日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2016年10月25日号

2016年10月25日号  

倉敷民商弾圧事件 証拠調べず終結へ 証人却下12月結審   

 法人税法違反と税理士法違反で倉敷民商事務局員の禰屋(ねや)町子さんが起訴されている裁判で10月6日、岡山地裁の江見健一裁判長は、不当にも弁護団の証拠請求をすべて退け、証拠調べの終了を宣言。次回12月14日を結審として、期日指定を強行しました。

 公判で、予定されていた禰屋さんの被告人質問が終了した後、採否未了等で残されたままの「証拠の整理」がおこなわれました。裁判所は、弁護団が請求していた証人をすべて却下し、証拠調べの終了を宣言しました。

検察の肩持つ不公平な裁判

 これを受けて弁護団は、裁判所の判断は公平性を欠くとして、3人の裁判官全員の忌(き)避(ひ)を申し立てました。ところが江見裁判長は、忌避を簡易却下するとともに、次回期日の指定を強行。12月14日に検察の論告・求刑、弁護団の最終弁論をおこなうとして閉廷しました。
 禰屋さんは法人税法違反(脱税)と税理士法違反で起訴されています。裁判所は法人税法違反について、訴追側の当事者である木嶋輝美査察官の意見書を「鑑定書」として証拠採用する一方、弁護側が求めた意見書や証人の証拠調べは一切おこなわずに最終弁論を迎えることになります。
 傍聴した国民救援会中央本部の本藤修副会長は、「審理が一気に最終盤を迎えたことにより、法廷外の支援運動は、それにふさわしいギアチェンジをはかり、不公平な審理態度を正し、憲法に基いた道理ある公正な判決を求める大運動の展開が求められている」と話しています。

意図が不明な検察官の質問

 なお、この日の公判では、税理士法違反に関する禰屋さん本人の被告人質問が続行され、検察官による反対質問、裁判官による補充質問、弁護団からの再主質問がおこなわれました。
 反対質問のトップに立った津村検察官は、禰屋さんに対し、「減価償却は計算するのか」「決算報告書を作るときチェックするのか」などの実務についての一般的な質問を繰り返しました。しかし、質問の意図が不明なうえ、「確認と記憶喚起のため」等として示そうとする書証を取り違えるなどして、弁護団からは異議・具体的質問事項への要求や誤りの指摘がされ、裁判長からも注意や質問趣旨を確認されるなど、しばしば沈黙し立ち往生する事態となり、傍聴席から失笑と苛立ちの声が漏れました。
 検察官の反対質問、裁判官の補充質問は、いずれも税務書類の作成にかかわる「自己の判断」の有無に集中し、税務書類の作成にはあたらないとされている決算書作成作業にまで逸脱した質問を繰り返して言(げん)質(ち)を取ろうとしたものでした。しかし禰屋さんの供述が崩れることはありませんでした。

〈抗議・要請先〉〒700―0807 岡山市北区南方1―8―42 岡山地裁・江見健一裁判長

署名15万名を突破 支援者が裁判所要請  

 公判に先立ち、裁判所前で「江見健一裁判長は公正な訴訟指揮を」などの横断幕を掲げて宣伝行動がおこなわれました。宣伝では「検察側の証人・証拠は採用するが、弁護側の証人・証拠は拒否する不公平な訴訟指揮をして公正な審理ができるのか」などとマイクで訴えました。
 その後、岡山地裁に要請。累計で15万914人となった署名を提出し、「15万を超える署名の重みを裁判長に伝えてほしい」などと要請しました。応対した総務課長は「皆さんの主張を署名とともに裁判長に伝える」と回答しました。

