日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2016年9月25日号

2016年9月25日号  

県警による街宣妨害事件 弁護士会が勧告 無限定に規制する「細則」改正を 群馬  

 労働組合や民主団体などの宣伝行動に対し、群馬県警が度重なる干渉と中止を求めてきた問題で、群馬県弁護士会は、9月6日、県公安委員会に対して勧告を出し、一般交通に支障がない宣伝行動も規制対象とした群馬県道路交通法施行細則(以下「細則」)は、道交法が認めている規則の裁量の範囲を超えているとして、細則の改正を求めました。
 群馬県警は2012年4月以降、宣伝カーの道路使用許可申請について、「走行宣伝」と「停止宣伝」に分けて許可申請を求めるようになりました。これに対して国民救援会群馬県本部や群馬県労会議、自由法曹団群馬支部などが「街頭宣伝の自由を守る群馬の会」を結成して申し入れや宣伝行動をおこなうなどして改善を求め、群馬弁護士会に人権救済申し立てをおこなっていました。ところが県警は態度を変えようとせず、13年8月には、県庁前で同会が「街頭宣伝の自由を守ろう」と宣伝していたところ、12人の警察官が周囲を包囲して中止を強要。無断で宣伝行動参加者を撮影するなどの妨害をおこないました。その後の宣伝行動にもたびたび干渉して中止を求めてきました。
 勧告は、道路交通法の趣旨や憲法の表現の自由の保障に鑑みて、「細則」に「一般交通に著しい影響を及ぼすような」という限定を加えるなどの改正をおこない、道路使用許可が必要な宣伝行為は、法の趣旨・目的の達成に必要最低限のものに限定することを求めました。また、改正がおこなわれるまでの間、許可を求める行為を一般交通に著しい影響を及ぼすものに限定し、中止や禁止などの制限を慎むよう求めています。
 同会は声明を発表し、「改憲の動きが強められているもと、国民誰もができる意見表明の手段としての街頭宣伝の自由を守り、豊かにすることが重要」と強調し、「憲法に保障された街頭宣伝の自由を守るとりくみをいっそう前進させる」と決意を述べています。

東京・築地署公務執行妨害でっち上げ事件国賠 控訴審が結審 東京高裁 判決は11月1日  

 2007年に築地市場前の道路上で、女性警官の不当な駐車違反の取締りに反論した二本松進さんが、公務執行妨害と傷害で逮捕・勾留され不起訴になった事件で、「暴行を受けた」とウソをついた警官や、調書を捏(ねつ)造して事件をでっち上げた警察、検察の責任を追及している国賠裁判の控訴審第2回口頭弁論が9月6日、東京高裁(柴田寛之裁判長)で開かれました。
 冒頭、二本松さんの妻・月恵さんの意見陳述がおこなわれ、「この事件・裁判は、私たちの人生に取り返しのつかない被害を、心身だけでなく経済的にも、時間的にも与えている」と述べ、進さんが逮捕・勾留されたことへの不安、体調の変化、警察・検察が一体となって事件を捏造し、証人供述書の偽造、証言のすり替え等をおこなったことを厳しく指摘し、日常生活が完全に破壊されたこと等を切実に訴えました。
 その後、原告、被告双方から提出された証書の取り扱いと、証人尋問についてはおこなわないことが決定されました。これらのやり取りの後、裁判長は「判決言い渡しは11月1日、午後1時半」と宣言し、結審となりました。報告集会で弁護団は、「裁判官の交代もあり、本来、弁論手続きをおこなうことになるが、それを省き、月恵さんの意見陳述を入れてもらった。原告側証人の小川さん(目撃者)の陳述書も生きることになる。月恵さんは本人ではないが苦労しており、損害賠償を認めさせたい」と報告しました。
 二本松進さんと月恵さんは、「傍聴に感謝します。理を尽くしてたたかってきた。最後までご支援を」と訴えました。
(東京都本部版より)

クローズアップ新証拠 事件から55年目の新鑑定 三重・名張事件 二度貼りの封緘(ふうかん)紙  

 「奥西勝さんを犯人とする」とした判決の根拠が崩れています。
 1961年、宴会で出されたぶどう酒に農薬を混ぜ、5人を殺害したとして死刑判決を受けた奥西さん(昨年89歳で死去)の再審を求めている名張事件。弁護団の新証拠により、奥西さん以外の誰かが毒物を混入した可能性が出ています。

貼り直し偽装
 確定(有罪)判決は、毒物が混入されたのは宴会が開かれた公民館の囲炉裏(いろり)の間だと認定しました。根拠は奥西さんの「自白」に依拠しています。奥西さんは「自白」で、公民館の囲炉裏の前で、ぶどう酒の王冠を火ばさみで突き上げて取り、ビンに農薬を入れたとしました。その際、「王冠に巻いてあった巻紙(封緘紙)も一緒に切れてその場に落ちた」、「巻紙がどこに落ちたのか思い出せない」としています。毒を混入したあとは、「金蓋だけ元の様にはめ、包装紙で包んで酒ビンと並べて置いた」として、封緘紙に言及していません。
 ところが、弁護団が5月に提出した封緘紙の鑑定で、封緘紙が一度剥がされ、再び貼り直されていた事実が明らかになったのです。鑑定書によると、封緘紙の裏面を赤外線分析したところ、製造時に使われた「CMC糊」の他に、洗濯糊などに使用される「PVA糊」も付着していたことが分かりました。封緘紙は一度剥がされ、再び糊で貼り直されていたのです。つまり、誰かが別の場所で毒を入れ、未開栓のように偽装した可能性があるのです。

「自白」に矛盾
 さらに、ビンが開栓されたのが公民館だと特定できない以上、「公民館内に約10分間一人でいた奥西にしか犯行の機会はない」とした裁判所の認定は崩れ、他の者にも犯行の機会があったことになります。鑑定により、有罪判決の要の証拠となった「自白」には矛盾が生じ、信用性は失われます。刑事裁判の鉄則である「疑わしきは被告人(再審請求人も含む)の利益に」に照らせば、奥西さんを犯人とすることはできず、再審が必要なことは明白です。
 ところが弁護団が鑑定書を提出して以降、検察は沈黙を続け、三者協議の見通しも立っていません。弁護団は、新証拠について真摯な検討をするよう裁判所に求めています。
〈要請先〉〒460―8503 名古屋市中区三の丸1―4―1 名古屋高裁・山口裕之裁判長

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