日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2016年2月25日号

2016年2月25日号  

袴田事件全国集会 再収監許さず再審無罪を  

 静岡・袴田事件の再審開始決定(14年3月27日)から2年が経とうとしています。検察の不服申立てで、東京高裁で審理(即時抗告審)が続いています。検察は無実の袴田巖さんを救済するどころか、再審決定の取り消しを求め、裁判所も検察の姿勢を追認しています。袴田さんの再収監を許さず、一日も早く再審・無罪を勝ちとろうと、2月13日、国民救援会など8団体で全国集会を開催しました。当日は170人が参加しました。

 集会は、アムネスティインターナショナル日本の若林秀樹事務局長の開会の挨拶でスタート。袴田巌死刑囚救援議員連盟・鈴木貴子衆議院議員からの連帯の挨拶につづき、元裁判官の木谷明弁護士が記念講演をおこないました。

白鳥決定に沿う
判断を求めよう

 木谷弁護士は、再審についての問題点を指摘。/獲のやり方について法律の規定がないうえに、裁判官のなかに確定判決に間違いはないとの狄析鱈瓩あること。検察が持っている証拠の開示規定もなく、開示されないこと。通常審では、開示すると証拠を隠滅する恐れがあるなどとされるが、再審では隠滅の危険性はほとんどない。袴田事件でもそうだが、再審開始決定が出た場合、検察の不服申立(上訴権)に制約がないこと。問題解決のためには法の整備も必要だが、裁判所に対して、「疑わしきは被告人の利益に」の刑事裁判の鉄則が再審にも適用されるとして、再審の扉を開けた白鳥・財田川決定に忠実に判断させることが必要であり、そのために世論を広げることが大切と指摘しました。

検察が徹底抗戦
学者を総動員で

 戸舘圭之弁護士が弁護団報告をおこないました。戸舘弁護士は、検察官は徹底抗戦の構えで臨んできており、再審開始の理由となった本田教授のDNA鑑定を崩そうと文字通り法医学者を総動員し、裁判所は検察の主張を受けて本田鑑定についての検証実験を決めたことを報告しました。弁護団は、この検証実験に強く反対したが、それは自信がないのではなく、裁判所の検証実験が「百害あって一利なし」だからであると強調。裁判所がやろうとしている検証実験が、本田鑑定と違う条件のもとでおこなわれること、はじめから科学的な根拠のない結論が誘導されることが明らかであること、よってなんら検証することにならないと批判しました。最後に、再審開始・無罪へ頑張る決意を表明するとともに、「世論を広げることが大きな力になる」といっそうの支援を訴えました。

現状を知らせて
支援を広げよう

 袴田さんの姿を追った映画「夢の間の世の中」の予告編が上映された後、日本ボクシング協会の新田渉世袴田巖支援委員会委員長、布川事件の桜井昌司さん、足利事件の菅家利和さんから連帯のアピールがありました。
 最後に、袴田さんのお姉さん・秀子さんが登壇し、支援者との話の中で、「もし巖が再び収監されることがあれば私が行きます」と話したことを紹介、そうならないために、「一日も早い再審無罪の日を願っています」とお礼と支援を述べました。
 閉会挨拶を、国民救援会の鈴木猛事務局長がおこない、袴田事件は終わっていると思っている人も多く、あらためて裁判の状況を知らせること、「無辜の救済」という再審の理念からも許されない裁判所・検察の姿勢を批判していくこと、再審求める声を署名にして裁判所に届けることを呼びかけました。

大阪・中津学園労働刑事弾圧事件 安東さんの訴え棄却 刑事裁判の鉄則無視 最高裁  

 大阪・中津学園労働刑事弾圧事件で、最高裁第2小法廷が1月20日付けで安東育子さんの上告を棄却し、懲役2年6月、執行猶予4年の有罪判決が確定しました。
 安東さんは有給休暇の不正受給を理由として、2010年に社会福祉法人「光徳寺善隣館グループホーム中津」から不当解雇されました。解雇撤回を争う民事訴訟の途上で、入所者の預金150万円を横領したとして逮捕、起訴されました。横領の事実が証拠によって明らかにされたとは言えないにもかかわらず、一審は懲役1年6月の有罪判決。昨年7月6日、高裁で控訴棄却の判決が出され、懲役2年6月(執行猶予4年)とされました。
 安東さんや弁護団は直ちに最高裁に上告。150万円の横領があったとされる時期、学園側はグループホームの増設などで多額の資金を必要としており、入所者の必要経費の二重取りをするなど現金を流用していたこと、しかも控訴審途上も未だ返済していない事実が明らかになったにもかかわらず、それらの点については全く判断もしないままの判決でした。
 福祉保育労組や地域労組など支援者たちは不当判決を許さず上告審で必ず勝利しようと、12月15日の上告趣意書の提出後、署名用紙を準備し、最高裁への要請行動も強化しようと意思統一していました。
 ところが年が明け、1月20日付で上告棄却決定が弁護団と安東さん本人のところに送られてきました。
 「安東さんを支援する会」と安東さんが所属する福祉保育労組や地域労組はらからは、まともに審議した形跡すら疑われる最高裁の決定に強く抗議し、三者で抗議声明を発表しました。
 抗議声明は「安東さんと弁護団が指摘した『法人が詐取した可能性』に目を向けず、一方的に安東さんの犯罪と決め付けた裁判所の姿勢は、『疑わしきは被告人の利益に』との司法の歴史の中で定着した法理を『疑わしきは被告人の不利益に』と覆す重大な問題をはらみます」とし、「言われて久しい司法の反動化が進行するなか、『労働刑事弾圧事件』における、このような乱暴で粗雑な裁判を行った裁判官と司法当局に再度の抗議を表明するとともに、進行中の民事裁判において解雇無効の判決を求めて活動を続けていくことを表明する」としています。(大阪府本部)

群馬県警による街頭宣伝の妨害問題 群馬弁護士会で意見陳述  

 群馬県警が街頭宣伝活動に介入、妨害している問題で、昨年12月24日、群馬弁護士会人権擁護委員会による聞き取りがおこなわれました。
 この問題は群馬県警が県庁前でのハンドマイク宣伝を、群馬県道路交通法施行細則を理由に介入、妨害を続けていることに対して、国民救援会や県労会議などでつくる「街頭宣伝の自由を守る群馬の会」がやめるように申し入れを続けているもので、弁護士会に人権救済の申し入れをおこなっていました。
 意見陳述では県労会議の安藤哲雄事務局長が街宣規制の経過を説明し、新婦人県本部の田島千佐子会長が、警察の妨害の実態を話し、「憲法に基づく言論の自由を行使しているだけで、通行人の邪魔などしていないのに、警察が許可は取っているかなど大声で言ってきて写真撮影までされ、戦前のようで怖かった」と率直な感想を伝えました。
 国民救援会の大橋隆事務局次長は、警察への恐怖心から街頭での意見表明を抑制する事態を生みかねないと訴え、憲法を守る立場から一日も早く弁護士会の判断を出すように要請しました。
(県本部版より)

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