日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2016年5月15日号

2016年5月15日号  

倉敷民商弾圧事件の勝利めざし 全国連絡会を結成  

 岡山・倉敷民商弾圧事件で被告人とされた小原淳さん、須増和悦さん、禰屋町子さん3人の無罪を勝ちとるため、運動をさらに強化しようと4月24日、東京都内で「倉敷民商弾圧事件の勝利をめざす全国連絡会」の結成総会が開かれ、24都道府県105人が参加しました。

 結成総会では、全商連の太田義郎副会長が「3人が異常に長い期間勾留されたこの事件の不当性を、多くの国民世論にしていくため、全国の英知を集めてたたかう組織の結成です」と開会あいさつ。国民救援会の鈴木猛事務局長が経過報告と、会の目的などの申し合せ案を提案し、弁護団報告に続き、立正大学法学部の浦野広明客員教授が特別報告をおこないました。

最高裁のたたかい口頭弁論開けの声
 小原さんは、「中小企業業者の生活相談を受けるなかで、民商の役割は大きいと実感しています。不当弾圧は許せない」と訴え。須増さんは、「勾留中は極悪人のような扱いを受けたが、この弾圧に負けたくない」と、支援を訴えました。
 各地からは、「署名の反応はさまざまだが、事件の不当性を丁寧に伝えるなかで、署名してもらえる」、「学習することで、事件の不当性を広めてきた」、「民主団体だけの問題ではなく、国民への弾圧だと思いたたかおう」、「最高裁で必ず口頭弁論を開かせよう」など、積極的な発言が相次ぎました。
 集会アピール、申し合せ案を参加者の拍手で確認しました。閉会のあいさつで自由法曹団の荒井新二団長は、「支援組織、弁護団、被告人の三者が団結し、運動を大きく広げていこう」と呼びかけ、参加者全員で無罪判決にむけ「団結ガンバロー」を唱和し、閉会しました。翌日、早速集会アピールをもって、公正な審理で3人の無罪判決を出すよう最高裁に要請しました。

刑訴法改悪、重大局面に  

「冤罪増やす法律だ」布川事件 桜井さん国会で陳述  

 新たな冤罪を生み出す盗聴捜査、司法取引の導入を盛り込んだ刑事訴訟法改悪案の審理が参議院法務委員会で重大な状況を迎えています。4月19日、布川事件の桜井昌司さんが参考人として招かれ、自身の体験から法案の危険性を浮き彫りにしました。また、国民救援会もFAX要請や議員への要請行動をおこない、廃案に向けてとりくみをつよめています。

 参考人として呼ばれた布川事件の桜井昌司さんは、一部録画した取調べの映像が決め手となり裁判員裁判で有罪となった栃木・旧今市市の殺人事件をあげ、「昨年と危機感がまったく違う。(取調べ一部分の可視化が)ますます冤罪を作る確信になった」と切り出し、次のように述べました。

冤罪を防げぬ一部「可視化」
 「今市事件の取調べ映像を見た裁判員は、取調べで被疑者が動揺し泣いており、犯人として理解できたとコメントしている。しかし、無実の人が取調べの苦痛に負けて人殺しを認め、意に反した自白をするのだから、動揺して泣かないはずはない。ウソの自白に至るまでの取調べの過程を知ることこそ本質だ」
 次に桜井さんは、50年前の布川事件の取調べで、ウソの自白を録音したテープについて「私自身が聞いても迫真性があり、『桜井は犯人じゃないか』と誤解する」と話し、一部だけの「可視化」の危険性を指摘。「一部の録画とはいえ、取調べを録画することで真相を分かってくれる裁判員がいると期待していたが、無理だと分かった。一部「可視化」は刑事司法改革の第一歩ではなく、たくさんの冤罪をつくる第一歩だ」と述べました。
 約30人の傍聴者が見守る引き締まった空気の中、桜井さんは言葉を詰まらせながら次のように締めくくりました。
 「いままでたくさんの冤罪仲間が苦しんできたが、立法府では一度も検証したことがない。どれだけ冤罪仲間が苦しめば、どれだけ国民が冤罪に苦しめば冤罪を防ぐ法律を作るのか。良識の府である参議院は、問題点を十分審議してほしい」
 桜井さんが発言を終えると、議場から大きな拍手が送られました。傍聴席には、志布志事件の川畑幸夫さんや足利事件の菅家利和さん、築地署公務執行妨害デッチ上げ事件の二本松進さんも顔を揃えました。

国民救援会が独自要請行動  

 緊迫した情勢を受けて国民救援会は4月26日、参議院での審議入りから2度目となる緊急議員要請行動をおこないました。参加は首都圏の会員9人でした。
 要請では、取調べ一部「可視化」の危険性を明らかにするため、桜井さんや菅家さんの自白テープを検証するよう求めました。また、盗聴法改悪についても、過去に警察がおこなった盗聴(緒方宅盗聴事件)をおこなった事実すら認めない警察の姿勢をただし、徹底審議のうえ法案を廃案にするよう求めました。各都道府県からもファックスによる法務委員会への要請行動がとりくまれています。
 また、法務委員会の審議の傍聴行動も取り組まれており、連日傍聴席を埋めて緊張感のある審議を維持させています。

