日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2017年1月25日号

2017年1月25日号  

国民の話し合い監視し弾圧する共謀罪 名称変え再来  

 犯罪の計画を話し合うだけで処罰する共謀罪新設法案(組織犯罪処罰法改正案)が、1月20日に招集される通常国会に上程される見通しが高くなっています。早急に署名を集中し、上程阻止と廃案へ向けた行動が必要です。

 安倍晋三首相が共謀罪新設法案を通常国会に提出すると表明しました。
 政府は爍横娃横闇の東京オリンピックに向けたテロ対策瓩鮓実に、共謀罪の名称を伏せ、「テロ等組織犯罪準備罪」などと言い換えていますが、安倍政権の悪政に反対する労働組合や市民運動の団体に対する弾圧法規となる危険性に変わりはありません。
 国民救援会中央本部では、ひきつづき「国会提出に反対する要請署名」を集中し、上程された場合は「廃案を求める署名」にとりくむよう全国の都道府県本部に呼びかけています。
 1月17日現在、集約された署名は1万6288人分となっています。中央本部は、1月19日に内閣府に赴き、安倍首相宛てに署名を提出します。

全国で様々な行動が

 共謀罪法案をつぶそうと、各地でとりくみが広がっています。

●新潟 署名目標達成

 新潟県本部では、全国に先駆けて会員数分の署名集約を突破しました。昨年の県本部大会で意思統一し、全会員に協力を呼びかけた成果が出ました。
 糸魚川支部では、会員に署名を渡して協力を要請。「署名用紙が足りない、もっとほしい」との要望も出るなか、支部構成員の倍の人数分の署名協力を得ました。
 支部事務局長の深澤修さんは、「国会の勢力図でいえば、上程されれば強行成立されかねない。その前に抑えたい」と危機感を強めています。

●福島 県議会に要請
 福島では、救援会福島県本部と県労連、自由法曹団支部の三団体が12月6日、法案の上程をしないよう安倍首相と衆参両院議長に求める請願を県議会議長あてに提出しました。2日には、救援会県本部の目黒幸子事務局長と県労連議長が、議会各会派を回って請願の趣旨説明と協力を要請しました。

●千葉 次々と学習会

 千葉では、昨年9月の中央三団体の首相申し入れ活動などを受け、県内の三団体に秘密法連絡会を含めた四団体で、共謀罪阻止千葉県連絡会(準備会)を結成。11月28日に自由法曹団の三澤麻衣子弁護士を招いて学習会(50人参加)をおこないました。県の自由法曹団は、「少人数でも講師をする。積極的に学習を」と呼びかけています。
 すでに野田支部(23人参加)、柏支部(43人)、松戸支部(35人)で学習会を成功させており、流山、船橋、銚子支部でも学習会の開催を予定しています。県本部では、各支部で積極的に学習会などの具体的活動をすることや、19日の署名提出行動に多数で出かけることを呼びかけています。話を聞いた副会長の古林昭七さんは次のように決意を述べました。
 「大分の別府警察の盗撮問題のように、共謀罪がなくても権力は違法な市民監視をすでに行っている。法案が通れば、これが一層ひどくなる。反民主的な法案を前に黙っていれば、後の世代から犁澑膕颪浪燭鬚靴討い伸瓩板謬擇気譴襦5澑膕颪梁減澎婬舛試されている。必死で闘いたい」

他団体との共同で運動がひろがる

 他団体との共同のとりくみが各地で広がっています。
 和歌山では12月12日、国民救援会和歌山県本部と治安維持法国賠同盟、自由法曹団、県地評、民商、新婦人、機関紙協会の7団体が呼びかけ、共謀罪の学習会を開催し、70人が参加しました。
 講師の自由法曹団・芝野友樹弁護士の話に、「罪を犯さない限り罰せられないという現行法の基本『内心の自由』に反することがよく分かった」、「警察の人権侵害行為に免罪符を与えるとんでもない悪法だ」などの感想が寄せられました。(通信=中北幸次)
   *  *
 愛知では東三河支部と昨年結成された豊川支部が主催し、東三河9条の会、豊川9条の会の共催で、1月22日に学習会を計画しています。奈良では県本部と自由法曹団、奈労連、共産党県委員会との共催で1月21日に学習会を予定。島根では、県本部と憲法改悪阻止島根県連絡会議と共催で1月21日に学習会を予定。岐阜では県本部と「秘密保護法撤廃岐阜県女性の会」との共催で2月25日に学習会を開催します。
 共謀罪の危険性が明らかになり、法案提出が現実味をおびる中、「上程させてはいけない」と危機感が広がり、他団体との協力が活発になっています。

大阪・東住吉冤罪事件国賠訴訟 違法捜査の責任追及 青木さん 「20年は戻らない」大阪地裁  

 2016年8月に再審無罪を勝ちとった大阪・東住吉冤罪事件の青木惠子さんが12月20日、国(検察)と大阪府(警察)を相手に国家賠償請求訴訟を大阪地裁に提訴しました。
 青木さんは暴行や誘導によって「自白」を強要した警察と、自白と出火原因の矛盾を精査せずに検察が起訴したことを違法として訴えています。記者会見での青木さんの発言を紹介します。

