日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2017年11月5日号

2017年11月5日号  

岡山・倉敷民商弾圧事件―小原・須増裁判 口頭弁論を開いて 全国からの署名10万突破 最高裁  

 税理士ではないのに税務書類を作成したとして税理士法違反で起訴されている岡山・倉敷民商弾圧事件。最高裁に係属している小原淳さん、須増和(かず)悦(よし)さんの裁判で10月19日、最高裁での宣伝と要請行動がおこなわれました。雨の中、小原さんをはじめ29人が参加しました。
 要請で小原さんは「この事件で実害を受けた人はいません。逆に、私たちが逮捕されたことで民商会員は甚大な被害を受けたのです。口頭弁論を開いて、私たちの言い分を聞いてください」と訴えました。
 最高裁に上告趣意書を提出してから1年4カ月が経過しました。全国での支援が広がり、署名は、この日提出した4552人分の個人署名をあわせ、累計で10万1864人分となり、当面の目標だった10万人分を突破しました。
 倉敷民商弾圧事件の勝利をめざす全国連絡会では、事件の本質を学ぼうと、11月18日、元国税査察官(マルサ)を招いた集会「元マルサが語る倉敷民商弾圧事件」を東京都内で開きます。元査察官から見てもこの事件は異常であり、その本質が民商への弾圧であることを講演で明らかにしてもらいます。

栃木・今市(いまいち)事件 遺体に第三者のDNA 控訴審初公判 無実がより明らか  

東京高裁

 2005年に、栃木県今市市(現日光市)に住む小学校1年生の女児が刺殺体で発見された事件で、ウソの「自白」で犯人とされ一審・裁判員裁判で無期懲役判決を受けた勝又拓哉さんの控訴審初公判が10月18日、東京高裁(藤井敏明裁判長)で開かれました。弁護団と検察官による意見陳述の後、裁判所が6つの争点を提示。そのうち2つの争点について次回公判以降、弁護団、検察双方から請求があった4人の証人尋問をおこなうことを決定しました。

映像が心証に

 この事件では、取調べの録音・録画映像が自白の信用性を担保する実質証拠として判断された違法性が大きな争点となっています。
 意見陳述で弁護団は、捜査機関が140日間にわたって身柄拘束し、合計255時間におよぶ取調べをおこなったにもかかわらず、録音・録画したのは約80時間で、一審有罪判決の根拠とされた映像には、殺人容疑についての最初の取調べが録画されていないなど、捜査機関が都合の良いところだけを録画・録音したものと指摘。さらに、裁判員裁判で7時間にわたって録画映像を見せられれば、映像のインパクトを考えると過剰なほどに長いと指摘。裁判員が有罪心証を刷り込まれ、録音・録画が実質証拠として扱われた違法性を厳しく指摘しました。

DNA不検出

 勝又さんの「自白」によると、「被害者の陰部や胸を触った」「キスをしたり、陰茎を握らせ射精させた」と供述しています。ところが控訴審に向けた証拠開示により、DNA鑑定のデータからは勝又さんのDNA型が検出されていないことが判明しました。
 意見陳述で弁護団は、遺体に付着していた粘着テープに、検察が主張した捜査関係者のDNAとも違う「第三者のDNA型」が存在することが明らかになったと述べました。さらに、仮に「検出されたDNAは捜査官や鑑定技官のものだ」という検察の主張を受け入れたとしても、遺体に慎重に接しているはずの捜査官のDNAが検出されているのに、被害者に強く接触したとされる勝又さんのDNAが検出されないはずはなく、無実を示すものだと述べました。
 また、一審判決後に開示された被害者の遺体54カ所から採取しておこなわれたミトコンドリアDNA鑑定資料の再鑑定を依頼したところ、勝又さんのDNA型は検出されず、捜査関係者以外の第三者のDNA型が検出されたと指摘。第三者が真犯人である可能性があり、勝又さんの無実がいっそう明らかだと述べました。
 検察は、DNAが採取された粘着テープについて、捜査の過程で「複数の捜査員のDNAが混入した」として、「データを調べても犯人の特定は不可能」と、ずさんな捜査を反省もせず逆手に取り、弁護団の科学的な観点からの追及にまともな反論をすることができませんでした。

自白と不一致

 さらに弁護団は、控訴審に向けて行った独自の現場検証や新たに開示された捜査資料などから、「自白」の殺害態様と現場の血痕の量、被害者の遺体の創傷など客観的状況と一致しないとする法医学者の鑑定意見書をもとに一審判決の誤りを指摘しました。
 次回公判は10月30日。遺体や現場の状況と自白が矛盾するとの鑑定書を提出した法医学者の証人尋問がおこなわれます。
 この日は公判に先立ち、国民救援会栃木県本部、千葉県本部、東京都本部、勝又さんを守る会が勝又さんのお母さんと宣伝行動と慎重審理の要請行動をおこないました。

大阪・泉大津コンビニ窃盗国賠裁判  

大阪高裁
違法捜査を擁護
判決

 大阪・泉大津コンビニ窃盗国賠裁判で10月17日、大阪高裁はミュージシャンのSUN(サン)―DYU(デュー)さんの控訴を棄却する判決を言い渡しました。(山田陽三裁判長、種村好子裁判官、中尾彰裁判官)
 SUN―DYUさんは、2012年6月、コンビニ窃盗事件の犯人として起訴されましたが、公判途上で無実が明らかになり、無罪判決が確定。その後、警察(大阪府)、検察(国)を相手に、大阪地裁へ国家賠償請求訴訟を提訴しました。
 証拠とされた防犯カメラの映像が、犯行時のものではないことが明らかになり、さらにコンビニの扉に付着していたとされた指紋も、近所に住み何度もコンビニに出入りしている当人の指紋が付着していたとしても何ら不思議ではないものでした。それにもかかわらず、犯人性を推認できるとしたことは、明らかにずさんな捜査の結果でした。しかし、判決は「違法性はない」としました。さらに、アリバイを示すスマートフォンの映像や通話記録については、その存在を認めつつ「公訴提起後に判明した点を踏まえても……控訴人のアリバイは完全なものとは言えない」として事実調べもせず、控訴人に反論の機会も与えず、大阪高裁は警察・検察を擁護する判断をしました。
 SUN―DYUさんは、上告してたたかうことを決意しています。また、冤罪撲滅を願い、歌手として多くの人たちに自らの現状を伝えていきたいと、12月9日にライブを開催する予定です。詳しくは大阪府本部TEL06(6354)7215まで。

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