三重・名張毒ぶどう酒事件 裁判所前に200人 無念の獄死1周年行動 名古屋高裁  

「ただちに再審開始を」声轟(とどろ)く
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 ぶどう酒に農薬を混入し、6人を殺害したとして死刑判決を受けた三重・名張毒ぶどう酒事件の奥西勝さんの「無念の獄死1周年行動」が10月4日に名古屋高裁前でおこなわれ、200人を超える支援者が集まりました。
 はじめに再審請求人で奥西さんの妹の岡美代子さんが「兄は無実を訴えて亡くなりました。さぞ無念だったと思います。兄はやっていません。裁判官の方にはきちんと調べてほしいと思います」と訴えました。
 弁護団の岡村晴美弁護士が新証拠を提出したことを報告し、「あらゆる証拠を提出し、ただちに実質的審理に入るよう、裁判所に訴えてきた。再審開始へ全力で頑張る」とあいさつしました。
 東住吉冤罪事件の青木惠子さんは、「先日、再審無罪となったが、獄中にいた時も奥西さんのことを思っていた。早く再審をしてほしい」と訴え、特別面会人の稲生昌三さん、兵庫の加藤三彦さん、大阪の河角信治さん、東京の佐藤泰子さんなど各地の代表が訴え、最後にシュプレヒコールに合わせ「ただちに再審!名張事件」などと書かれたボードを掲げました。
(愛知県版より)

弁護団が新証拠提出 毒物鑑定の主張など補強  

 名張事件の弁護団は10月4日、あらたに毒物の鑑定をはじめ、封かん紙に関する照会結果、心理学者の意見書などの新証拠を名古屋高裁に提出しました。弁護団の会見によれば、新証拠は「毒物が自白と違う」とする弁護団の主張への検察の反論に応えたもので、弁護団の菊地令比等弁護士は、「理論上も、実証実験としても、検察の主張を打ち破るものとなった」と話しました。

高知白バイ事件 再審へ総決起大会 四国 4県本部が共同で  

 停止していたスクールバスに白バイが衝突し、バス運転手の片岡晴彦さんが業務上過失致死で実刑判決を受け高松高裁に再審を求めている高知白バイ事件で、9月24日、「再審開始決定を勝ちとる総決起大会」が高松市内で開かれ、70人が参加しました(国民救援会四国ブロック、片岡さんを支援する会の共催)。
 支援する会の高木幸彦会長は開会の挨拶で「救援会の協力で総決起大会を開くことができた。これを契機に地元支援する会を活性化し、再審に向けて頑張る」と決意表明。国民救援会香川県本部の岡田淳会長、徳島県本部塀本信之副会長、愛媛県本部大西信吾会長が激励と連帯の言葉を述べ、高知県本部の田中肇会長が事件発生から再審申立てまでの経過を報告しました。弁護団の坂本宏一弁護士は「再審には弁護士だけでなく、支援の力、世論で裁判所を包囲することが大切だ」と支援の強化を呼びかけました。特別講演で布川事件の桜井昌司さんは、「やるべき運動はまだある。最後までやり切ろう」と激励しました。
 当時、バスの後方で停車していた乗用車に乗っていた校長先生は、「バスが止まっていたのは間違いない。裁判で私の証言を取り上げてくれず無念でならない」と発言しました。
 最後に片岡さんが、「6月から毎月3の日に高松市の商店街で訴えている。私は諦めません。変わらぬご支援をお願いします」と訴えました。(松浦章仁)

愛知・河合塾ユニオン講師解雇撤回争議 解雇自由に断罪 県労委が職場復帰を命令  

 河合塾に勤務していた佐々木信吾さんが、厚労省が作成した労働契約法改正についてまとめたリーフレットを同僚に配ったことで、無許可でビラを配ったとして解雇された事件で、8月30日、愛知県労働委員会は河合塾に対し、佐々木さんの職場復帰とこの間の給料の支払いを求める命令を出しました。
 事件の真相は、1年契約の講師らが労働組合を結成したことに対する報復でした。労働環境やカリキュラムの改善により、働く人も学ぶ学生も充実できるようにする活動でしたが、河合塾がこれを敵視。施設管理権を盾に敷地内で物を渡す行為は許されない、ついには誕生日の案内など個人的なものも渡してはならないなどと干渉し、1年契約なのでいつ契約解除しても構わないなどとして佐々木さんを解雇しました。
 今回の命令により、解雇が自由におこなえるのが常識とされた塾講師も、労働者の権利があり、河合塾の横暴が断罪された形となりました。しかし、河合塾側が命令に従うかどうかは不透明で、裁判になれば長期化も懸念されています。(愛知県本部)

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