日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2017年10月25日号

2017年10月25日号  

三重・名張毒ぶどう酒事件 無念の獄死2周年行動 奥西さんは無実、再審を 支援者250人が宣伝行動  

 三重・名張毒ぶどう酒事件の奥西勝さんが無念の獄死をしてから2年目にあたる10月4日、一日も早い再審・無罪を求めて、名古屋駅前の笹島交差点で宣伝行動がおこなわれ、全国から250人が参加し、市民に支援を訴えました。

重大な局面
切り開こう

 一昨年の11月、奥西さんの妹・岡美代子さんが遺志を継いで、再審を申し立てましたが、弁護団の要請にもかかわらず、名古屋高裁(山口裕之裁判長)は、裁判の進行協議(裁判所、弁護団、検察の三者による協議)もおこなわず、弁護団が提出した新証拠などの事実調べもおこなおうとしていません。逆に、岡さんに対し意見書を提出させ、いつでも決定の出せる状況を作り上げるなど、重大な局面にあります。
 このような裁判の状況を、大きな世論と運動で切り開こうと、奥西さんの命日にあたる10月4日に行動がおこなわれました。参加者は、交差点の4角にノボリや横断幕、パネルをかかえアピールをしながら、岡さんの訴え(別掲)のビラを入れたポケットティッシュ4000個を配布しました。帰宅の時間帯でもあり、多くの市民が行きかうなか、大きな注目を集めました。

名古屋高裁は
証拠を調べよ

 訴えでは、冒頭に、愛知県本部の渥美雅康会長が「裁判所はきちんと証拠を精査したうえで、再審開始決定をおこなうべきだ」とあいさつ。弁護団の中川亜美弁護士は「弁護団はぶどう酒瓶に巻かれた封(ふう)緘(かん)紙(し)の裏面に塗られていた糊の成分分析をおこない、本来塗られている糊以外の成分が検出された。何者かがぶどう酒に農薬を混入して、密栓し、封緘紙を2度貼りしたことを示すもので、奥西さんは犯人ではないとの明らかな証拠」と、市民に訴えました。国民救援会の鈴木猛事務局長、各地からの参加者が「裁判所は証拠をきちんと調べよ」など訴えました。最後に、奥西さんの元特別面会人・稲生昌三さんが「奥西さんが最後は声も出ず、水すらも口にできないなかで無念の獄死をしました。どんなに悔しかったことか。いまだ検察は多くの証拠を隠しています。裁判所は検察に証拠開示を命じるべきだ」と訴えました。

全国からの
支援強めよう

 岡さんも11月に88歳を迎えます。一日も早く再審開始、無罪を勝ちとるために、署名など急ぎ全国からの支援を集中してください。

〈要請先〉〒460―8503 名古屋市中区三の丸1―4―1 名古屋高裁刑事1部・山口裕之裁判長

新証拠を公正に審理し兄の無念晴らしてください  

奥西さんの妹 岡美代子さん

 無念な想いだったでしょう、兄・奥西勝が獄死して2年、わたしも同じ想いで9月5日、申立人としての「意見書」を、裁判所に出しました。「兄が犯人」ということはありえ無いと訴え、裁判所には弁護士さんが出して下さった新証拠を公正に審理し、早く、再審・無罪の決定を出して下さるよう願っています。どうか、決して「事件が暗闇のまま、葬られる」ことが無いよう、本当の裁判をして下さい。お願いします。
 兄の若いときの写真に毎日手を合わせ、名誉の回復を願い元気に暮らしています。11月10日には88歳となりますが身体に気ーつけ、えん罪が晴らされるまで頑張って生きぬきたいと思います。
 弁護団の方々と支援者の皆さんには、心よりお礼申し上げます。今後もご苦労をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。どうぞお助け下さい。お力添えをお願いいたします。(9月末、電話・代筆、稲生昌三)

鹿児島・大崎事件 怒り広げ再審無罪を 現地調査で運動強化を決意  

 79年の殺人死体遺棄事件で犯人とされた原口アヤ子さんと元夫が再審を求めている大崎事件で、10月14、15日、現地調査がおこなわれ、38人が参加しました。原口さんも1日目の学習会に車イスで参加し、元気な姿を見せました。
 参加者はマイクロバス2台で被害者が遺体で発見される前に自転車ごと側溝に転落したとされる現場で人形を使って再現実験をおこないました。竹藪と化した遺体発見現場跡では、参加者が「事件がなければ、今もここに原口さんたちが生活していたはず」と漏らし、冤罪のひどさを実感しました。
 2日目には支援活動の交流をおこない、今後の方針として、仝獣歪敢困侶莎弔鬚發辰萄枷十衢彑舛鬚垢襪海函↓年内5千人分の署名提出をめざすこと、11月に弁護団反論書の内容に沿う形で上申書ハガキ運動にとりくむこと、ぃ隠卸遒房児島県内で集会をおこなうこと、ズ匿崖始決定の学習会を各地で開くことが提起されました。参加者からは、「90歳となった原口さんの姿を見て、一日も早い再審無罪を勝ちとるために支援を広げたい」、「警察が初期捜査の段階で殺人事件と決めつけ、ボタンの掛け違いが始まった事に怒りを感じる」などの感想や決意が語られました。事件は6月に鹿児島地裁で再審開始決定が出されましたが、検察の即時抗告により、福岡高裁宮崎支部で審理中です。

