日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2016年2月5日号

2016年2月5日号  

宮田さんの再審必ず 地元集会に九州各県・地元から50人参加  

 殺人犯として懲役13年の刑を受けた宮田浩喜さん(82歳)が再審を求めている熊本・松(まつ)橋(ばせ)事件で、熊本地裁は、3月末までに再審の可否を決定する予定で、重要な局面を迎えています。東住吉冤罪事件につづいて、何としても再審を勝ちとろうと、事件の地元で支援集会が開催されました。再審にむけて全国からのご支援をお願いします。(事件の詳細は3面に)

 1月16日、宇城市(旧松橋町)で、松橋事件の再審を求める緊急支援者集会がおこなわれました。九州各県の代表や地域の住民など50人が参加し、マスコミの関心も高く全体で70人となりました。

再審を勝ちとろう
集会で決意固める

 集会は、熊本県本部の加藤修会長のあいさつで始まりました。
 中央本部を代表し、堀田孝一中央常任委員があいさつに立ち、「鹿児島・大崎事件の第3次再審請求審も異例の速さで審理が進められ、今年が勝負の年です。宮田さんの再審開始を勝ちとるために九州はもとより全国で力を合わせて急いで支援を強化しましょう」と呼びかけました。
 弁護団報告で斎藤誠弁護団共同代表は、「この事件は、宮田さんと犯行を結びつける物的証拠は何一つありません。捜査官によって強制・誘導されたウソの『自白』で有罪判決を受けた事件です。2月12日までに弁護側、検察側双方の最終意見書が裁判所に提出されます。溝國裁判長は年度内にも決定を出したい意向を示しており、まさに最終局面を迎えています。この重要な時期に地元で集会を開催していただいたことは大きな意義があります。引き続くご支援をお願いします」と述べました。
 つづいて参加者から発言がされました。地元の「松橋事件・宮田浩喜さんを支える会準備会」で中心になって活動している大森康男さんは、「集会にむけて約1000枚のビラを配布し、ハンドマイクで1週間にわたり街頭宣伝をおこないました。地元としてもっと頑張ります」と決意を表明しました。
 最後に、親族を代表して宮田さんの長男・貴浩さんがあいさつに立ち、「弁護団の皆さん、父の無実を信じてご支援をいただいている国民救援会の皆さん、ありがとうございます。早く再審の実現を父に報告したい」と、これまでのお礼といっそうの支援を訴えました。

集会後に現地調査 自白の矛盾実感  

 集会後、事件のミニ現地調査をおこない、犯行現場とされた被害者の自宅跡や犯行後の血染めの手袋を捨てたとされた大野川などを回りました。参加者は、現場の客観的な状況と「自白」との矛盾や不自然さを実感することができました。

〈再審開始要請先〉〒860―8513 熊本市中央区京町1―13―11 熊本地裁・溝國禎久裁判長

最高裁事件が要請と新年会 たたかって勝利を!  

 第221次最高裁統一要請行動が1月20日、68人の参加でにぎやかにおこなわれました。
 前日の雪が残り、厳しい寒さの中、最高裁前で早朝の宣伝行動をおこない、刑事、民事事件に分かれて最高裁へ公正な審理と判決を、強く訴えました。
 その後、国民救援会中央本部がある平和と労働センターに最高裁事件関係者が集まり、新年会を開きました。
 昨年10月に広島高裁岡山支部で不当判決を受けた岡山・倉敷民商弾圧事件の小(こ)原(はら)淳(じゅん)さんは、「最高裁で法廷を開かせ、(主権者の権利を守る)民商の活動を裁判官に理解させた上で判決を書かせたい」と述べ、長野・冤罪あずさ35号窃盗事件を支援する長野県本部副会長の松島博さんは、十分な検討もせずに再審請求を棄却した裁判に触れ、「こんな日本を許していたら司法はおかしくなる」と述べました。
 フィナーレに小原さんが自ら作った事件支援の歌「私は無罪」を披露。布川事件国賠の桜井昌司さんも駆けつけ、「国賠訴訟で警察、検察に道理を通させるために、たたかい続ける。勝利の明日を目指して頑張ろう」と激励の言葉を述べました。

 参加事件=【刑事】長野・冤罪あずさ35号窃盗事件、岡山・倉敷民商弾圧事件(小原・須増裁判)、【民事】東京・JAL不当労働行為事件、日東整争議、DNPファイン解雇・偽装請負争議、愛知・新日鉄名古屋思想差別裁判、新日鉄名古屋障がい者差別裁判、大阪・大阪市役所労働組合事務所使用不許可裁判、NTT西日本雇用継続裁判

