日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2016年4月25日号

2016年4月25日号  

盗聴法・刑訴法改悪案 なんとしても廃案に 緊迫した情勢迎える  

 盗聴法・刑事訴訟法改悪案をめぐる情勢が緊迫しています。改悪案は参議院に継続審議となっていますが、7月の参院選のため国会延長はない見通しで、参院選で半数が改選されるため今国会で成立しなければ廃案になります。それだけに、政府・与党は「他の法案を後回しにしても通す」との構えです。激しいせめぎ合いの情勢のもとで、相次ぎ集会・要請・デモ行進などの行動が展開されています。

国会デモと集会
法律家・市民が共同で

 4月14日、刑事訴訟法等の改悪に反対する法律家・市民・国会議員の集いと国会デモ行動がとりくまれ、300人が参加しました。
 この行動は、自由法曹団など法律家5団体に加え、国民救援会も参加する盗聴法廃止ネットワークと「盗聴・密告・冤罪NO!実行委員会」などの市民団体が賛同しておこなわれたものです。
 日比谷公園から国会に向けてデモ行進をおこない、引き続き参議院会館講堂で集会が開催されました。
 集会には、日本共産党の畑野君枝衆議院議員、社民党の福島瑞穂参議院議員が参加し、あいさつしました。

国会議員に訴え
廃案求め国民救援会が要請

 国民救援会は刑事訴訟法等の改悪案を廃案に追い込むために、4月11日、院内集会と参議院法務委員20人全員への独自要請行動をおこないました。
 この日の行動には9都道府県の救援会員、事件当事者の布川事件・桜井昌司さんと痴漢冤罪埼京線事件・石田崇さんなど35人が参加しました。当日は、全国から寄せられた廃案を求める署名1万1238人分を提出しました。
 院内集会では、鈴木猛中央本部事務局長が情勢を報告し、「政府は、この法案の提出にあたっても、衆議院での議論を通じても、冤罪への反省や冤罪犠牲者への謝罪もありません。冤罪への反省がないから、このように冤罪をなくすどころか、新たな冤罪を生み出し、冤罪を作り出した警察・検察の権限をさらに強化・拡大する改悪案が出されたのです。参議院で、政府の姿勢をただしてもらうことが必要です。徹底審議と廃案を求めましょう」と訴えました。
 4組に分かれて要請行動に移り、国民救援会の要請書とともに、冤罪犠牲者連名の要請書を持参し、要請しました。
 要請に対し、ある与党議員の秘書は、「そもそも盗聴法なんか、日本にないんです」などとあげ足取りをした上で、法案は問題ないとの立場を示しました。
 一方、日本共産党の仁比聡平議員の秘書からは、「廃案めざし、いっしょに頑張りましょう」と激励を受けました。また、民進党の真山勇一議員の秘書は、「(法案成立を狙って)法務省は連日(要請に)来ています。皆さんの運動をもっと盛り上げてください」と応えました。
【要請先】参議院法務委員会委員長 魚住裕一郎殿 〒100―8962 東京都千代田区永田町2―1―1参議院議員会館326号室/FAX03(6551)0326
【要請文例】冤罪防止どころか、新たに冤罪を生み出し、盗聴捜査の大幅拡大で人権侵害を生み出す刑事訴訟法等改定案は、徹底審議のうえ、廃案にしてください。

第26回裁判勝利をめざす全国交流集会 闘いの教訓を共有 110人が記念講演、分科会で学ぶ 東京  

 裁判闘争の経験と教訓を学び合う第26回裁判勝利をめざす全国交流集会が4月10〜11日、東京都内で開かれ、110人が参加しました(主催=全労連、自由法曹団、国民救援会)。
 志賀原発運転差止請求事件で差止め判決を出した元裁判官の井戸謙一弁護士が「裁判官とは何者か―『絶望の裁判所』に希望はあるか」と題して記念講演をおこないました。井戸弁護士は自身が任官した頃の裁判所の雰囲気に触れて、裁判官統制が強まり、差別的人事が横行するなかで裁判官の運動がつぶされ、自主的な裁判官が同質化していったと指摘。刑事裁判がよくならない理由として、狭い「裁判ムラ」の意識や、検察官と裁判官が社会の秩序を維持しているという心理的一体化がすすんだためと解説しました。
 井戸弁護士は裁判所に見える希望として、人権感覚のある人が裁判官として残りづらい実務の実態をあげた上で、気概を持った裁判官に勇気を与える市民運動の展開が必要だと締めくくりました。
 その後、]働事件、冤罪・再審事件、B臀暗裁判闘争のすすめ方の分科会に分かれて討論し、経験を交流しました。
 二日目の全体会でまとめの報告をおこなった自由法曹団の西田穣事務局長は、近年2件の原発運転差止め判決は、国民の声、国民の支えなくして出せなかったとして、大衆的な運動の成果だと評価。最後に、裁判を闘って得た教訓を共有し、次のたたかいにつなげていくことに裁判交流集会の意義があるとして、苦しんだ裁判こそ参加してほしいと訴えました。

北海道・アイヌ遺骨返還訴訟 北大と和解成立 遺骨をアイヌへ返還 札幌地裁  

 北海道大学などがアイヌの墓を掘り返し、遺骨等を持ち去ったため、アイヌ民族5人が、その返還と慰謝料を求めている訴訟で3月25日、札幌地裁(本田晃裁判長)で和解が成立しました。
 和解内容は、遺骨の引き受け手が明確であれば、元々掘り出された埋葬場所に遺骨と副葬品を埋葬する、その運搬費用は北大が負担するとなっています。
 和解が成立した原告の小川隆吉さんは記者会見で、「とっても嬉しい」と喜びを表していました。今後の協議になる原告・差間正樹さん(本紙2015年9月5日号「たたかい人」で紹介)も「待ちかねた結果です。大きな一歩を踏み出した」と述べました。裁判途中で死去した原告城野口ユリさんの弟の山崎良雄さんは「姉は待ち望んでいた。生きているうちにして欲しかった」と無念さをにじませながら言葉少なに語りました。
 原告弁護団は、遺骨返還の道筋をつけ、今後の各地の問題解決の方向を示すものと高く評価しています。
 (北海道本部・守屋敬正)

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