東京・鈴村国賠訴訟 最高裁が不当決定 常識に反する判決を追認  

 東京・鈴村国賠訴訟に対し、最高裁第3小法廷(木内道祥(みちよし)裁判長)は9月5日付けで、原告の鈴村健二さん・章恵さん夫妻の上告を棄却・不受理とする不当決定を言い渡しました。
 鈴村国賠訴訟は、鈴村さん夫妻が、2004年10月、当時小学校1年生だった長女の幸子ちゃんが大型バイクに跳ねられて亡くなった交通事故死について、警察や検察の捜査の怠慢、鈴村さんへの虚言や威圧行為などの不当な捜査によって被害者遺族としての尊厳が侵害されたとして、検察・警察の責任を追及してきたものです。捜査機関が事件の「構図」を一度決めてしまうと、何がなんでもそれに見合う結論を得るため市民の人権を踏みにじるという点で冤罪事件と共通の問題があるとの観点から、2012年7月の提訴以来三多摩総支部も「青梅・鈴村国賠訴訟を支える会」に協力して支援をすすめてきました。
 東京地裁立川支部で行われた証人尋問では、事故現場に居合わせた3人の目撃者らが証言に立ち、「調書に書かれたバイクと少女の衝突地点は自分の言い分とは違う」、「自分は事故の瞬間を見てないのにあたかも見たかのように書かれた」などと実況見分調書や供述調書が捜査機関のストーリーにあわせて作られた「作文」であることが明白になりました。にもかかわらず、一審判決は「目撃者等は鈴村夫妻への同情心から証言を変えた可能性がある」などと何の根拠も示さず勝手な推論を述べて捜査機関を擁護し、二審判決もこれを追認しました。
 最高裁の棄却決定は、理不尽かつ市民常識に反する事実認定を是正するという最高裁の立場を投げ捨てたものです。「支える会」は10月24日に総会をもち、鈴村夫妻の労をねぎらい、運動を総括します。(三多摩総支部・生江尚司)

司法総行動2017権利守る司法へ 裁判所などに要請行動  

 国民の権利を守る司法の実現を目指して、2017年司法総行動が10月5日に都内でおこなわれ、東京地裁、最高裁前での宣伝や、関係する各省庁への要請行動を終日おこないました。主催は全労連、自由法曹団、国民救援会などによる実行委員会。
 法務省要請では参加者から共謀罪について「政府の説明は不十分」とする国民が8割のなか、採決を強行したものだなどと批判し、廃止を求めました。担当者からは、「組織的犯罪者集団が対象となるものであり、冤罪が増えるとか、自白強要、違法捜査が増えるなどの懸念は当たらない」などと述べました。
 また、最高裁は要請に対し、個々の事件は各裁判体で判断するものとして、具体的な要請については回答しませんでした。冤罪の原因を究明する第三者委員会の設置を求めたところ、「裁判官の独立」を保つ上で問題があるとして要求を受け入れませんでした。

福島・生業(なりわい)訴訟 福島地 原告住民勝訴  

国と東電の責任認める

 東京電力福島原発事故の放射能汚染により、生業や住む場所を奪われている住民(約4千人)が、国と東電に損害賠償を求めていた「生業を返せ、地域を返せ!福島原発訴訟」(原告団長・中島孝)で、10月10日、福島地裁(金澤秀樹裁判長)は、国と東電に事故の責任があると認め、総額5億円の賠償を命じました。一方、事故前の放射線量以下に戻す原状回復の請求は認めませんでした。
 判決を受けて原告団と弁護団は声明で、「憲法で保障された生命・健康そして生存の基盤としての財産と環境の価値を実現する司法の役割を果たすもの」と評価しています。
 救援会福島県本部の目黒幸子事務局長は、「同じ県内でも賠償を認めない地域があるなど、不十分な点は多いが、国の責任を認めたことは大きい」と評価。「原告には救援会員も多く、全国から多くの署名が届けられ、救援会の力を発揮して勝ちとれた判決だ」と話しています。

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