が検察の求める検証実験に引きずられ審理を長期化させないために開催されました。
 報告した西嶋勝彦弁護団長は、即時抗告審で開示された袴田さんの取調べ録音テープの一部を会場で公開しました。音声からは、取調中の袴田さんが「すいません。小便行きたいんですけどね」とトイレを申し出たところ、取調官が「便器もらってきて。ここでやらせればいいから」と言って便器を持ち込ませていた様子や、袴田さんが用を足そうとしたところ、尿意が止まり、そばの取調官に「出なくなっちゃった」と述べる様子もうかがえました。
 西嶋団長は、録音テープを解析する中で、ー萃桓爾悗諒愆鏤ち込みに関する偽証罪、⊆萃桓爾吠愆錣鮖ち込み取調官の面前で小便をさせた特別公務員暴行陵虐罪、J杆鄂佑箸寮楔を盗聴した公務員職権濫用罪、と塙埣絨瓩箸気譴織坤椒鵑寮K〇イ亡悗垢觴其係分調書を偽造した有印虚偽公文書作成罪など、警察官が捜査や公判で数々の「職務に関する罪」を犯していたとして、再審理由の追加申立をしたと報告しました。そして、DNA鑑定だけでなく、その他の新証拠で十分再審開始決定がされるべきだと強調しました。
 記念講演では、元検察官の市川寛弁護士が、自らの検察官体験を元に冤罪を作り出す検察の実態を告発。東京拘置所で袴田さんと3度面会した元刑務官の坂本敏夫さんが特別報告をおこない、無実を晴らそうと膨大な上告趣意書を書き上げていた元気なころの袴田さんの姿が印象に残っていると話しました。
 袴田さんの姉のひで子さんは、「最初は笑いもしなかったが、最近はいろんな表情を見せるようになった。拘禁症はすぐに治らないが、再審無罪へ一層のご支援をお願いします」と訴えました。
 最後に集会アピールを採択し、再審開始決定3周年にあたる3月27日に裁判所要請と、新たな再審理由の追加申立等を踏まえた新署名が提起されました。

岡山・倉敷民商弾圧事件(小原・須増裁判)無罪判決を要請 署名6万人を突破  

 倉敷民商弾圧事件(小原・須増裁判)の最高裁要請行動が2月24日におこなわれ、全商連、国民救援会、東京の会、神奈川の会などから25人が参加し、被告人の小(こ)原(はら)淳さんも駆けつけました。
 早朝に宣伝行動をおこない、代表15人が要請行動をおこないました。小原さんが要請書に基づき意見を述べ、須増さんの要請書を岡山の代表が代読、国民救援会岡山県本部の要請書も読み上げて要請しました。救援会神奈川県本部の会員は「私は元税務職員であったが、小原さんらの行為は正当で、無罪だ」と要請しました。
 この日、個人署名8693人分(累計6万2422人)、団体27団体分(累計642団体)を提出。「裁判官への手紙」もあらたに12通提出しました。(全国連絡会ニュースより)

愛知・テーエスシー三輪労災認定 名古屋高裁で逆転勝訴判決  

 トヨタ自動車の下請けのテーエスシーで、深夜にわたる長時間労働を強いられ、心疾患により亡くなった三輪敏博さんの労災認定を妻の香織さんが求めていた裁判で、名古屋高裁民事4部は、2月23日、一審の請求棄却判決を取り消し、逆転勝訴判決を出しました。
 判決は、100時間の残業時間は過労死認定として当然認めるべき基準であって、それに達しない場合でも、労働実態を見た上で決めるべきだと判断。睡眠を5時間以上確保できていなかったことで心疾患を引き起こし、それが業務に起因するものだと認めました。
 国民救援会愛知県本部では、厚労省や愛知労働局へ上告断念を要請しています。

大崎事件 地元・大崎で初の集会 原口さんの再審開始急げ  

 再審を求めている鹿児島・大崎事件で、2月25日、原口アヤ子さんの地元である大崎町で「原口アヤ子さんの再審無罪をかちとる緊急集会」が開かれ、120人が参加しました。参加者の約7割近くが地元大隅地域の方でした。
 朗読構成劇「夜明けは近い」が上演され、事件の経過と特徴を分かりやすく紹介。弁護団の永仮正弘弁護士が事件の問題点を報告し、「再審開始になった際、検察に抗告をさせない運動が重要だ」と強調しました。
 志布志事件で警察から違法な自白強要を受けた住民の方がたと、栃木・足利事件の菅家利和さんが冤罪を生む自白強要の実態について報告。原口さんの娘・西京子さんの「いっそうの支援をお願いします」とのメッセージが紹介されました。

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