日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2017年2月5日号

2017年2月5日号  

共謀罪の提出許さない 通常国会開会  

 安倍政権は、共謀罪を「テロ等準備罪」などとごまかして、1月20日開会の通常国会での提出、成立を狙っています。これに対し、「共謀罪の提出を許すな」と、反対運動が大きくひろがっています。

<署名>2万の声、首相に届ける
 国会開会日前日の1月19日、国民救援会、全労連、自由法曹団3団体の代表は、「共謀罪法案を国会に提出するな」と、全国から寄せられた、安倍総理宛の署名1万9450人分と61団体分を内閣府に提出し、要請しました。
 提出に際し、自由法曹団・久保田明人事務局次長は、「政府は、『組織犯罪防止条約の批准のために共謀罪が必要』と言うが、その条約自体、テロ防止のためのものではない。30以上の弁護士会が共謀罪に反対声明を出しており、国民の理解が得られていないことは署名にもあらわれている」と指摘し、法案を提出しないよう求めました。

<集会> 会場一杯、熱気あふれる
 通常国会にむけ、「共謀罪を許すな」と連日集会が開催されました。
 19日、前記3団体主催の集会が、衆議院議員会館で開かれ、会場いっぱいの100人が参加。
 日本共産党の藤野保史衆院議員が憲法違反の共謀罪の本質を指摘。また、仁比聡平参院議員は、「秘密保護法や戦争法反対のように国民の怒りで国会が包囲されれば、政権と与党に大きなダメージを与える。本気の共闘への探究を強め、共謀罪を阻止しよう」と呼びかけました。
 学習では、自由法曹団治安警察問題委員会の三澤麻衣子委員長が講演。「菅官房長官は会見で、これまでの共謀罪とは違う、テロ対策のためで、一般人には関係ないと強調しました。しかし、危険な本質は変わらないし、『一般人』かどうかを判断するのは警察であり、政府の気に食わない人を『犯罪者』と決め付ける」と指摘。「テロ対策を強調するが、日本は13のテロ防止条約すべてを締結しており、現行法でも充分対応できる」と政府のウソを批判しました。
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 国会開会日の20日には、国民救援会も参加する「秘密保護法」廃止へ!実行委員会、解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会、日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)が共催した「共謀罪の国会提出を許さない院内集会」が参議院議員会館で開かれ、340人が参加しました。
 集会では平岡秀夫元法務大臣らが発言しました。また、民進党、日本共産党、自由党、社民党、沖縄の風の国会議員が駆けつけ、連帯のあいさつをしました。

共謀罪阻止へ闘争本部を設置 中央常任委員会 最重要課題と位置づけ  

 国民救援会は1月22日、23日に開催した第3回中央常任委員会で、共謀罪阻止のたたかいを最重要課題と位置づけ、中央本部に「共謀罪阻止闘争本部」を設置しました。
 共謀罪阻止をめざし、〔屬量椶粒惱会の開催、当面会員数を目標に署名活動、H詭保護法や戦争法反対でともにたたかった人たち、弁護士会や市民団体・民主団体・労働組合などと共同したとりくみ、だ訶然萋亜↓ゼ治体での意見書採択要請、国会議員の地元事務所への要請などをすすめることを確認しました。

警察が犹毀臼親阿弔屬鍬甦阜・大垣警察市民監視違憲訴訟 警察が市民を監視情報を企業に提供  

 国や企業の政策にものを言った人たちを、警察が秘密裏に監視しつづけたうえ、その情報を民間企業に提供し、市民運動つぶしに利用していた――このような驚くべき事件が明らかになりました。監視された4人の市民は昨年12月21日、監視等は憲法違反だとして、岐阜県(警察)を相手に国家賠償裁判を岐阜地裁に申し立てました。

 「岐阜県警が個人情報漏洩(ろうえい)」―2014年7月24日、朝日新聞(名古屋版)が朝刊1面トップに見出しを掲げ、事件は明らかになりました。
 報道では、「岐阜県大垣市での風力発電施設建設をめぐり、同県警大垣署が事業者の中部電力子会社『シーテック』(名古屋市)に、反対住民の過去の活動や関係のない市民運動家、法律事務所の実名を挙げ、連携を警戒するよう助言したうえ、学歴または病歴、年齢など計6人の個人情報を漏らしていた」と報じました。

