日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2016年4月15日号

2016年4月15日号  

兵庫・福崎町長選不当捜査事件 国会で違法捜査追及 弾圧の意図が浮き彫りに 衆院法務委  

「人権侵害、放置するのか」
共産党 清水議員 政府の姿勢ただし捜査中止求める

 昨年12月の兵庫・福崎町長選で、候補者の後援会だよりを違法だとして、警察が町民の呼び出しを続けている問題で、3月23日、衆院法務委員会で日本共産党の清水忠史衆院議員が質問に立ち、違法捜査の実態を明かし、捜査の中止を求めました。

 発言席に立った清水議員は、まず岩城光英法相と土屋正忠総務副大臣に対して「政治家の後援会とはどんなイメージのものか」と質問。両氏は「特定政治家の活動を支える組織で、会報の発行も活動の一環だ」と答えました。次に、土屋副大臣の後援会ニュースを示して、公選法の挨拶規定で制限される「おかげさまで三選を果たし」とする文言について、「公選法では、挨拶も込めたニュースを配ることはできないが、後援会員に限定して読んでもらうことは、内部行為ですから問題ないですよね?」と確認。土屋副大臣は、「政治団体の中で政治的見解を述べることは、結社、思想信条、表現の自由を規定した憲法に許された行為だ」と述べ、後援会ニュースを発行すること、後援会員に読ませること自体に問題がないとする答弁を引き出しました。
 その上で清水議員は、福崎警察署の捜査員が選挙期間中から後援会員宅を訪れ、「私は後援会員ではない」、「後援会員をやめました」と書いた紙に署名捺印させて聞き回っていることを明かし、「町の選管が福崎署に、選挙妨害になるからやめてくれと言っているのに聞き込みがおこなわれた」と指摘し、警察が後援会の正当な活動に弾圧を加えていると述べました。

弾圧狙う捜査 生命も脅かす
 続いて清水議員は、選挙後、警官が毎日のように後援会役員の自宅を訪問し、出頭を求め続けている事実を示し、こうした行為が許されるのか、法務省に対し刑事訴訟法の規定をただしました。答弁した法務官僚は、「被疑者やそれ以外の者でも、出頭を拒み、出頭後、いつでも退去できる」と回答し、警察の執拗で異常な呼び出しが違法な捜査であることを明白にさせました。
 さらに清水議員は、呼び出しを受けている後援会員の診断書を示し、「執拗な呼び出しで恐怖症性不安障害、希死念慮が続いている。憲法が保障する権利や自由だけでなく身体生命まで脅かす違法捜査はただちにやめさせるべきではないか」と警察庁を追及。答弁した警察官僚は、「個別事案に回答できない」と言及を避け、「不偏不党、厳正公平な立場で基本的人権に配慮しつつ、刑罰法令に触れる行為があれば適切に対処する」と一般論で逃げようとします。すかさず清水議員は、「昨年12月に国民救援会と町民が福崎署に抗議した際、副署長が『後援会ニュースを会員に届けることは、直ちに違法とはいえない』と述べた。刑罰法令に触れないのに執拗な捜査をおこなうのは、不偏不党どころか意図をもった弾圧捜査ではないか」と厳しく批判しました。

選挙は自由に国連も勧告
 また清水議員は、選挙運動の自由を大幅に規制した公職選挙法の問題点をあげて、2014年の国連自由権規約委員会が、「思想、良心、宗教の自由や表現の自由に対するいかなる制約も差し控えるべき」と厳しい言い方で日本政府に勧告していることを紹介し、「自由権規約委は日本の公選法は前近代的と批判している。その公選法を盾に弾圧がおこされている」と指摘しました。
 最後に「人権侵害を放置するなら、何のための法務省か。何のための人権擁護局か」、「検察庁に警察捜査を適正化させる責任は法務大臣にある」と述べ、違法捜査の中止を求めました。

事件の地元へ
全国から激励を
 地元の福崎町では、2月27日に「不当捜査をやめさせる会」を結成し、3月10日には福崎署抗議行動、3月16日には兵庫県警への抗議行動をおこないました。
 この事件についてメディアも取材に訪れ、インターネットの動画サイトで抗議行動の様子が紹介されたり、ネット上の口コミで拡散されるなど、事件の不当性が広がっています。しかし、依然として警察・検察の執拗な呼び出しは続いており、地元は警戒を強めています。福崎町では町民へ事実を知らせる宣伝を繰り返し、5月15日は、報告集会を計画しています。

