日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2016年5月25日号

2016年5月25日号  

盗聴法改悪 成立阻止へ奮闘 問題点解明せず採決へ 政府与党 冤罪の実態直視せず 参院法務委  

 盗聴法の改悪を含む刑事訴訟法の改悪案が山場を迎えています。5月17日現在、参院法務委員会では強行採決を許さず審議が継続していますが、与党は19日に採決を強行する構えです。国民救援会は、全国から議員へのファックス要請や、首都圏の会員に国会傍聴行動を呼びかけ、徹底審議を求めてたたかっています。

 参院法務委員会の審議が進むにつれ、法案の問題点がいっそう明らかになっています。
 法務省や警察庁は質疑の中で、警察が盗聴捜査の対象とするのは組織犯罪のみだと主張しています。しかし、条文上にその根拠はありません。「市民団体が盗聴対象になったり、犯罪と無関係の情報を収集される危険性があるのではないか」――5月10日の審議で共産党の仁比聡平議員が指摘すると、法務大臣は「傍受令状の請求には裁判所の厳格な令状審査がある」と繰り返し述べて逃げるのみでした。
 また、犯罪に関係のない情報が警察に蓄積されるのではないかとする指摘に、警察庁の刑事局長は、「違法捜査をした警官は懲戒処分を受ける」と答弁。仁比議員は、「では、違法捜査で過去に何人の警官が処分されたのか。国公法弾圧堀越事件では、警察が10カ月にわたり堀越さんを尾行・盗撮する卑劣な捜査をした」と追及すると、河野太郎国家公安委員長は、「(堀越事件は)判決で無罪となったが、警察の捜査が違法だと判断されたものではない」と開き直り、警察自身に違法捜査を制御する機能がないことを露呈しました。
 冤罪を防ぐどころか、冤罪をつくりあげた警察や検察の権限を強くする盗聴法・刑訴法改悪の廃案を求め最後まで奮闘しましょう。

主権者の政治活動保障を 選挙運動の権利を守る共同センターが警察などへ要請  

 選挙運動の権利を守る共同センター(全労連、自由法曹団、日本国民救援会で構成)は5月10日、参院選にむけて関係省庁へ申し入れをおこないました。
 文部科学省=同省は7月の参院選から実施される18歳選挙権の実施にともない、生徒の政治活動等について、学校長が必要かつ合理的な範囲だと認めれば制約することができるとする通知(「10・29通知」)を出しています。要請では、政治活動を学校へ事前届け出制とする高校が出ていることなどをあげ、高校生の政治活動の自由を制限するような通知は言論・表現の自由を不当に制限しているとして、撤回するよう求めました。同省の担当者は、通知は教育指導の一環として出されたものであり、高校生の政治活動は必要かつ合理的な範囲で制約を受けることは当然で、生徒の政治活動を委縮させることのない範囲で指導しているなどと繰り返し、最終的には学校長の判断任せとなることが浮き彫りになりました。
 総務省(中央選挙管理会)=若者の投票率をあげることなどとあわせて、積極的な政治参加を呼びかけるとりくみを求めたことに対し、「政治活動に参加しようという啓蒙活動はおこなわない」と明言し、公選法上の解釈にのみ対応する消極的な回答でした。
 警察庁では、兵庫・福崎町長選での違法捜査をあげ、警察が「不偏不党、公正中立」を旨とする警察法を順守し、主権者国民の正当な政治活動、選挙運動の自由と権利を侵害することのないよう、適切な指導を徹底するよう強く求めました。

安倍政権NO! 若者憲法集会 質問多く、入会者も 国民救援会の分科会に反響 東京  

 安倍政権が進める「戦争する国」づくりに反対し、日本国憲法の価値を学ぼうと、民主青年同盟や労働組合の青年部、国民救援会などでつくる実行委員会が主催する「若者憲法集会」が5月15日、東京都内で開かれました。
 午前中は8つの分科会がおこなわれ、国民救援会が運営を担当した分科会「あなたも『犯罪者』!?共謀罪と司法取引」には45人が参加し、自由法曹団の緒方蘭弁護士が講演をおこないました。緒方弁護士は、「戦争法に匹敵するほどの『ヤバい』法案が国会で審議されている」と述べて刑事訴訟法改悪案の問題点を解説。ウソの「自白」による冤罪を生む可能性が高まる取調べの部分可視化や司法取引の危険性にふれました。特に盗聴捜査の拡大については、「私の実家で起きた事件」だとして89年に発覚した日本共産党緒方宅盗聴事件を紹介。「当時2歳だったので電話を使うことはなかったが、盗聴された生の生活情報が警察に残っていると考えると気分が悪い」と述べました。
 質疑では多くの質問が出されました。「日本の司法はなぜ自白が重視されるのか」との質問には、外国でもかつては、自白は重視されていて、中世ヨーロッパでは、『自白は証拠の女王』と言われる歴史があったことを紹介。日本の人権感覚が中世のまま取り残されていることが浮き彫りにされました。
 最後に、国民救援会の山友代中央常任委員が挨拶。「国民救援会は、私たち主権者の憲法の権利を守る運動をし、無実の人を現場で救援する組織。選挙、政治活動の自由を守るためにも、入会を」と訴えると、1人が入会してくれました。

東住吉冤罪事件 再審公判が結審 判決は8月10日 検察、有罪立証できず 初公判で結審 無罪へ 大阪地裁  

青木さん 灰色の無罪いらぬ
朴さん ウソの自白に後悔

 保険金目的で、自宅に放火し長女を殺害したとウソの自白を強要され、無期懲役が確定し、昨年10月に再審開始決定が出された東住吉冤罪事件で、4月28日に朴(ぼく)龍(たつ)晧(ひろ)さんの、5月2日に青木惠子さんの再審裁判初公判が大阪地裁で開かれました。検察はいずれの公判でも有罪立証をせずに結審。判決はいずれも8月10日となりました。
 朴さんは再審公判で、「私は無実です。ウソの自白をしたことは人生最大の後悔です」と声を詰まらせながら訴えました。また、検察は論告で、有罪の主張・立証はおこなわないとしながらも、弁護団が主張する自然発火説に対して異議を唱え、警察による暴行や脅迫は認められないと言い切り、取調べの違法性を認めませんでした。これに対して弁護団は徹底的に検察官に反論し、「あなたは火傷もせずに自白どおりの行動(7?のガソリンをまいてライターで着火)ができるのか?」と、警察の違法捜査を追及しました。
 一方、5月2日に開かれた青木さんの公判で青木さんは、「検察は今も私を犯人と言いたいのか。天国の娘に報告ができない」と訴え、裁判長に「私を、今着ているこの服と同じ真っ白な無罪にしてください」と強く訴えました。なお、検察は青木さんの公判でも同様の論告をおこないました。(府本部)
 また、青木さんは、5月10日に東京でおこなわれた刑事訴訟法改悪反対を求める集会に参加。取調べで「娘を助けられなかったのは殺したも同じだ」と責められウソの自白をしてしまったと話し、取調べ全面可視化の必要性を訴えました。さらに再審公判について、検察が有罪主張をしないと言いながら無罪論告をすることなく、今でも取調べは違法ではないなどと述べていることにふれ、「検察は、堂々と有罪主張して闘うべき。私は真っ白な無罪判決を望んでいる。灰色の無罪判決はいらない」と述べ、300人の参加者から拍手を送られました。

岡山・倉敷民商弾圧事件(禰屋裁判)「支援あれば闘える」意見陳述で禰屋さんが語る 岡山地裁  

 倉敷民商弾圧事件(禰屋裁判)の第17回公判が4月25日、岡山地裁(江見健一裁判長)で開かれ、裁判長交代による公判手続きの更新がおこなわれ、禰屋町子さんと弁護団が意見陳述しました。
 倉敷民商事務局員の禰屋さんは、脱税をほう助したとされる法人税法違反と、税理士資格がないのに税務書類を作成したとして、税理士法違反として起訴されています。意見陳述に立った禰屋さんは、法人税法違反について、建設会社側からそのような依頼を受けたり自分がそれを引き受けたりした事実は一切なく、決算報告書とそれに添付するべき内訳書の作成をサポートするために聞き取りをしてメモを作っただけであること、こうしたサポートでは会社が指示するとおりに作業しただけであり、古くからの民商会員なので信用していたためにその指示する数値が正しいかどうかを原資料にあたって確認することはせず、また会社が日常使用している会計ソフトには触ったことはないと述べました。
 また、税理士法違反については、この建設会社を含め、民商会員が作成した決算書類にもとづいて、これを民商の税務申告書作成ソフトに転記していっただけのことにすぎず、出来上がった申告書の内容は、それぞれの会員が納得して自らの作成書類として署名押印したものであることを述べて、いずれの事件も「私は無罪」と明確に断じました。
 さらに、逮捕以降428日にも及んだ身柄拘束について、その間の取調での処遇が人格への侮辱と否定で、健康障害を始め、家庭生活の安穏を打ち壊すものであったことを涙ながらに告発。それでも屈せずにたたかえることができているのは、毎回公判での超満席の傍聴支援やすでに11万を超えて集まっている署名など、支援運動のおかげだと結びました。
 続いて弁護人が事実を明らかにするため、証人の採用をあらためて要求。次回公判は弁護人による被告人質問がおこなわれます。

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