日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2017年1月15日号

2017年1月15日号  

共謀罪 危険性知らせ署名を急いで  

安倍政権は治安維持法の再来である「共謀罪」を通常国会で提出しようとしています。「共謀罪」は、犯罪を実行していなくても、犯罪について話し合い、合意したことを罰するという危険なものです。「共謀罪」が成立すれば、話し合いの内容を捜査するため、国民の会話や電話、メールなど日常のコミュニケーションが監視されることになります。
 法案を国会に提出させないため、各地で「反対署名」がすすめられています。署名の到達は1万1、084人分(1月6日現在)です。署名は1月19日に、安倍首相あてに提出します。18日必着で中央本部まで送ってください。

東京・葛飾支部 救援会の役割発揮し宣伝  

 葛飾支部は12月23日、JR亀有駅前で共謀罪創設に反対する宣伝を17人でおこないました。
 支部では定期的に宣伝をおこなっていますが、「共謀罪」が国会提出されようという危険な状況に、急いで世論を広げようと役員会で話し合い、この日の行動となりました。
 大勢でにぎやかに宣伝したこともあり、強風のなかでしたが、ビラ150枚を配布、署名14人分の協力を得ることができました。
 小松伸哉事務局長は、「街頭で『犯罪について話し合い、合意したことが処罰されます』と訴えるだけでは、危険性の本質は伝わりにくく、市民が『犯罪を未然に防ぐのは必要ではないか』ととらえている雰囲気も感じました。一般市民に、自分にも関係のあることとして説得力のある話をして、関心を持ってもらうように、宣伝に工夫が必要だと感じました」と話し、「共謀罪反対の運動こそ、戦前からの弾圧とたたかってきた国民救援会の役割を発揮する分野。頑張りたい」と意気込みを語りました。
 支部では2月14日に学習会も計画し、地域の団体を対象にした出前講座なども予定しています。

静岡・袴田事件 警察の犯罪明らか 弁護団 再審請求の理由を追加 東京高裁  

 強盗殺人・放火事件の犯人として袴田巖さんの死刑が確定し、第2次再審請求審で2014年3月に再審開始と刑の執行停止がされた静岡・袴田事件。検察の抵抗により、再審開始決定が出されてから3年がたとうというのにいまだに東京高裁に即時抗告審が係属しており、袴田さんは死刑囚のままです。
 弁護団は12月21日、東京高裁に対して、「捜査や裁判段階で警察官による犯罪があった」として、刑訴法435条の7号(※注)を理由とした再審請求の理由の追加申立をおこないました。
 昨年1月に再三に渡って開示請求をしていた取調べ録音テープ23本が開示され、弁護団は、その解析と内容を検討してきました。その結果、録音テープには警察官の違法捜査のリアルな実態や警察官が裁判で虚偽の証言をおこなっていた事実があることが確認されました。
 具体的には、袴田さんは、「自白」は取調室に便器を持ち込むなど、長時間にわたる自白強要のひどい取調べによって強制されたものであると裁判で一貫して強く主張してきました。これに対して警察官は、「取調室の外
に報道陣が大勢いたので、便器は袴田さんの希望で持ち込んだものだ」と、証言していました。
 ところが、即時抗告審で開示された録音テープには、便器の持ち込みが袴田さんの希望ではなく、取調官の「便器をもらってきて、ここでやらせればいいから」という主任の取調官の声に続き、「そこでやりなさい」と袴田さんに促す言動、そして「出なくなっちゃった」という袴田さんの声、実際に用を足す水の音も確認できると、弁護団は述べています。
 これは、明らかに特別公務員暴行陵虐罪にあたり、法廷での証言は偽証罪にあたります。また、弁護士との接見を録音していた事実も判明しました。これは公務員職権濫用罪にあたります。
 注‥再審請求の理由 刑訴法435条7号では、警察官の「職務に関する罪」にあたる行為があった場合を再審の理由として認めています。
(関連記事3面)

東京・鈴村国賠訴訟 裁判所が検察を擁護 鈴村さん夫妻 「上告したたかう」 東京高裁  

 東京・鈴村国賠訴訟に対し、東京高裁(裁判長・中西茂、裁判官・畠山新、鈴木昭洋)は12月15日、原告の鈴村健二さん、章恵さん夫妻の請求を棄却する不当判決を言い渡しました。
 裁判は2004年、当時7歳だった長女を交通事故で亡くした鈴村夫妻が、警察、検察のずさんな捜査の果てに、被害者遺族であるにもかかわらず、捜査内容について虚偽を述べられたり、威圧されたりなど、被害者としての尊厳を不当に傷つけられたとして、国(検察)と東京都(警察)に対し国家賠償請求訴訟を訴えているものです。一審の東京地裁は、鈴村さん夫妻の請求を棄却したため、東京高裁に控訴していました。
 控訴審では、健二さんが警察、検察との実際の会話のやりとりの音声記録とその反訳を証拠として提出しました。これについて控訴審判決では、不当にも国、都の主張を安易に認めた一審判決をより補強する材料としてこれを採用しています。鈴村さんが検察官に提出した事故現場の状況を撮影した画像を収めたフロッピーディスクではなく、全く別のディスクが不起訴通知とともに送られてきたことについて、鈴村さんが検察に提出した記録には、「ディスクを送った」という記載がないなどとして、「鈴村さんがフロッピーディスクを送ったかどうか疑わしい」と、鈴村さんの主張を真っ向から否定し、検察を擁護する内容になっています。そして、請求はいずれも理由がないとして退けました。
 報告集会で健二さんは、「一審判決をなぞった判決を受け、検察、警察に加え、裁判所まで国民を苦しめるのかと憂(うれ)いさえ覚える。このままでは納得などできるはずがない」と述べ、いっそうの支援を訴えました。鈴村さん夫妻は最高裁へ上告しました。
 当日は裁判所前で、1時間の宣伝行動をおこない、35人の支援者が判決を傍聴。25人が判決報告集会に参加し、不当判決に怒りの声をあげました。

