日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2016年11月25日号

2016年11月25日号  

警察の違法行為を再び断罪 東京・築地警察署公務執行妨害でっち上げ事件国賠 「警官の供述不自然」東京高裁  

目撃供述認め「暴行はない」
 築地市場前の路上において、2名の女性警官による不当な「駐車違反」の取締りに反論した二本松進さんが、やってもいない「公務執行妨害・傷害」で逮捕され、19日間勾留(不起訴)された事件で、東京都(警察)と国(検察)の違法行為の断罪を求めていた国賠裁判で11月1日、東京高裁で控訴審判決が出されました。裁判所は、二本松さんが暴行をおこなったとは認められないとして、逮捕と身体拘束を違法と認めた一審判決を支持し、都の控訴を棄却しました。(裁判長・白石史子、裁判官・小田靖子、矢作泰幸)

違法逮捕認め
 裁判では、運転者でない二本松さんに免許の提示を求めたり、二本松さんの妻に「逮捕するよ」などと脅迫した警察官の行為が「適切な公務」なのか、その「公務」を妨害する暴行を二本松さんが振るったのかが最大の争点になりました。
 判決は、暴行を受けたと述べる警察官の証言を検討。二本松さんのひじが「胸」などに直接当たったとする供述が、「切符かばんや腕」へと大きく変遷したことについて、不自然で信用性に疑問を抱かせると認めました。さらに、現場周辺にいた目撃者の「移動しながら口論していたものの、(二本松さんは)暴力は振るっていない」とする供述の信用性を認め、暴行がなかったと判断。逮捕・勾留は違法だとしてあらためて都に240万円の賠償を命じました。なお、事件を隠(いん)蔽(ぺい)するために、築地署の署員が組織的に調書をねつ造したことや、検察官が不起訴と引換えに、極めて軽微な暴行の被疑事実で「自白」を強要したことについては、裁判所は違法性判断をしませんでした。

権力の闇追及
 二審でもまともに反論できなかった都は上告をせず、判決は確定しました。
 二本松さんは「勝利したが不満は残る。警察は組織ぐるみで虚偽の見分調書をねつ造し、法廷で偽証した。検察は『プライバシー』を理由に、証拠を開示しない。裁判所は証拠開示を命令する権限があるのにそれをせず、『違法行為を認めるに足りる証拠はない』と警察・検察を擁護する。司法は腐りきっていると思った」と悔しさをにじませました。
 一方で、「この貴重な経験をフルに活かし、今後は闘いのステージを変えて、書籍の執筆や他の事件の支援などで権力の横暴の実態を国民に伝えていく」と決意を述べています。

静岡・袴田事件 証拠開示命じず 東京高裁  

 強盗殺人・放火事件の犯人とされた袴田巖さん(2014年3月、再審開始と刑の執行停止で釈放)の再審請求審の即時抗告審で、裁判所、検察、弁護団による三者協議が11月7日に東京高裁(大島隆明裁判長)でおこなわれました。
 弁護団が求めていた検察の全証拠リストの開示について、大島裁判長は現時点では開示命令をおこなわないと決めました。すでに裁判所から開示勧告が出ていますが、検察はしたがっていません。また、再審決定の根拠になった弁護側DNA型鑑定の検証実験について、裁判所が実際の試料を用いる「本実験」に入ったことなどを伝えました。
 同日、袴田巖さんの再審無罪をめざす実行委員会は高裁と高検に要請行動をおこない、DNA鑑定の検証は無意味であり、その他の証拠によっても死刑判決は破たんしているとして、検察の即時抗告の棄却を求めました。

福岡・福岡市民病院渡利美幸さん雇止め撤回訴訟 再び不当判決 闘い最高裁へ  

 福岡市民病院の看護助手として1年有期契約で働いていた渡利美幸さんが雇い止め撤回を求めた裁判で、10月24日、福岡高裁は、「有期契約労働者は経営者の都合で採用しており、雇用契約更新の期待権はない」とする一審不当判決を支持し、訴えを棄却しました。
 渡利さんは有期雇用・非正規労働者の雇用と権利を奪う判決を受け入れることはできないとして、最高裁に上告して闘う方針です。

いのちのとりで裁判 すべての命と生活守れ 支援する「全国アクション」設立  

 安倍政権が強行した生活保護基準の引下げは、「健康で文化的な最低限度の生活」を保障した憲法25条に違反するとして、全国の受給者が提訴している裁判を支援する全国組織「いのちのとりで裁判全国アクション」が11月7日、国会内で設立記念集会を開き、220人が参加しました。国民救援会も賛同団体として名を連ねました。
 安倍内閣は2013年以降、最大10%まで段階的に生活保護基準を引下げました。これに対し、全国27都道府県で900人を超える原告が違憲訴訟を起こしています。集会では、生活保護基準という「命の砦」を守り、よりよいものにすることは、すべての人の命と生活を守ることにつながるとするアピールを採択しました。

無罪勝ちとる決意固める 岡山・倉敷民商弾圧事件 東京で集会  

 税理士法違反などで起訴され、裁判をたたかう倉敷民商事務局員の小原淳さん、須増和悦さん、禰屋町子さんの無罪を勝ちとろうと、11月5日、「納税者の権利と徴税権力―倉敷民商弾圧事件を考える全国の集い」が東京都内で開催され、16都道府県・7中央団体から138人が参加しました。(主催=全国連絡会、東京の会、全商連、国民救援会、賛同=11団体)

裏金の実態を暴く
 弁護団事務局長の岡邑祐樹弁護士から裁判の現状が報告され、最高裁でたたかう小原・須増裁判では、総勢47人の弁護団が最高裁に弁論を開かせるたたかいを展開していると報告。禰屋裁判では、不公平な訴訟指揮のもと、一審の最終弁論を迎える重要局面であることが報告されました。
 つづいて元朝日新聞編集委員の落合博実さんが「ジャーナリストが見た徴税権力の正体」と題して記念講演。落合さんは、過去の取材に基づき、政治家や警察、国税庁などの裏金づくりの実態を告発しました。また、独自に入手した愛知県警の「裏金帳簿」を会場で公開。収入欄に「概算旅費 13万6710円」、支出欄に「本庁関係来庁者みやげ代」や「○○新聞○○記者への餞別」などと記載されており、カラ領収書でプールした裏金を運用していた事実を明らかにしました。国税庁の裏金作りも告発し、民商を「反税」団体として敵視する国税庁を批判し、倉敷民商のたたかいを、広く国民の共感が得られる運動にしてほしいと述べました。

弾圧に拡大で応え
 続いて当事者3人の訴えに参加者が拍手を送りました。
●小原さん 毎日署名が事務所に届いています。ありがとうございます。弾圧には民商の拡大で応えようと頑張っています。
●須増さん 私たちが逮捕・勾留され、残されたみんなで民商を守ってくれた。退会した会員も戻ってくれた。希望はあります。
●禰屋さん 裁判長は検察側に寄って裁判をしています。公平な裁判ではありません。ぜひ署名を集めてください。

 地元・岡山の会からは、毎週火曜日に裁判所前で宣伝をしていることや、11月と1月に集会とデモ行進をすることが紹介されました。兵庫の会からは、10月20日に全県20カ所でいっせい宣伝をおこなった経験が紹介されました。
 最後に国民救援会の鈴木猛事務局長から、署名や禰屋裁判の傍聴、最高裁への手紙運動などに取り組むことが提起され、「団結ガンバロー」で決意を固め合いました。

powered by Quick Homepage Maker 3.60
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional