日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2016年4月5日号

2016年4月5日号  

遺志を受け継ぎすすむ 新たに1112人を合葬 第69回解放運動無名戦士合葬追悼会ひらく 東京・日比谷公会堂  

 平和と民主主義、国民の暮らしと権利を守り、社会進歩のために活動された方がたに感謝と敬意をこめて追悼する解放運動無(む)名(めい)戦(せん)士(し)合葬追悼会が3月18日、東京・日比谷公会堂で厳粛に執りおこなわれました。69回目を迎えた今回、新たに1112人が合葬され、合葬者総数は4万4021人となりました。式典にはご遺族をはじめ約1000人が全国から参列され、故人を偲ぶとともに、その遺志を継いですすむことを誓い合いました。(関連4〜5面)

 春の陽気にめぐまれたこの日、式典会場となった日比谷公会堂には、全国から合葬者のご遺族が次々と到着されました。

 午後0時45分。静かに幕があがり、中央合唱団による「弔いの歌」で開会しました。舞台いっぱいに遺影が置かれ、その中央に新合葬者のお名前と略歴が刻まれた32枚の銅製のプレートが花輪とともに並べられました。
 はじめに日本国民救援会の鈴木亜英会長が主催者を代表しあいさつをおこないました。続いて、今回新たに合葬された1112人のお名前を、11団体(*)の代表者が、一人ずつ読みあげました。読みあげ後に、参加者全員で黙(もく)祷(とう)をおこないました。
 追悼歌「いのちのかぎり」の合唱に続いて、団体を代表し3団体から追悼の辞が述べられました。日本共産党・田村智子参議院議員、全国労働組合総連合・長尾ゆり副議長、新日本婦人の会・笠井貴美代会長が、故人の遺志を継ぎ、たたかいすすむ決意を述べました。式典に寄せられた弔電・メッセージを、治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟・田中幹夫事務局長が紹介しました。
 新遺族を代表して、神奈川県の故小島達司さんのご遺族・小島周一さん、愛媛県の故田福千秋さんのご遺族・田福佳子さんが、故人の生前の活動や思い出を語り、遺志を継いで歩む思いを述べました。
 最後に日本国民救援会の橋本宏一副会長が閉会のあいさつをおこない、式典は終了しました。

 式典後、参加者は解放運動無名戦士墓がある青山霊園までバスで移動しました。
 墓前祭では、銅製のプレートをお墓に収め、参加者一人ひとりが菊の花を献花し、手を合わせました。お墓の前にしばらくたたずむご遺族や、家族そろってお墓に花を手向ける姿も見られました。
 それぞれのご遺族が故人の思い出を胸に帰路につきました。

東京・築地署公務執行妨害デッチ上げ事件国賠 「逮捕・勾留は違法」警察の責任を断罪 東京地裁  

 女性警官に暴行を加えたとデッチ上げられ、公務執行妨害罪で逮捕された二本松進さんと妻らが、東京都(警察)と国(検察、裁判所)を相手に起こした国賠裁判で、3月18日、東京地裁(松村徹裁判長、池田幸子裁判官、山崎文寛裁判官)は、暴行の事実は認められず、逮捕・勾留は違法だとして、都に対して240万円の支払いを命じる判決を出しました。
 事件は2007年、東京・築地市場前の路上で発生しました。仕入れを終えた寿司店経営の二本松さんが妻が運転する車に乗って発進しようとしたところ、2人の女性警官の1人が発車できない位置に立っていました。二本松さんが「他の放置車両を取り締まらず、直ちに運転できる車を取り締まるのはおかしい」と抗議をしたところ、激情した警官が右手を負傷したかのように装い、「暴行を受けている」と無線で応援を要請。二本松さんは公務執行妨害の現行犯で逮捕され、19日間の勾留の後、不起訴(起訴猶予)になりました。
 判決は、現場にいた警官2人の供述や実況見分調書を検討し、当初は肘で胸を7〜8回突いたとされていた暴行態様が、警官が胸に抱えた切符カバンに肘が当たったなどと変遷していることを指摘し、「供述は看過できない変遷や齟(そ)齬(ご)がある。4人の目撃者も暴行を見た者はなく、暴行をおこなったとはいえない」と認定。逮捕は違法と認めました。
 その一方で、2人の警官の供述が虚偽だと気づきながら、2人の意図に沿う形で実況見分調書を作成して事実をねつ造した築地署の警官らの違法行為は「証拠がない」として認めませんでした。また、事件がねつ造であると知りながら、警察の不祥事を隠蔽するために、不起訴と引き換えに軽微な暴行の自白調書への署名押印を強要した検察や、勾留要件を満たしていないのに勾留状を発付した裁判官の責任も不問にしました。
 二本松さんは、「違法逮捕を認めたことは評価はするが、警察と検察が組織ぐるみで被疑事実のねつ造に関与したことには言及しなかった。いわば『トカゲのシッポ切り』判決だ」と話しました。

兵庫・花田郵便局事件 再審棄却取消し 弁護団は最高裁へ特別抗告 大阪高裁  

 郵便局強盗事件の実行犯とされたナイジェリア人のジュリアスさん(仮名)が再審を求めている裁判で、大阪高裁(笹野明義裁判長、田中健司裁判官、荒木未佳裁判官)は3月15日、再審請求を棄却した神戸地裁姫路支部の決定を「審理不尽」として取消し、審理を差し戻す決定をしました。
 神戸地裁姫路支部は、ジュリアスさんが2人組の実行犯の1人とは認定できないことを認めながら、共謀共同正犯(実行に加わっていない三人目の共犯者)の可能性があるとして再審請求を棄却しました。しかし、共謀共同正犯の可能性は、それまでの裁判で一度も問題になっていませんでした。
 ジュリアスさんの弁護団は、今回の高裁決定は、刑事訴訟法の手続き規定に違反していることを認めたものの、手続きさえふめば、確定判決と違う有罪認定をすることを容認する部分があり、妥当な決定とは言えないとして、最高裁に特別抗告しました。
 事件は2001年に、二人組の男が姫路市の郵便局を強盗したものです。実行犯(真犯人)の男性が「共犯者はジュリアスではなく別人」と証言しましたが、懲役6年の判決が確定していました。

青森・青森生存権裁判 原告の請求棄却 最高裁  

 70歳以上の生活保護受給者に支給された老齢加算の廃止取り消しを求め、全国9都府県で提訴されている生存権裁判で、最高裁判所第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)は2月17日付で、青森生存権裁判の原告7人の上告に対して、上告棄却、上告不受理の決定をおこないました。同月16日には熊本生存権裁判に対しても、最高裁第3小法廷(木内道祥裁判長)が不当決定をおこなっています。
 3月4日に衆議院議員会館内で開かれた抗議集会で、青森生存権裁判の原告団長・茂木ナツエさんは、「生活の実態を見ないまま棄却され、本当に悔しい。生活保護受給者の深刻な生活実態を訴え続け、老齢加算復活まで、今日からがスタートだと思ってがんばります」と訴えました。
〈抗議先〉〒102―8651 千代田区隼町4―2 最高裁判所

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