日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2016年11月5日号

2016年11月5日号  

鹿児島・大崎事件 全てやり切り再審へ 現地調査  

 夫などと共謀して親族の男性を殺害したとされた原口アヤ子さんの再審を求めて、大崎事件の第18回全国現地調査が10月15〜16日、事件現場の鹿児島県大崎市内でおこなわれ、北海道から鹿児島まで87人が参加しました。

 夫などと共謀して親族の男性を殺害したとされた原口アヤ子さんの再審を求めて、大崎事件の第18回全国現地調査が10月15〜16日、事件現場の鹿児島県大崎市内でおこなわれ、北海道から鹿児島まで87人が参加しました。

新たに証拠開示
遺体撮影フィルムなど46点

 現地調査に先立つ事前学習会で、弁護団の鴨志田祐美弁護士が、証拠開示に急展開があったと報告しました。
 弁護団による再三の証拠開示請求によって、検察から遺体などを撮影した46本のネガフィルムが開示され、欠番のネガが1本あり、弁護団が再度開示を要求したところ、10月13日に検察から欠番のネガと合わせて新たに18本のネガが開示されたと報告されました。弁護団としては、次回三者協議(10月21日)でさらに証拠がないか追及すると報告されました。
 また、弁護団から第3次再審請求審の二つの新証拠をめぐる事実調べの成果について報告されました。一つは被害者の死因は「事故による出血死」である可能性が高いとする法医学者の吉田謙一教授の鑑定意見書で、増山洋平弁護士が報告しました。証人尋問で吉田教授は、遺体には窒息死の所見も頚部圧迫の所見もなく、タオルで首を絞めたことによる窒息死ではありえない」とし、一方「右胸部に内出血や肋骨骨折の所見があり、右側腹部、右腰部にも内出血を窺わせる所見があることから、事故死の可能性が高い」と明確に証言しました。検察側は吉田証言を崩すため、法医学者の近藤稔和教授を証人として尋問しましたが、弁護団の反対尋問に、被害者の遺体にある頚椎体前面の出血がタオルによる絞殺では生じないことを認めざるを得なかったことが報告されました。
 二つ目に、有罪認定の「決め手」とされた親族の目撃供述についての心理学鑑定と証人尋問の成果が報告されました。
 参加者はこの後、被害者が遺体で発見される前に自転車ごと道路の側溝に転落したとされる現場で、人形を使って転落状況の再現実験をおこない、事前学習で学んだ吉田教授の鑑定意見書と合わせて、事故死の可能性が高いと確信しました。

冤罪の怖さ再認識 当事者の家族も犠牲になり  

 2日目には、地元の「再審をめざす会」と支援者から、定期的に地元支援者が原口さんを激励する活動と、原口さんの近況が報告されました。原口さんは、施設で元気に生活しているが「現地調査の直前にベッドから落ちたこともあって、残念ながら今回は参加ができなかった」事情の説明がありました。
 各地の支援組織からの活動報告、初参加者を中心に現地調査の感想と意見が語られました。
 「遺体発見現場は、かつては原口さんの自宅をふくめ事件に巻き込まれた兄弟の自宅があった場所。今は家の跡形もなく、竹薮となっていたことに愕(がく)然(ぜん)としました。犯人とされた家族が事件後、そこに住めなかったことだと思うと、当事者だけでなく家族・親族までもバラバラにするのだと、あらためて冤罪の怖さを知りました」(北海道・桑名ちか子さん)
 「やはり現地を見て確信が持てました。絞殺でなく事故死であるという弁護団の説明も、自転車で側溝に転落した現場を見て納得しました」(福岡・澤山秀之さん)
 「弁護団の努力で審理は期待が持てるが、今回認められなければ次の再審請求さえ難しい。原口さんは89歳。やれることはすべてやりきって再審開始を勝ちとりたい」(東京・松木圓(まどか)さん)
 閉会の挨拶で、鹿児島県本部の永仮弘会長は、「11月末には最終意見書の提出という重要な局面を迎えています。原口さんが元気なうちに再審無罪を勝ちとるため地元としてもいっそう頑張ります」と、決意を述べました。
 鹿児島地裁あての要請決議を採択し、12月10日の日弁連主催の集会を成功させることを確認しました。(関連記事7面)

鹿児島・大崎事件 ネガが新たに開示 三者協議で検察が提出 鹿児島地裁  

 鹿児島・大崎事件の三者協議が10月21日に、鹿児島地裁でおこなわれました。
 記者会見で弁護団から、新たに18本の写真ネガフィルムが検察から提出され、弁護団に貸し出されたことが報告されました。これまで検察側が無いと言っていたフィルムが提出され、弁護団はプリントして、内容を精査することにしています。その結果によって、(11月末に双方が最終準備書面を提出することになっているが、それ以降も)、補充意見書は提出することがあると報告されました。次回の進行協議は11月22日。
 当日は鹿児島、宮崎、熊本の計15人の支援者が宣伝行動をおこない、104人分の署名の協力を得ました。
(堀田孝一)

高知・高知白バイ事件 片岡さんの請求棄却 最高裁へ特別抗告 高松高裁  

 右折待ちで停止中のスクールバスに高速走行してきた白バイが衝突し、バス運転手の片岡晴彦さんが業務上過失致死罪で禁錮1年4月の判決を受け、再審請求している高知白バイ事件。10月18日に高松高裁(半田靖史裁判長)は、片岡さんの請求を退ける決定を出しました。
 片岡さんは、最高裁に特別抗告しました。〈抗議先〉〒760―8586 高松市丸の内1―36 高松高裁・半田靖史裁判長

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