ご協力を 緊急 FAX要請  

 法案は、与党が5月12日にも採決に入るとの報道が出ており、重大な局面を迎えています。緊急FAX要請に協力をお願いします。
▼法務委員長 魚住裕一郎(公明)FAX 03(6551)0326

言論の自由 国連が来日し調査 救援会の指摘、報告書に反映 政治活動に規制は不必要選挙は多様な意見表明を  

国連人権理事会特別報告者 デビッド・ケイ氏が指摘
 「意見と言論の自由」について、国連人権理事会から各国の調査を任命されている特別報告者デビッド・ケイ氏が4月、来日調査をおこないました。約1週間、政府や報道機関、学術機関、NGOなど多くの関係者から聴取をおこない、19日の記者会見で暫定報告書を発表しました。
 報告書は秘密保護法や報道に対する政府の圧力の問題を重視。「日本の報道の独立性は重大な脅威に直面している」と指摘して報道の自由や国民の知る権利の保障を勧告しました。会見では「多くのコメンテーターが同時期に降板するのは不自然」とも述べました。
 国民救援会は、同じく言論表現の自由の問題として、選挙運動に対する規制についてレポートを提出。ケイ氏とNGOの懇談では濱嶋隆昌中央常任委員が、「私たちは約60年にわたり選挙弾圧を受けた無数の犠牲者と200人以上の被告人を支援してきた。公選法による弾圧は市民社会全般に政治参加への萎縮効果をもたらす長期にわたる大規模な人権侵害だ」と訴え、弾圧とのたたかいの歴史を報告しました。また、衆議院の清水忠史議員が兵庫県福崎町の事件を法務委員会でとりあげ、法務大臣に国際人権法の遵守を求めていることも紹介しました。
 こうした報告を受けて、ケイ氏は報告書に選挙運動の項目を起こし、「公選法の制限規定は不必要で行き過ぎている」と明確に指摘。記者会見でも「日本には政治活動に非常に厳しい制限がある。政治活動への規制は取り払うべきで、特に選挙では多様な意見の表明が必要だ」と述べました。正式な報告書は来年の国連人権理事会に提出されます。

神奈川・神奈川フィル解雇事件 勝利和解獲得 中労委  

 神奈川フィルハーモニー管弦楽団が、労働組合に所属する杉本正さんと布施木憲次さんを解雇した事件が4月8日、中央労働委員会で和解しました。和解内容は、楽団が二人を解雇したことを不当労働行為と認めて撤回し、今後組合と楽団が良好な労使関係構築のための努力をすることを盛り込んだものです。なお2人は和解日をもって合意退職することとなりました。

おおきな喜び 杉本正さん
 組合潰(つぶ)しを目的とした不当解雇の撤回闘争は、高い水準で勝利和解し、今後は落ち着いて音楽活動に専念できることに大きな喜びを感じています。救援会の皆さんには、争議行動の先頭に立ってくださり、演奏会やCD販売など、音楽活動にも細やかにサポートしてくださいました。心から感謝しています。

ご支援に感謝 布施木憲次さん
 勝利解決したとはいえ、職場復帰が叶わなかった事は残念です。
 国民救援会の皆さまには、ビラまきや裁判傍聴、要請行動などに協力していただき、楽団にプレッシャーを与える事ができ、本当に感謝しております。今後は他の解雇闘争の支援をしていきます。

自衛隊国民監視差止訴訟 最高裁勝利へ国会で集会  

 自衛隊情報保全隊による監視活動の差止めなどを求めている裁判で、原告側が最高裁に上告したことを受けて4月18日、参議院議員会館で院内集会が開かれました。主催は原告団、弁護団、支援するみやぎの会。
 仙台高裁は今年2月、原告91人中1人についてプライバシー権の侵害を認めたものの、他の原告の請求は棄却し監視の差止めも認めなかったため、原告75人が上告しています。
 集会では内藤功弁護士が報告。判決は、自衛隊という武力集団が国民を監視すること自体が重大な人権侵害だという根本が欠けているものの、憲法13条とプライバシーの権利を保護に値する人格権の一つと述べた点などをあげ、情報収集活動に歯止めをかけ、戦争する国づくりへの痛打というべき判決だと話しました。
 原告団長の後藤東陽さんは、勝訴した原告に謝罪もない国の姿勢を批判し、引き続く支援を訴えました。

無実訴え55年の人生 「無念晴らす」名張事件 奥西さん偲ぶ会に220人  

 名張毒ぶどう酒事件の発生から55年、奥西勝さんの獄死から半年が経過した4月9日、名古屋市内で「奥西勝さんを偲ぶ会」が開催され、全国から220人が参列されました。
 ご冥福を祈り全員で黙祷。奥西さんの「命をかけた」闘いを映像で振り返り、鈴木泉弁護団長をはじめ呼びかけ人や弁護団の皆さんから「お別れの言葉」をいただきました。
 多くの方から、生きて奥西勝さんを死刑台から救い出すための活動や、奥西さんとの交流の様子、獄死後初めて対面した印象などが語られると共に、奥西さんの無念を何としても晴らして名誉を回復させること、奥西さん獄死の責任を必ずや司法にとらせることが、奥西さんの遺影に向かって誓われました。(愛知の会・田中哲夫)

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