日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2016年7月5日号

2016年7月5日号  

倉敷民商弾圧事件 検察の筋書き崩壊 禰屋裁判 証拠との矛盾が次々と岡山地裁  

 倉敷民商弾圧事件(禰屋(ねや)裁判)の第18回公判が6月15日、岡山地裁で開かれ、禰屋町子さんの3回目の被告人質問がおこなわれました。
 検察が主張する禰屋さんの脱税ほう助は、I建設の経理担当者が「売上額を前年度並みの5億円に調整してほしい」と頼んだというものでした。ところが、弁護団の要求で検察が開示したI建設の決算書によれば、前年度の3月期決算における売上高は7億円、前々年度の決算における売上高は6億円となっています。そうすると、「前年度並みの5億円」の売上高は、現実に存在しなかったものとなり、脱税ほう助の依頼があったか否かの問題を超え、虚構のでっち上げだったことになります。
 また、検察主張は、禰屋さんの脱税ほう助を「推認」させる中核的根拠として、禰屋さんの筆跡による振替伝票の起票をあげています。ところが、検察が開示したI建設の会計書類では、振替伝票の記載の筆跡は全て同じで、禰屋さんのものではありませんでした。禰屋さんは、公判で振替伝票綴りを具体的に示してそのことを指摘しました。
 次回公判(6月28日)も禰屋さんの証言は続行されます。

東京・鈴村国賠訴訟 控訴審がはじまる 「全力で当たりたい」鈴村さん決意 東京高裁  

 2004年、当時7歳だった鈴村幸子さんが大型バイクに衝突され亡くなった事故で、事故を幸子さんの飛び出しと決めつけて初動捜査を誤り、事実を隠蔽(いんぺい)しようとしたり、両親の健二さんと章恵さんに虚言、威圧行為をおこなった警察(東京都)・検察(国)の責任を追及している鈴村国賠訴訟。一審の敗訴判決に控訴し、第1回口頭弁論が6月2日、東京高裁(中西茂裁判長)で開かれました。提出書面や証拠調べ請求の確認がおこなわれ、次回弁論の日程が7月26日に決まりました。
 この日までに原告(鈴村さん)側は、準備書面3点と事故の目撃者3人の陳述書、捜査を担当した交通捜査課長らと原告の会話記録反訳などを提出していました。裁判長は、都に対し「反論はしないのか」と確認。都が原審主張の繰り返しで反論は不要だと述べると、「新たな主張が出ている。繰り返しではない」と告げて再検討を促しました。また、原告側が求めた目撃者3人の証人尋問についても、採否の決定を留保しました。
 「数分間のやりとり、示唆に富む時間だった」――裁判後の報告集会で弁護団の長尾宜行弁護士は、10分足らずで終わった裁判でしたがそう評価しました。長尾弁護士は、「通常、被控訴人(国・都)に対して裁判所が積極的に主張を求めることはない。また、一審で証言した証人に控訴審で再び尋問することも通常はしない。証人尋問の採否を即断せず次回以降にしたのは、双方の意見を聞いて審理をどう進めるか考える構えだろう」と話しました。
 健二さんは、「裁判所の前に来たら、救援会の方々が拡声器で訴えてくれていて心強く思った。閉ざされた裁判所に風穴を空けるため全力で当たりたい」と決意を述べました。

布川事件 無罪5周年記念集会 運動の意義確認  

 茨城・布川事件の無罪判決5周年記念集会が、5月28日、東京・青山学院大学で70人の参加で開かれました。
 杉山卓男さんをはじめ布川事件に関わり、この5年間に亡くなった方々へ黙とう。国民救援会中央本部の鈴木猛事務局長が祝辞で、「無罪確定後の記念集会は、『なつかしい、よかった』というのが普通だが、闘いの中にある5周年。桜井さんが冤罪被害者の先頭に立って刑訴法改悪の反対運動をしたことで検察・警察が冤罪を反省していないことも明らかになった。桜井さんの運動の意義をあらためて確認している」と述べました。
 再審弁護団の元事務局長・山本裕夫弁護士が講演し、供述証拠のみで有罪とされた事件で証拠開示をさせ、総合評価で再審無罪を勝ちとり最高裁の判断も経た意義を強調。また、再審は裁判官をその気にさせることが重要で、国民の関心を呼び起こす運動が不可欠だとし、真実は勝つとの信念で頑張ろうと結びました。
 祝賀会は、なつかしい思い出話に花が咲き、楽しいひと時を過ごしました。(山川清子)

埼玉・私教連・正智深谷高校講師偽装請負事件 和解、喜びの報告集会 小島さん「困った人応援したい」  

 社会科講師の小島香さんが一方的に雇用契約を打ち切られた正智深谷高校講師偽装請負事件の和解成立を受けて6月3日、深谷市内で報告集会がおこなわれました。
 小島さんを職場復帰させることはできませんでしたが、学園と小島さんを派遣していた派遣会社双方に和解金を支払わせ、解雇した校長は「途中退任」となりました。
 代理人の山崎弁護士は「派遣法改正で派遣期間の制限をなくされたが、これを破るのは『世論と運動』。本件の和解解決がいつしか実を結び、労働運動史に残ることを期待している」と発言。正智深谷高校教職員組合の西谷書記長は、「和解ではより良い教育の提供のため、労使が一致団結することを確認した。排除されていた組合員が教務主任に付くなどの動きも出てきた」と報告しました。
 小島さんは現在、埼労連青年委員会の委員長として活動し、新たな職場で働き出しました。「たくさんの温かいご支援、ありがとうございました。今度は私が困った人を支援したい」と語り、花束と寄せ書きが贈られました。(横田正利)

富山・富山セントラルユニオン不当雇い止め事件 原告、職員の地位確認 被告が控訴せず勝利判決が確定  

 滑川(なめかわ)市文化・スポーツ振興財団に嘱託職員2人が雇い止めされ無効だと訴えていた富山セントラルユニオン不当雇い止め事件で、6月1日、富山地裁で、原告らが職員としての地位を有することの確認と賃金の支払いを命じる判決が出されました。財団は控訴せず、判決が確定しました。
 財団は当初、財団が指定管理者から外れることを理由に雇い止めを通告しました。その後、指定管理者として正式に指定されますが、それにもかかわらず雇い止めをおこなったため、原告が地位確認と賃金の支払いを求めて提訴しました。
 財団側は、「財団には市の資金が入っており、『準公的機関』に当たる。有期契約職員が徒(いたずら)に更新を繰り返し、実質的に無期契約とする労働慣行を改めるべき」などと主張していましたが、判決は財団側の主張をほぼすべて退けました。

愛媛・旧砂田工業解雇撤回闘争 偽装廃業・解雇を断罪 労働紛争逃れの会社設立は違法  

 今治市の造船所の下請け会社・砂田工業が会社を廃業し、同族が代表の新会社を設立して原告3人以外の全労働者を継続雇用したことについて、偽装閉社による解雇として労働者としての地位確認を求めて提訴した裁判で6月7日、松山地裁今治支部(古市文孝裁判官)は、3人の新会社の従業員としての地位を認め、未払いの給料を支払うことを命じる判決を出しました。
 判決によれば、新会社は旧砂田工業の社長の親族などが役員となって設立したもので、砂田工業の人的・物的資源を引き継いでいることなどから、債務逃れや労働紛争回避の違法な目的で設立されたものと認定し、原告の訴えを認めました。

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