警察が会社呼び個人情報を提供
 シーテック(シ社)が岐阜県大垣市上石津町と関ヶ原町にまたがる地域に風力発電の建設を計画しました。
 この計画を知った上石津町の三輪唯夫さんと松島勢至さんは、低周波音による健康被害、建設による環境への影響などに懸念をもち、勉強会を企画しました。その勉強会が報道された後、大垣警察署の警備課(公安警察)が、中電を介して、シ社を警察署に呼び、少なくとも4回の情報交換(13年8月〜14年6月)がおこなわれました。この内容が、シ社作成の議事録から明らかになったのです。
 議事録によれば、会議の目的は、風力発電建設への反対運動をさせないためにお互いの情報を交換することでした。そのなかで警察は、三輪さんらの個人情報をシ社に提供しました。そこで名前を挙げられた4人の市民は、ゴルフ建設やダム建設への反対運動や憲法・平和運動に関わってきた人たちでした。また4人と一緒に運動をしてきた地域の民主的法律センターである弁護士法人ぎふコラボ法律事務所の情報も提供されていました。

「やっかいになる」と警察
 いったいどのようなことが話し合われたのでしょうか。発言を追ってみます。
 風力発電の勉強会の報道をもとに、警察から「(勉強会)の主催者である松島氏や三輪氏が風力発電に拘(かかわ)らず、自然に手を入れる行為自体に反対する人物であることを御存じか」。シ社は、以前ゴルフ場建設に反対していることは知っていると回答。
 次に警察は、この運動と関わっていない近藤ゆり子さんについて、「自然破壊につながることは敏感に反対する」人物で、「東京大学を中退しており、頭もいいし、喋りも上手であるから、このような人物と繋(つな)がると、やっかいになると思われる」と発言。さらに、ぎふコラボ法律事務所と連携して市民運動が起きると事業も進まない、「大垣警察署としても回避したい」「平穏な大垣市を維持したいので協力をお願いする」と述べています。また、法律事務所の職員の船田伸子さんについて、「入院中であるので、速、次の行動に移りにくいと考えられる」などの情報も提供していました。
 さらには、「過激なメンバーが岐阜に応援に入ることが考えられる」「身に危険を感じた場合は、すぐに110番して下さい」など警告をしていたのです。

謝罪どころか開き直る警察
 今回の事件から次の問題点が浮き彫りになりました。
 第一に、警察が、長期間にわたり、継続して市民を監視し、氏名、職業に加え学歴、病歴などプライバシーにわたる情報、さらには住民運動など思想・信条にかかわる情報まで広く収集していることです。
 第二に、警察が、行政や企業に意見を言ったり、行動する市民・団体を平穏を乱す人など敵視し、特別に監視していることです。
 第三に、情報を収集・蓄積しているだけでなく、市民運動の抑圧のために、それを利用していることです。
 第四に、警察が企業と密接に連絡を取り合い、一私企業の政策を推進する立場に立ち、集めた個人情報を、なんのためらいもなく提供していることです。
 このような監視・情報提供は、憲法や法律違反の許されない行為です。
 第一に、個人のプラバシー(13条)、思想・信条の自由(19条)、主権者として声を上げる表現の自由(21条)を侵害するものです。
 第二に、警察の役割に反するものです。警察法2条で定める、「不偏不党且つ公平中正」を侵し、「個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用すること」を禁止していることを踏みにじっています。また、守秘義務違反・個人情報の漏洩など地方公務員法にも違反します。
 さらに、とりわけ問題なのは、事件発覚後に市民や弁護士が県警に抗議したところ、警察は謝罪するどころか、「通常の警察業務の一環」として開き直り、警察庁も「我々もそのように認識しております」と国会で答弁していることです。もし共謀罪ができれば、今回のようになんらの犯罪や被害も生じていないもとで、「共謀罪捜査」の名のもとで、監視され個人情報が収集されることが大規模におこなわれる危険は明らかです。

