日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2016年10月5日号

2016年10月5日号  

悪法、人権侵害やめよ 全労連、自由法曹団と警察庁などへ要請  

 日本国民救援会は9月21日、全国労働組合総連合、自由法曹団とともに、「共謀罪」新設や沖縄・高江での暴力的警備、大分・別府警察署による盗撮など、安倍政権の悪政のもとで起きている悪法制定の動きや人権侵害を許すなと、内閣府と警察庁に対して、抗議・要請をおこないました。なお、要請行動には、全労連・笠井智仁常任幹事(組織・法規対策局長)、自由法曹団・西田穣事務局長、国民救援会・鈴木猛事務局長、岸田郁事務局次長が参加しました。

「共謀罪」の新設市民監視を許さない

 3団体の代表はまず内閣府を訪れました。内閣府の担当者に対し、全労連・笠井常任幹事が要請書を手渡し、「政府は通常国会での提出を予定していると報道されている。われわれは『共謀罪』新設に反対する」と述べ、要請しました。
 要請書では、「共謀罪」新設の狙いが、「戦争をする国」づくりに反対する国民のたたかいを抑えるためのものであることを指摘し、次のようにその問題点を批判しています。
 第1に、「共謀罪」は、憲法の思想・信条、内心の自由を侵します。「共謀罪」が、犯罪について話し合い・合意するなど、犯罪の実行(着手)前の「共謀」を罰するため、警察が国民の内心に踏み込み捜査することになります。
 第2に、「共謀罪」は、広く市民、団体を監視することになります。政府は「テロ対策」のために「共謀罪」が必要と強調していますが、 峩λ添瓠廚適用される犯罪が600を超え、テロとは関係のない、市民生活に関わる犯罪が含まれていること、対象となる「組織的犯罪集団」の要件があいまいであることなど、広く市民団体が対象とされる危険性があります。
 第3に、「共謀罪」は、警察の日常的監視、市民同士の相互監視による密告、「おとり」捜査員の潜入による組織つぶしの危険があります。

別府警察の盗撮違法捜査の徹底究明

 警察庁では2つの問題で要請しました。
 まず、大分・別府警察署による夏の参院選での野党候補を支援する団体への盗撮事件について要請しました。
 要請書では、今回の盗撮が、「公選法捜査に名を借りた重大なプライバシー侵害の違法捜査」であると厳しく批判。警察が野党候補に打撃を与えるための政治的狙いをもって情報収集していたと考えられると指摘。そのうえで、違法捜査について反省のない警察庁の姿勢に強く抗議し、‥雹の真相の徹底究明、△海量簑蠅紡个祁抻…はどのように対応・指導したのか、A換馘な盗撮の実態の調査を求めました。
 要請に際し、国民救援会の鈴木事務局長は、「警察は盗撮を『捜査のため』に問題ないとしているが、それでは『捜査』の名目でいくらでも盗撮ができてしまい、プライバシーを侵害する」と厳しく批判しました。
 しかし、対応した警察庁の担当者は、「ご意見は担当部局に伝えます」との態度に終始しました。

高江・暴力的警備 機動隊は直ちに撤退を

 次に、沖縄・高江での米軍ヘリパッド建設に抗議する住民・市民に対する機動隊の暴力的警備に抗議し、撤退を求める要請をおこないました。
 要請書では、参院選での基地建設に反対する「オール沖縄」の候補の勝利など、沖縄県民の声を無視し、東(ひがし)村(そん)高江に、6都府県から500人の機動隊を配置した異常警備を指摘。機動隊が無抵抗な住民・市民を力ずくで排除し、ケガを負わせるなど無法状態となっていると批判。ただちに、高江における機動隊を含む警察による暴力的排除行為をやめること、高江から機動隊員を撤退させることを強く求めています。
 警察庁の担当者は「交通の危険防止のためで、法令にもとづく適切な措置である」と回答。これに対し、自由法曹団・西田事務局長が、「500人の機動隊員が必要な状況にあるのか」と迫ると、担当者は回答できませんでした。

静岡・袴田事件 弁護団 長期化を批判 検察の即時抗告棄却を 東京高裁  

 1966年に起きた強盗殺人・放火事件の犯人として袴田巖さんの死刑が確定し、2014年に再審開始決定が出された袴田事件の三者協議が9月15日、東京高裁(大島隆明裁判長)でおこなわれました。
 東京高裁は、再審開始決定の理由の一つである弁護側推薦の鑑定人がおこなった鑑定方法について、昨年12月に検証実験をおこなうことを決定しました。弁護団をはじめ国民救援会や支援団体では、東京高裁に対して無意味な検証実験を直ちに中止し、検察の即時抗告を直ちに棄却すべきと要請をおこなってきました。
 協議後、弁護団は記者会見で、DNA鑑定検証実験の予備実験が始まったことなどを報告しました。
 西嶋勝彦弁護団長は、「予備実験は検証実験の具体的な方法を決めるためのプロセスで、ようやく検証実験が始まったばかり。裁判所は検証実験の結論がいつ頃出せるかの見通しを明らかにできませんでした」と、即時抗告審の長期化を批判しました。
 また、弁護団は先の国会での刑訴法「改正」により、今後通常審では検察官の手持ちの証拠のリスト開示が法制化されることを受けて、あらためて事件の真相解明と迅速な審理を促進するために、裁判所に証拠開示を申し立てました。これに対し検察は、通常審と再審手続きとの違いなどを理由に、証拠開示は必要ないと反対意見を述べています。
 東京高裁は、次回の協議(11月7日)までに判断を示す意向を明らかにしました。

第225次最高裁要請行動 事実と証拠に基づき公正な判断を 7事件58人が参加  

 第225次最高裁統一要請行動が、9月21日におこなわれました。東京は前夜から明け方に台風が通過し、天候が心配されましたが、雨はあがり、7事件の当事者・支援者と国民救援会中央本部、東京都本部、神奈川県本部、愛知県本部、岡山県本部などから58人が参加しました。
 早朝、最高裁西門前で宣伝行動、国民救援会の宣伝カーから、事件関係者が訴えました。倉敷民商弾圧事件については岡山から3人が参加し、全商連の原さんがマイクを握りました。宮城や福島から駆けつけた自衛隊の国民監視差止訴訟では、弁護団の小野寺弁護士が、またJAL不当解雇行政訴訟、日東整争議、大阪市の組合事務所使用不許可訴訟の代表がそれぞれ訴えました。7月20日に不当な上告棄却決定を受けたDNPファイン偽装請負争議が抗議の声をあげ、中部電力過労自死不受給決定取消訴訟の関係者も要請に駆けつけました。
 最高裁への要請は、刑事事件では倉敷民商弾圧事件について15人が、労働・民事事件では13人が要請しました。
 最高裁の担当者に署名を提出し、倉敷民商事件では小原さん、須増さんの訴えを代読し、民事事件では当事者が「最高裁でこそ事実と証拠に基づき公正な判断をするように」と力を込めて訴えました。

鹿児島・大崎事件 原口さんに再審を 11月末に最終意見書 鹿児島地裁  

 原口アヤ子さんら4人が共謀して、親族の男性を殺害したとされた鹿児島・大崎事件の第3次再審請求審で9月12日、鹿児島地裁で三者協議がおこなわれました。
 弁護団によると、検察が未提出のネガフィルムに関して、裁判所が「あるのかないのかを書面で10月14日までに報告するように」と検察側に勧告しました。また、ない場合は、その理由を書くように、存在する場合は開示勧告をする意向であると述べたということでした。
 検察側の補充意見書(和歌山県立医科大学の近藤稔和教授)については、弁護側は新たなことはせず、11月末までに双方の最終意見書提出で審理を終了することを確認しました。
 三者協議の前には鹿児島、宮崎の支援者と村山弁護士、あわせて14人が天文館前で署名宣伝行動をおこない、1時間で106人分の協力が寄せられました。自ら署名に来てくれる人が何人もいました。(宮崎・堀田孝一)

熊本・松橋事件 検察、再審に抵抗 裁判所は即時抗告の棄却を 福岡高裁  

 殺人事件の犯人とされた宮田浩喜さんが再審請求を申し立て、今年6月に再審開始決定が出された松橋事件は、検察の即時抗告により、現在、福岡高裁に係属しています。
 熊本地裁は凶器とされた小刀と被害者の傷痕が矛盾するということ、宮田さんの「自白」が虚偽の疑いがあるとして再審開始を決定しました。
 8月30日におこなわれた三者協議では、検察側は、小刀と傷の一致を証明するため、法医学者の意見書を新たに準備し、抵抗する姿勢を見せています。
 次回の三者協議は11月24日。

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