宮城・仙台北陵クリニック筋弛緩剤冤罪事件 三者協議開かれる 全国連絡会が要請、宣伝 仙台高裁  

 仙台北陵クリニック筋弛緩剤冤罪事件は、1月19日、2014年3月に仙台地裁で再審請求が棄却され、弁護団が即時抗告をして以来、初めてとなる三者協議が仙台高裁で開かれました。
 三者協議では、弁護人からの求釈明(質問書)に対して検察官は回答すること、弁護人は引き続いて証拠開示命令を申し立てることなどを協議しました。
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 この事件は、2000年、仙台市の北陵クリニックで准看護師の守(もり)大助さん(当時29歳)が患者5人の点滴に筋弛緩剤(筋肉の動きを弱める薬)を混入したとして、殺人と殺人未遂罪で起訴され、08年に無期懲役が確定しました。守さんは2012年に再審請求を申し立てています。
 再審請求審で弁護団は、患者の尿などから筋弛緩剤が検出されたとする「土橋鑑定」の誤りや、患者の急変症状が筋弛緩剤の薬効とは矛盾することを指摘した意見書などを提出しました。
 しかし、仙台地裁は、弁護団が求める証人尋問や証拠開示をおこなわないなど不当な訴訟指揮をとり続け、請求を棄却しました。弁護団は、仙台高裁に即時抗告しています。
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 即時抗告審で弁護団は、三者協議前に以下の4つの書面を提出しています。
「土橋鑑定」では、ベクロニウム(筋弛緩剤の成分)が検出されたことは証明されていないとする補充意見書。
意見書を出した志田保夫氏、池田正行氏と、鑑定したとされる土橋等氏の証人尋問を求める事実取調請求書。
8〇ー蟷ちの証拠開示を求める証拠開示命令申立書。
ぜ藺臀さんの心のこもった上申書。

署名を提出し
証拠開示訴え

 三者協議がおこなわれた翌々日(1月21日)、全国連絡会では早速、仙台高裁への署名提出、仙台市内での街頭宣伝にとりくみました。
 今回は、新たに全国からよせられた4861人分の署名を裁判所に提出(累計4万1825人分)。
 参加は神奈川、千葉、栃木、茨城、福島、山形、宮城、そして守大助さんのお母さんの祐子さんの合計17人。
 守祐子さんは、覚醒剤に関する東京地裁の裁判員裁判で、東京高裁が別人宛のメールを根拠にした有罪判決を破棄し、証拠開示によって、別な裁判員らによる審理に差し戻したとの新聞記事を示して、「ぜひ、証拠開示をして息子の再審、無罪を一日も早く決めてください」と切々と訴えました。
 守大助さんを支援する神奈川の会の添田美智子さんは、「15年もの間、本人はもとよりご両親の苦しみは、どれ程のものであったかという事を、どうぞお汲み取りください」と涙ながらに、語りました。参加者全員が発言しました。
 その後、仙台市内の繁華街でおこなわれた宣伝活動では、各地の代表がマイクで訴え、神奈川の会作成のビラなど225枚を配布、署名9人分が寄せられました。(吉田広夫)

助けてください 守大助さんの手紙  

 おだやかな初春をお迎えになったことと存じます。
 今年も獄中で新年を迎えることになりましたが、1月19日の三者協議までに私の訴えを上申書として提出するため、年末年始作成しながら過ごしました。年賀状も全国から、そしてオランダからも届きました(12日までで900通)。とても励まされ、1人ではない、まだまだ闘えると、力強くなりました。本当にありがとうございます。
 今年は、なんとしても、証拠開示・証人尋問をさせて、再審開始への流れを作りたいです。全ての証拠を開示させて、私が無実であることを、これまで以上に明らかにしたいです。無罪を勝ちとるまで、負けずに頑張りますので、お力をお貸しください。
 朴さん、青木さんに続いて、再審開始、釈放となって、1日でも早く皆さんの目の前に立つ日が近づいていると信じ生活します。両親が元気なうちに帰りたいです。助けてください。
無実の守大助

三重・名張毒ぶどう酒事件 奥西さんの名誉回復を 新しい裁判官に初の要請  

 1月21日、名張毒ぶどう酒事件・第10次再審の名古屋高裁及び名古屋高検に対する要請行動を4府県13人の参加でおこないました。1月1日付で定年退官した石山容示裁判長の後を引き継いだ山口裕之裁判長に対する初めての要請です。
 参加者は、新しい裁判長に名張毒ぶどう酒事件をきちんと審理してもらうため、「半世紀以上無実を叫び続けた不屈の奥西勝さんの無念に思いをはせよ」「再審の理念を謙虚に受け止め、疑わしいときは被告人の利益に従って早期に再審を開始すべき」「検察官が隠し持つ証拠は即刻開示させるべきだ」「一審無罪判決こそが真実」「冤罪はあってはならない」「市民はみんな注目している」などと、対応した高裁刑事部の次席書記官と訟廷管理官に強く要請してきました。
 また、映画「ふたりの死刑囚」(東海テレビ制作)が上映中(要請日現在では東京、名古屋で上映)ですが、裁判官にもこの映画をぜひ見てほしい、との要請もなされました。提出した個人要請署名は3251人分(累計9879人分)でした。
 続く名古屋高検では、「検察官が無罪証拠を隠し、証拠を改ざんするなどもってのほか、すぐに開示せよ」「検察の信頼は地に落ちている。自ら証拠を開示して回復すべき」「弁護団が求めているのは具体的な不提出証拠や証拠目録だ。提出しない理由はない」「国連の勧告に従え」などと要請がなされました。
 要請行動は今後も毎月おこないます。全国のみなさんのご参加をお願いします。
(えん罪名張事件・愛知の会 事務局長 田中哲夫)

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