原因究明を 原告・青木惠子さん  

 無罪判決によって「娘殺しの母親」という汚名は一応は取れました。けれども警察も検察も謝罪をしていません。裁判所も20年もの間きちんと判断しなかったのに、謝罪の言葉はありません。
 何もやっていないのに当時8歳だった息子と引き離され、今度会ったらもう成人しているという状況です。息子の成長を見守ることができなかった。お金の問題ではなく、時間は戻ってこないことが、一番悔しいです。
 なぜ、火災が起こっただけで私は逮捕、起訴され裁判で負け続け20年間もの間、閉じ込められなければならなかったのか。捜査の誤り、取調べの違法性を明らかにしていきたいと思います。
東住吉冤罪事件1995年大阪市東住吉区の青木さんの長女(当時小学校6年)が自宅の火災で死亡した事故で、青木さんと内縁の夫・朴(ぼく)龍(たつ)晧(ひろ)さんによる保険金目当ての放火殺人事件として、無期懲役が確定した事件。
 確定した有罪判決では、「朴さんがガソリンをまいてライターで火を付けた」とする警察に強要されたウソの自白を信用できるとしました。ところが、弁護団が再審請求審でおこなった燃焼の再現実験により、ガソリンに引火すればたちまち炎が立ちのぼり、自白通りの犯行は不可能であることが明らかになりました。大阪地裁は2012年3月、朴さんの自白は信用性に欠けるとして再審開始と刑の執行停止を決定。15年10月、大阪高裁で検察の即時抗告が棄却され、刑の執行停止により、青木さん、朴さんが釈放。16年8月、2人の再審無罪判決が確定しました。

三重・名張毒ぶどう酒事件 奥西さんの再審を 高裁への署名3万3千超に  

 名張毒ぶどう酒事件の名古屋高裁、名古屋高検への要請行動が、12月13日におこなわれ、4都府県20人が参加しました。高裁に1899人分の署名を提出し、累計3万3773人分となりました。
 高裁では、「証拠を隠したままで、まともな審理がおこなえるのか」、「再審にも推定無罪原則が適用されるとした白鳥決定の精神はどこにいったのか」、「(再審を引き継いだ請求人で故奥西さんの妹)岡美代子さんもすでに87歳。ただちに再審開始をおこなえ」 などと、支援者が口々に要請しました。(県本部版より)

宮城・仙台北陵クリニック事件 高裁要請に23人 署名が6万6千超える 仙台高裁  

 仙台北陵クリニック事件全国連絡会は12月16日、仙台高裁に対して第19回目の再審開始を求める要請行動をおこないました。(神奈川、千葉、茨城、福島、岩手、青森、宮城、首都圏の会、守る会那須の23人が参加)
 今回の参加者で最高齢の「守る会那須」の森野明義さんは、「地裁、高裁での判決文は、とても納得のゆくものではありません。納得するためにも、弁護団が求める証拠開示命令を速やかに検察官に発してください」と語りました。
 守(もり)大助さんの母・祐子さんは、「嶋原裁判長は検察官の回答を鵜呑みにせず弁護団提出の鑑定書を真摯に受け止め、一日でも長く一緒に暮らしたい母親の願いをどうかお聞きください」と切々と訴えました。(県本部版より)

茨城・布川国賠 裁判報告集会 検察・警察の態度に怒り  

 12月24日、東京で40人を集めて、布川国賠裁判の報告集会がおこなわれました。裁判は、強盗殺人事件の犯人として桜井昌司さん、杉山卓男さん(故人)が犯人とされ、再審請求で11年に再審無罪を勝ちとり、桜井さんが警察や検察の違法な捜査の責任を追及し、茨城県(警察)と国(検察)を相手に国家賠償請求訴訟を提訴したものです。
 まず、谷萩陽一布川弁護団長により、国賠訴訟についての裁判所の判断とその基準がどうなっているのかについて解説がされ、上野格弁護士から、高裁での文書提出命令をめぐる即時抗告審の攻防についての解説がありました。地裁で文書提出命令が出た杉山さんの「自白」テープについては、送致記録の提出を求めるとともに、再審請求審になって提出された桜井さんの初期供述テープが出された経緯・その記録を追及することで、同様の取り扱いと思われる杉山さんのテープの存在を明らかにしようとしているそうです。
 桜井さんは、県警の偽証をすでに裁判所が認めていること、杉山テープの文書提出命令が出されたこと、裁判官の、「今でもその送致簿はあるのか」という質問に、検察はあるかどうか答えなかったが、いかに弱腰の裁判所でもこれを許すとは思えず、勝利を確信していると述べました。
 弁護団からは、堂々と不合理な主張をする検察・警察の態度を改めさせるには、アメリカの州で実例があるように、無罪方向の証拠を隠す検察官を罰するしかないのではないか、との指摘も出て、検察・警察の傲慢不遜な態度、裁判所の甘い姿勢に対して怒りがあふれる集会となりました。

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