〈激励先〉 〒650―0022 神戸市中央区元町通6―6―12 山本ビル 国民救援会兵庫県本部 Tel078―351―0677FAX‥078(371)7376

大阪・大阪市「思想調査」アンケート裁判 「憲法上の権利を侵害」 原告側 二審も勝訴 大阪高裁  

 橋下徹前大阪市長が全職員におこなったアンケートが「憲法違反である」として職員59人が提訴して闘ってきた裁判の控訴審判決公判が3月25日、大阪高裁(田中敦裁判長、善元貞彦裁判官、竹添明夫裁判官)でおこなわれました。
 判決は、組合活動への参加の有無を尋ねた設問などが、憲法上の権利を侵害しており違法だと認定し、大阪市に約30万円の支払いを命じました。

憲法守る闘いご支援に感謝 永谷孝代原告団長  

 これまで、ご支援してくださった全国の仲間の皆様に心からお礼申し上げます。
 アンケート実施から4年たちますが、あの時の震えるような気持ちを忘れることはありません。恐怖や怒りなどいろんな気持ちが入り混じって目の前が真っ暗になりました。「処分」「業務命令」の言葉が頭から離れませんでした。そんな私たちに勇気をくれたのは、連日市役所を包囲する民間労働者や市民の「市役所の職員、頑張れ。胸を張れ」のエールでした。あれから4年、大阪市では、職員は人員削減の中で、上意下達の管理が強化され、住民のための仕事ができなくなりました。また、市民生活はどんどん切り下げられ、まさしく大阪市が解体される勢いでした。しかし、これにストップをかけたのが住民共闘の力です。そして、私たちの裁判もこの運動に背中を押されてがんばってくることができました。
 人間の尊厳をかけて闘ってきたこの裁判、まっすぐ前を向いて闘ってこれたことを誇りに思っています。これからも「憲法を守れ」の闘いの輪の中で、共に闘っていきたいと思っています。

静岡・袴田事件 元警官を証人請求 弁護団、証拠捏造追及 東京高裁  

 袴田事件の三者協議が3月28日、東京高裁(大島隆明裁判長)でおこなわれ、DNA鑑定の検証実験の進捗と弁護団が申請した証人請求について協議されました。
 検証実験の進捗については、鑑定人に検証試料さえ渡っておらず、検証作業が全くすすんでいないことが明らかになりました。
 一方弁護団は、警察の証拠ねつ造の実態を明らかにするため、現場の味噌タンクから犯行着衣が「発見」された経過や、袴田さんの実家から犯行着衣の共布が「発見」されたことについて、発見経過に問題があると指摘している当時の警官2人の証人申請をおこないました。次回の三者協議は5月24日です。

三重・名張毒ぶどう事件 新証拠の提出準備 ビンの封かん紙を分析 名古屋高裁  

 奥西勝さんがぶどう酒に毒物を混ぜ5人を殺害したとされている名張毒ぶどう事件で、弁護団は新証拠を4月中に提出する準備をしています。
 新証拠は、ぶどう酒に毒物を混入する機会があったのは奥西さんしかいないとする有罪判決の認定を覆すため、何者かが封かん紙を貼り直してぶどう酒ビンが未開封であることを装った可能性があるとして、封かんした糊の成分を分析するものです。
 弁護団はすでに名古屋高裁が保管している封かん紙についた糊の成分分析に必要なデータを採取し、現在専門家が分析しています。鈴木泉弁護団長は、ぶどう酒の製造業者が封に使ったものと異なる成分が検出されれば真犯人が貼り直したと推認させる証拠になると話しています。

大阪・東住吉事件 検察が有罪立証を断念  

 昨年10月の再審開始決定が確定した東住吉冤罪事件で、検察が再審裁判で有罪立証をしない方針であることが分かりました。3月16日の進行協議で検察側が明らかにしたもので、青木惠子さんと朴(ぼく)龍(たつ)晧(ひろ)さんの無罪判決が早期に出る可能性が高まりました。
 この方針を受けて青木さんは、「警察が正しく捜査していれば、娘殺しの母という立場に長く置かれることはなかった。検察には無罪論告をして、申し訳なかったと謝ってもらいたい」と話しました。朴さんは、「検察が率直に事実を受け止めて適切な対応をしてくれたものと思います。再審公判でも無実を訴えます」と話しました。

死刑執行に抗議 国民救援会が声明  

 岩城光英法相が3月25日、2人の死刑囚の死刑を執行したことに対し、国民救援会は30日付で鈴木会長名で抗議声明を発表しました。
 全文は国民救援会のWebサイトでご覧いただけます。

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