〈抗議先〉〒100―0013 千代田区霞が関1―1―4 東京高裁第21民事部 中西茂 裁判長
〈激励先〉〒198―0036 青梅市河辺町9―3―14 多摩西部民商気付 青梅・鈴村国賠訴訟を支える会

静岡・袴田事件 外部の監視不可欠 検察の証拠隠しに反論 東京高裁  

 再審を求めている静岡・袴田事件で12月27日、裁判所、弁護団、検察官との三者協議が東京高裁(大島隆明裁判長)でおこなわれました。
 弁護団の記者会見によれば、大島裁判長は、前回(11月7日)の「本実験に着手した」との発言を撤回し、鑑定人から電話で「予備実験を繰り返しおこなっている」との連絡を受けたと述べ、検証実験が全く進展していないことが明らかになりました。弁護団は、検証実験は原決定を判断するうえで無意味な実験であり、これ以上、見通しのない検証実験は裁判所としても取りやめてもらいたいと主張。少なくとも、現状の報告と鑑定期限を決定すべきと迫りました。
 これに対して、大島裁判長は「鑑定人からもう少し時間をいただきたいと言われている。期限を今の段階で申し上げるわけにはいかない」と述べるにとどまりました。また、弁護団が即時抗告で開示された録音テープを分析し、警察の捜査で職務犯罪を理由とした再審請求の追加申立(1面記事参照)について、検察から反論意見書を提出するという発言があったことが報告されました。また、検察が「弁護団が開示された証拠をマスコミなどに明らかにしていることは、証拠の目的外使用にあたる」として、弁護団が求めている証拠開示請求の申立を拒否する理由にもしています。さらに検察は、三者協議の内容を会見で明らかにしていることなども批判し、裁判所も検察の意見に引きずられています。
 弁護団は、これまでも「正当な弁護活動である」と反論していましたが、12月26日付で改めて「反論意見書」を提出しました。「反論意見書」では、「憲法が保障する公平な裁判所による公正な裁判を実現するためには、手続が外部から全く分からない状態であることは絶対にあってはならず社会による監視は不可欠であり、再審請求審も例外ではない。したがって、再審請求審における審理内容は可能な限り広く一般に公開されるべき情報であり、それによって社会による監視が可能となり裁判の公正が実現するのである」。さらに、「刑訴法上、再審請求審(即時抗告審等の上訴審を含む)における審理を非公開にすべき旨の規定は存在せず、再審請求審における審理を公開でおこなうことは法的に認められている」などと反論しています。

富山・城南交通不当解雇事件 解雇は無効の原告勝訴判決  

 富山地裁は11月30日、城南交通不当解雇事件に対し、原告の請求を認め、解雇は無効とする判決を言い渡しました。
 事件は、1人の社員が会社による給料天引きについて労働基準監督署に是正を求めたところ、会社が一方的に解雇したもので、他の2人の社員も労働組合を結成したところ、2人とも解雇されたため、提訴していたものです。
 判決では、会社の解雇理由は合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められず、解雇は報復目的でされたことが強く疑われるとして、無効としました。
 会社は不当にも、高裁へ控訴しました。(富山支部版より)

岡山・倉敷民商弾圧事件(小原・須増裁判)最高裁へ要請行動 署名5万を超える  

 12月16日、倉敷民商弾圧事件(小原・須増裁判)の最高裁要請行動がおこなわれました。この日は同じく最高裁に係属している大阪市労組事務所明け渡し裁判の行動日と重なり、最高裁前には多くの人が集まり、にぎやかな宣伝となりました。交代で宣伝カーから訴え、ビラを配布しました。
 要請で、税理士法違反として有罪(懲役10月、未決勾留日数中100日算入、執行猶予3年)とされている須増和悦さんは、次のように訴えました。
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 私は、「他人の求めに応じて、申告書を作成した」として、税理士法違反とされました。しかし、私たち民商事務局員と民商会員とは、単なる「他人」とは言えないと思います。
 私たちは全商連の基本方針を学習をする中で、事務局員と会員は運動の両輪であり、会員を顧客としてみることはできないと教わりました。事務局員は、会員共通の事務員としての性格も有していることを学んできました。事務局員と会員との関係性を「他人」と断定することは、実態に即していません。口頭弁論を開き、私たちの意見を聞いてください。

 この日提出した署名は、個人5933人、団体279団体。累計で個人5万702人、団体568団体となりました。また、「裁判官への手紙」は、38通提出しました。次回の最高裁要請は1月27日です。

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