日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2017年11月15日号

2017年11月15日号  

1月12日判決、逆転無罪を 岡山・倉敷民商弾圧事件 禰屋(ねや)裁判 有罪証拠を批判する浅田意見書を採用 その他の証拠・証人は不当にも採用せず結審広島高裁岡山支部  

「私は無罪」―必ず3人の勝利を

 岡山・倉敷民商弾圧事件の禰屋町子さんの裁判で、一審判決(懲役2年・執行猶予4年)は不当だとして不服を申し立てた控訴審の第1回公判が10月27日、広島高裁岡山支部で開かれました。長井秀典裁判長は、有罪判決の証拠を批判した浅田和茂・立命館大学教授の意見書を採用するも、その他の証拠・証人は不当にも採用せず結審し、判決言い渡しを来年1月12日に指定しました。

3時間もの
力強い弁論

 弁護団は、いかに一審判決が不当で、禰屋さんが無罪であるかを、3時間にわたり力強く弁論しました。
 まず、一審判決の基礎となっている広島国税局・木嶋査察官の報告書を「鑑定書」として採用し、それを有罪の証拠とした点を批判しました。
 弁護団は、木嶋査察官はI建設を脱税容疑で告発した主体で、捜査機関そのものであり、その報告書は公平なものとは言えないと指摘。また、他の査察官の報告書などを狢弘き甅爐泙進垢瓩靴討い襪發里如一審が「鑑定書」として採用したことは誤りであると断じました。
 I建設の脱税については、弁護団が税理士の協力も得て検証した結果、「決算のやり方に間違い等はあったかも知れないが、脱税の意図はなかった」と指摘。また、禰屋さんはI建設の会計処理に関わっただけで、いっさい利益も得ていないなど、脱税の手助けはなかったことを明らかにしました。
 次に、税理士法違反について、禰屋さんは民商会員の会計書類の数字をパソコンに打ち込んだだけで、税務書類の作成にあたらないこと、禰屋さんの行為で民商会員の利益を何ら侵害していないことを指摘し、税理士法違反が成立する余地はないと弁論しました。
 くわえて、禰屋さんを428日間も身柄拘束するなど異常な捜査の実態を示し、今回の起訴の目的は倉敷民商への弾圧であると厳しく批判しました。
 弁護団につづき禰屋さんが陳述をおこない、「原審(一審)の不公平・不公正を正し、原判決を破棄していただきたい。私は、無罪です」と、訴えました。
 最後に、裁判所が、査察官報告書の証拠採用の誤りを明らかにした弁護団の浅田意見書を採用する一方で、他の証拠は不当にも採用せず、結審しました。

報告集会で
奮闘を誓う

 公判後の報告集会には、15都府県150人が参加しました。
 弁護団報告では、査察官報告書の問題点を明らかにする浅田意見書が採用されたことで、「無罪への足がかりとなった」「署名やハガキなどが力になった」との発言がされました。最後に全員で、逆転無罪めざし決意を固め合いました(写真)。
 倉敷民商弾圧事件の勝利をめざす全国連絡会は、弁護団の主張や浅田意見書を十分に検討し、無罪判決を出すように、新署名と新ハガキ運動、裁判官への要請書運動にとりくむことを呼びかけています。
〈無罪要請先〉〒700―0807 岡山市北区南方1―8―42 広島高裁岡山支部・長井秀典裁判長

栃木・今市(いまいち)事件 殺害状況、自白と矛盾 法医学者が「不合理」と指摘 東京高裁  

 今市事件の控訴審第2回公判が10月30日、東京高裁(藤井敏明裁判長)で開かれ、殺害現場や遺体の状況が被告人の「自白」と矛盾する点について、2人の法医学者への尋問がおこなわれました。
 勝又拓哉さんを有罪とした一審判決は、「被害者を林道に立たせ、右肩を押さえて胸などを6〜7秒で10回刺した」などとする、捜査段階での勝又さんのウソの「自白」を信用できるとしています。尋問で弁護側推薦の吉田謙一・東京医科大教授は、遺体の司法解剖結果の分析から、手足を縛られ立ったまま20キロ近い女児の右肩を左手だけで支えて刺したなどとする点は、「力学的にあり得ない」と指摘。また、肩をつかまれた圧迫痕がないことも不合理であると述べました。
 さらに、死体解剖の結果では被害者の体内から1リットル以上の大量出血をしているはずなのに、殺害現場とされる場所で検出された血液はわずかだったことや、推定されるナイフの長さからすれば、刺し傷の半分以上は背中に突き抜けるはずなのに、「背中まで突き抜けたのは一つしかなく、それもわずかに先端が出た程度であることから、被害者の背中の後ろ全面に固いものがあり、ナイフが突き出るのを防いだことを意味する。「自白」のように立った体勢の被害者を刺したのではなく、床にあおむけに横たわった体勢の被害者を刺したと考えるのが合理的であると証言。殺害現場が「自白」と矛盾することを浮き彫りにしました。
 一方、検察側証人の上村公一・東京医科歯科大教授は、「一瞬の出来事なので、被害者が立ったまま動かなかったことはあり得る」と反論。殺害現場とされる場所に血痕が少なかった点については、血液が胸腔内にたまり、遺体の移動中や死体解剖の際に流れたことも否定できないと、可能性を理由に吉田証言を否定しました。

「勝つまでたたかう」西山美香さんが決意 滋賀・湖東記念病院人工呼吸器事件  

 服役を終えた西山美香さんを囲むつどいが10月28日、彦根市内にて開かれ、120人が参加しました。西山さんは、恩師が支える会をつくってくれたこと、救援会の支援が得られたことがうれしく、また獄中で青木惠子(東住吉事件)さんと出会えたことがよかったと語り、今後ともご支援をお願いしますと力強くあいさつしました。
 なぜウソの自白をしたのかについては、刑事から人工呼吸器のアラームは「鳴っていただろう」と厳しく追及をうけていた別の看護師をかばうためだったと供述し、さらに自分の境遇を理解してくれた取調べ刑事の気を惹(ひ)くため「自分がチューブを抜いた」と供述してしまったと述べました。弁護団長の井戸弁護士は、この事件は元々チューブは外れてなくて、患者は病死したのであり、でっち上げられた事件であると説明しました。
 「これからどのような生き方を」との質問に西山さんは「祖母に大事にしてもらったので実務経験を積んで介護福祉士の資格をとりたいと思っている」と回答。
 年内に大阪高裁で再審可否決定が出る見通しです。
(県本部・川東繁治)

powered by Quick Homepage Maker 3.60
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional