日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2016年12月5日号

2016年12月5日号  

京都・長生園不明金事件 「西岡さんは無実だ」逮捕から17年目に宣伝 京都  

 無実の西岡廣子さんが3千万円横領の犯人とされ不当逮捕されてから17年目を迎えた11月12日(逮捕は10日)、長生園不明金事件の真相を究明する会では、宣伝行動と講演会を開催しました。
 宣伝行動は3台の宣伝カーの組とハンドマイク1組を編成。南丹市の旧園部町内の各所をまわって、錦秋の丹波路に「長生園不明金事件は終わっていません」、「西岡廣子さんは無実です」、「裁判のやり直しを求めています。知っていることがありましたらご連絡ください」などの声を響かせました。
 午後は、近隣の会場に50人を超える人々が参加し、弁護団の福山和人弁護士が約1時間にわたって講演。長生園、警察、検察のいずれも西岡さんの横領の証拠を示せず、証言も破たんして裁判官が推論を重ねて認定した不当な認定だったと語りました。
 東住吉冤罪事件の朴龍晧(ぼくたつひこ)さんとお母さんの李文子さんも参加し、支援へのお礼と、朴さんから20分間ほどのお話がありました。
(府本部版より)
 事件は、老人福祉施設の長生園で、6年間に588件、約3千万円ものショートステイ利用料金が不明になる不祥事が発覚したもので、当時担当事務職員として熱心に不明金の調査にあたった西岡さんが、横領・着服の犯人として解雇され告訴されたものです。
 裁判では、1件9万8880円を着服したとして懲役1年、執行猶予4年の有罪判決が確定しました。「真相究明の会」は、毎月1回の宣伝など粘り強く運動を進め、真相究明と再審請求実現をめざしています。

長野・冤罪あずさ35号窃盗事件 支援集会に80人 Yさん「半歩でも前進したい」  

 冤罪あずさ35号窃盗事件の再審請求棄却報告集会(主催:特急あずさ窃盗冤罪事件無実を勝ちとる会、国民救援会)が11月6日、諏訪市で開かれ、80人が参加しました。
 事件は2005年、当時諏訪市職員であったYさんが、東京への出張の帰り、特急あずさ号の車内で財布を窃盗したとして犯人にされたもので、一審は無罪、二審で懲役1年2月の逆転有罪判決となり、最高裁で確定したものです。Yさんは満期出所後、「私は窃盗などやっていない」と再審を申し立てましたが、今年2月、最高裁が再審を認めない不当決定を出しました。
 集会では、不当決定のポイントについて国民救援会の鈴木猛事務局長が報告し、記念講演では布川事件の桜井昌司さんがみずからの体験を語り、冤罪を作り出す警察、検察、裁判所を厳しく批判しました。また、事件当時、出張で一緒だった金子ゆかりさん(現諏訪市長)が激励にかけつけました。
 あいさつに立ったYさんは「私は窃盗などやっていません。再審開始を信じていました。本当のこと(無実であること)は、自分が一番よく分かっています」と述べ、「逮捕されて1週間眠れなかった。その悔しさはいまも同じです」と涙を浮かべ、悔しさをにじませました。「裁判記録をもう一度見直して、半歩でも前進したい」と冤罪を晴らすまでたたかう決意を述べました。
 最後に、不当決定に抗議し、再審無罪を求めるアピールを参加者全員で採択しました。

第226次最高裁統一要請行動 公正審理訴え 4事件40人が参加 最高裁  

 最高裁でたたかう事件関係者が統一して要請行動をおこなう第226次最高裁統一要請行動が11月17日におこなわれ、4事件40人が参加しました。早朝に最高裁前でビラ配布と宣伝行動をおこないました。
 岡山・倉敷民商弾圧事件(小原(こはら)・須増(すます)裁判)の被告人・小原淳さんは、「自分たちがやったことが、果たして社会にどれだけの害悪をもたらしたのか。判決にはそれが書いていない」と地裁、高裁の判決を批判しました。支援者は、「仲間が助け合って適正な申告をするすることがなぜ処罰の対象になるのか」などと訴えました。
 民事・労働事件では、北海道・専修大学道短大不当解雇撤回裁判の原告・寺本千名夫さんが初めての要請をおこないました。短大閉学の承諾書に、ワープロで書かれた自分の名前と押した覚えのない学長印が捺印されていたことを不審に思い大学に抗議したところ、不当に解雇された事件の経過を話しました。さらに閉学を承認した会議を録音したとされる音声データが改ざんされていることを示す鑑定なども証拠請求したが、採用されずに敗訴したと述べ、最高裁は証拠を吟味して公正な判決を示してほしいと訴えました。
※参加事件=岡山・倉敷民商弾圧事件(小原・須増裁判)、東京・日東整争議、大阪・大阪市労組不当労働行為事件(事務所退去通告及び不許可処分)、北海道・専修大学道短大不当解雇撤回裁判

長崎・おおとり運送 廃業解雇撤回訴訟 不当な解雇を「企業の自由」  

 佐世保市のおおとり運送が、組合つぶしを目的に従業員に廃業を通知したため、会社を存続させ雇用を守ろうと、建交労おおとり運送分会が提訴した裁判で10月31日、長崎地裁佐世保支部は解雇は有効とする不当判決を出しました。
 判決では、企業主には職業選択の自由があり、企業を廃止する自由もあると示されており、事業廃止を伴えば、解雇は自由とする内容でした。経営者の職業選択の自由を憲法で保障された権利として指摘しながら、一方で解雇された労働者の雇用と生活など一顧だにしませんでした。原告は控訴しました。

茨城・土浦日大砂岡事件 中労委で勝利  

 土浦日大高校を運営する土浦日大学園が、解雇された職員の砂岡孝治さんの職場復帰をニュースにして配布したことにいいがかりをつけて文書配布を制限した問題で、10月26日、中央労働委員会が学園側の不当労働行為を認める救済命令を出しました。なお、砂岡さんは2度目の解雇をされ、現在水戸地裁土浦支部で解雇撤回を求めて裁判が続いています。

兵庫・神戸西区支部 独自に現地調査実施 滋賀・日野町事件  

 神戸西区支部では11月12日、30人の参加で滋賀・日野町事件の現地調査をおこないました。
 移動のバス内で、日野町事件をとりあげたテレビ番組「ザ・スクープ」を視聴。一審で「自白は信用できない」として無期懲役判決を下し、二審では「自白の根幹は信用できる」として同様の判決を下すという裁判官の「推定有罪」をおしすすめた理不尽さを告発しました。
 午後は現地調査で、阪原さんの自白により犯行現場とされている酒店と、奪われた金庫が発見された山の中で、滋賀の「再審無罪を求める会」の中野会長と川東前事務局長から丁寧な説明をしていただきました。年末の明け方5時頃にこんな山の中で金庫をこじ開けたという「自白」内容の荒唐無稽さには、皆さんあきれるほかはなかったのではないでしょうか。
 弁護団の小原弁護士によれば、裁判官は検察に対して「物的証拠」の一覧表の提出を要請していて、楽観はできないがいい方向に向かっている感触はあるとのことでした。
 私たちも東住吉事件に続くのは日野町事件だ、との確信と勢いをもって今後の取り組みを図らなければならないと強く感じました。(樋口房義)

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