日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2016年7月25日号

2016年7月25日号  

袴田事件 元警官の尋問留保 証人採用を先延ばし 東京高裁  

 1966年に起きた殺人事件の犯人とされた袴田巖さんの再審開始決定に対し、検察が異議を唱えている袴田事件で、7月8日、東京高裁(大島隆明裁判長)で三者協議がおこなわれ、弁護団が証人申請していた元警察官2人について裁判長は、「現時点では職権を発動しない」と証人採用を先延ばしする決定をしました。同時に、検察側が求めていたDNA鑑定などに関連した事実調べについても同様の判断を示しました。なお、DNA鑑定の検証実験の進捗状況については、何ら具体的な進展は説明がありませんでした。
 弁護団が証人申請した元警察官とは、一人は事件直後に味噌工場のタンクをはじめ最初の家宅捜索に参加した警察官で、もう一人の元警察官は、5点の衣類が発見された直後、袴田さんの実家の家宅捜索に参加し、犯行時に着ていたとされる5点の衣類のズボンの端布(共切れ)を発見した警察官です。衣類の発見経過に不自然な部分があることから、2人の元警察官の証人尋問が実現されれば、警察の証拠ねつ造の実態がなお一層明らかにされるはずでした。
 会見で西嶋勝彦弁護団長は、「裁判所は現時点では職権発動はしない(証人採用はしない)との判断を示した。非常に残念だ」と述べました。また、この日の協議で弁護団は、即時抗告審で開示された袴田さんの取調べ録音テープの検証申立てをおこなったことと、検察が持っている証拠リスト開示をするよう証拠開示請求を再度おこなったことも明らかにしました。これは、さきの国会で成立した刑事訴訟法の「改正」で、検察の手持ち証拠のリスト開示がおこなわれることから、法改正の趣旨を生かして、施行を待たずに袴田事件でも開示をおこなうよう求めたものです。
 一方、この日の三者協議にあわせて「袴田巖さんの一日も早い再審無罪を求める実行委員会」は、裁判所前で宣伝行動をし、元警察官の証人採用の実現と新たな警察の証拠のねつ造問題を告発し、検察の即時抗告を直ちに棄却するように訴えました。その後、東京高裁と東京高検に要請行動をしました。

東京・築地署公務執行妨害デッチ上げ事件国賠 「違法捜査放置できぬ」 控訴審はじまる 二本松さん陳述 東京高裁  

 女性警官の不当な駐車違反の取締りに反論したところ、二本松進さんが公務執行妨害と傷害で逮捕された事件の責任を追及している国賠裁判の控訴審第1回口頭弁論が6月30日、東京高裁(柴田寛之裁判長)で開かれました。この裁判は、原告、被告の双方が地裁判決を不服として控訴しているものです。
 原告弁護団の今泉義竜弁護士は、「二本松さんの暴力行為が否定された地裁判決は高く評価するものの、担当検察官(五島真希検事)は、漫然と二本松さんを勾留し、二人の婦警だけでなく、築地署が一体となって事件をでっち上げたことについては何ら言及していない。妻の月恵さんに対する損害賠償もない。被告・東京都の弁解は通用せず控訴理由はない」と陳述しました。
 二本松さんは、「一審は、築地署と東京地検もかかわった事件全体のねつ造に目が届かず、トカゲのしっぽ切りになっている。被告らは重大な証拠文書の提出も拒み、さらに築地署、東京地検作成文書の明白な相互矛盾などを修正し、女性警官らの偽証を教唆した。警察・検察の独占的捜査権を違法に行使する犯罪は放置できない」などと陳述しました。
 このあと裁判長は、原告が要請している証人のうち、小川誠一さん(築地で事件を目撃していた第三者)の証人申請の趣旨を確認しました。
 被告側の準備書面が7月中に出されることとなり、次回弁論は9月6日におこなわれます。(都本部版より)

愛知・新日鉄住金人権裁判 最高裁が不当決定 今後は運動で闘い継続  

 新日鉄住金での人権侵害を訴え、最高裁で闘っていた二つの裁判で、6月に相次いで上告不受理の不当決定が出されました。
 決定が出たのは、労働災害で受傷した鳴海顯さんが、昇格試験も受けられず賃金差別を受けたとして提訴していた新日鉄鳴海裁判(6月10日決定)と、日本共産党などの活動をしたとして、昇給・昇格差別を受けた手塚治男さんが起こした新日鉄手塚裁判(6月7日決定)です。どちらの裁判も一、二審で不当判決を受け、最高裁に上告して闘っていました。
 愛知争議団事務局長の植木日出男さんは、「会社側の主張を鵜呑みにした不当な決定です。今後のたたかいについては、支援する会で検討をすすめますが、運動によって闘いを継続します。特に障害者差別は社会的な運動にして会社側の責任追及をしたいと思います」と話しています。

袴田事件 大阪の会 「元気なうちに再審を」  

 7月8日の要請行動で提出された署名は1591人分。その4割近くは「袴田巌さんの再審無罪を勝ちとる大阪の会」が集約しました。
 「検察の抵抗で再審裁判が始まらない。時間はかかると思うが、袴田さんの再審無罪をやり遂げたい」と話すのは大阪の会の会長・北田一さん。西日本に袴田事件の支援組織がないことに歯痒さを感じ、大阪府内の救援会員の協力や西日本ボクシング協会の応援を受け、4月に大阪の会が発足しました(写真)。署名・宣伝活動のほか、救援会の支部大会2カ所、支部の学習会2カ所で訴えをおこないました。「無罪になってよかったね」と言われるたび、「そやない、死刑囚のままや。これから裁判して無罪を取らなあかんのや」と訴えて支援者を広げました。結成時28人だった会員は2カ月で92人に。
 「袴田さんの命を削るような検察の時間稼ぎには黙っていられない。元気なうちに、再審無罪を取らせてあげたい。それが私たちの思いです」と、北田さんが力を込めました。

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