「暴走許さない」市民が立ち上る
 市民や弁護士は、警察抗議に加え、個人情報公開請求や地検への告発をしましたが、いずれも認められませんでした。「公権力の暴走を許すわけにはいかない」―4人の市民は裁判に訴えました。地元ではこれを支援しようと、「もの言う」自由を守る会(国民救援会岐阜県本部も参加)を結成。市民が国などにものを言っただけで、警察に監視される、そんな不自由で息苦しい社会はとんでもない、みんなの「もの言う」自由を国家権力から守ろうとの思いで会の名前がつけられました。
 第1回口頭弁論が3月8日午前10時から、岐阜地裁301号法廷でおこなわれます。
 憲法改悪が狙われ、「戦争をする国」づくりがすすむもとで、原発や戦争法など多くの市民が主権者として自主的に声をあげています。この声を恐れる安倍政権は、共通番号制や秘密保護法、盗聴法改悪の強行、さらには共謀罪の新設を狙うなど、市民への監視・抑圧を強めています。自衛隊による国民監視や、別府警察盗撮事件などは氷山の一角です。このような国民監視を許してはいけません。いまの情勢のもとで大きな意義を持つこの裁判に全国からの支援をお願いします。

【激励先】〒503―0906 岐阜県大垣市室町2―25 弁護士法人ぎふコラボ 西濃法律事務所気付 「もの言う」自由を守る会

大垣警察による市民監視は違憲だと国賠裁判を提訴する原告、弁護団、支援者

警察庁 市民監視、情報提供は「通常業務の一環」  

 2015年6月4日の参議院内閣委員会での日本共産党・山下芳生議員の質問に対する警察庁・高橋清隆警備局長の回答。
 高橋「…岐阜県警からは、この大垣署の警察官が、公共の安全と秩序の維持という責務を果たす上で、通常行っている警察業務の一環として事業者の担当者と会っていたもので、…我々もそのように認識しております。」
 高橋「…一般に警察は、管内における各種事業等に伴い生じ得るトラブルの可能性につきまして、…(風力発電や道路工事など)各種事業等に伴い生じ得るトラブルの可能性について、公共の安全と秩序の維持の観点から関心を有しておりまして、…必要に応じて関係事業者と意見交換を行っております。そういうことが通常行っている警察の業務の一環だということでございます。」

熊本・松橋(まつばせ)事件 宮田さんの無実を確信「検察の抗告棄却を」と集会  

 85年に起きた殺人事件の犯人として宮田浩喜さんが有罪判決を受け、昨年6月に熊本地裁で再審開始決定を勝ちとった熊本・松橋事件。検察の不当な即時抗告を棄却させるため、支援を広げようと1月15日、熊本県本部と松橋事件宮田さんを支える会準備会が支援集会をおこない、九州など7県から48人が参加しました。
 弁護団の萩迫光洋弁護士が事件概要やこの間の三者協議などについて説明。宮田さんの犯行を示す物的証拠は何もなく、あるのは宮田さんの「自白」のみで、その「自白」は捜査機関によって変遷させられているものであると指摘しました。しかも、遺体の首筋を中心に多数の傷があるが、どう見ても凶器とされた「小刀」とは傷幅が合わない傷があり、また「自白」では座っている被害者を多数回刺したことになっているが、被害者の下から攻撃しないとできない傷があること、さらに、「自白」では宮田さんがシャツの切れ端を切り出し小刀に巻き付けて小刀に血が付かないようにし、後で風呂焚きの際に燃やしたとあるが、燃やしてしまったはずのシャツの切れ端が熊本地検に保管されていたこと、「自白」には矛盾が多いこと、またその「自白」が、捜査のなかで変遷しているとみられることから、信用性がないことなどを説明しました。なお、シャツの切れ端について検察は、三者協議で「当時宮田さんの家には同様の切れ端が多数散乱していたため、他のものと間違えたとしてもおかしくない」などと主張していると説明されました。
 参加者から各地での支援の報告がなされ、最後に即時抗告の棄却と再審開始を求める決議を参加者全員で確認しました。
 集会終了後、参加者は現地調査をおこない、事件現場や自白による宮田さんの「犯行」前後の足跡をたどり、「自白」の矛盾を実感し、宮田さんの無実を確信しました。

東京・痴漢えん罪西武池袋線小林事件 最高裁が不当決定 わずか一カ月で訴えを棄却  

 最高裁第1小法廷(池上政幸裁判長)は1月13日付けで、東京・痴漢えん罪西武池袋線小林事件の特別抗告を棄却する決定を出しました。
 事件は、全身性強皮症で指の曲げ伸ばしが困難な小林卓之さんが痴漢にまちがえられ逮捕、起訴され、懲役1年10月の刑が確定したものです。小林さんは2011年に東京地裁に再審請求。13年に地裁で請求が棄却され、昨年12月5日に東京高裁でも棄却決定されたため、同月12日に最高裁に特別抗告を申し立てたばかりでした。
〈抗議先〉〒102―8651 東京都千代田区隼町4―2 最高裁第一小法廷 池上政幸裁判長
〈激励先〉〒113―0034 東京都文京区湯島2―4―4 平和と労働センター5階 救援会東京都本部内 小林さんとご家族を支援する会

東京・三鷹事件 証拠開示が重要 竹内さん獄死50年でつどい  

 1949年に無人列車の暴走で6人が死亡し20数人が重軽傷となった三鷹事件の犯人とされた竹内景助さんの獄死から50年目の命日にあたる1月18日、三鷹事件の再審開始をめざす集いが東京・武蔵野市内で開催され、200人が参加しました。
 冒頭、再審請求人である竹内さんの長男の録音メッセージが流されました。長男は「父親が当時国鉄を解雇され、アイスキャンディーの行商をしながら家族のために一生懸命働いた」など、子煩悩であった父親との思い出を紹介。一方、死刑囚の子として、社会の厳しい視線や就職などで様々な迫害をうけ、悔しかったことなどを語り、「どうしても再審無罪を勝ちとって父の名誉を回復したい」と述べ、引き続きの支援を訴えました。
 また、弁護団からは高見沢昭治弁護団長をはじめ論点別に担当の各弁護士から報告がありました。弁護団が再三の証拠開示申立てをおこなったなかで、竹内さんのアリバイに関する手がかりになる証拠が出てきたことなどについて報告がありました。
 しかし、再審申立から5年が経過しても検察は未だに重要な証拠を隠し続けており、竹内さんの無実を示す証拠を開示させることが重要であると強調されました。

滋賀・日野町事件 阪原さんに再審を 新年初の要請と宣伝行動  

 故阪原弘さんの名誉回復を求める日野町事件の第二次再審請求審は2カ月ごとに、弁護団、裁判官、検察官による三者協議がおこなわれています。1月11日の三者協議に合わせて、兵庫県からの17人と滋賀、大阪のメンバーとともに裁判所要請と街頭宣伝行動がおこなわれました。
 署名は1130人分を裁判所に提出(累計3万4千人超)。大津駅前に24人が参加してビラ配布、次々にマイクで訴えました。
 宣伝後は弁護士会館で今後の運動について協議をおこない、地元を軸に関西一丸となって全国に広げる運動や阪原さんのご家族との団結強化など、ざっくばらんに意見交換をしました。
 三者協議後の記者会見で弁護団は、検察が未開示証拠物の一覧表を作っていることを明らかにし、1月中には完成させると明言したとのことです。これは弁護団が強く求めていたもので、裁判所も開示するよう求めていました。伊賀興一弁護団長は、「一覧を吟味し、収集すべき証拠を集めずに阪原さんを犯人だと決めつけた可能性はないか、物証の隠ぺいや廃棄がないかを見定めたい」と意気込みを語りました。
 弁護団は、阪原さんの「自白」による殺害方法は、遺体に残された痕跡や損傷と一致しないという新鑑定書など、2つの新証拠を提出しました。

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