日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2015年9月25日号

2015年9月25日号  

名張事件 生あるうち救済を 400人が裁判所包囲  

 ぶどう酒に毒物を混ぜ5人を殺したとして、名古屋高裁は奥西勝さんに対し、一審の無罪判決を破棄して、死刑判決を言い渡しました。1969年の死刑判決から46年目にあたる9月10日、一日も早い再審をめざして「名古屋高裁集中行動」がおこなわれました。

 当日は台風18号が通過し、晴れ渡るもとで、北海道から南は岡山まで18都道府県から400人を超える支援者が駆けつけ、裁判所前でのぼりや横幕を掲げ、アピールしました。多くの報道陣が集まりました。
 行動では、国民救援会愛知県本部の渥美雅康会長のあいさつ、弁護団報告につづき、袴田巖さんの姉・秀子さんが「がんばれ奥西さん」と声を振り絞り、布川事件の桜井昌司さんは「検察が50年以上も証拠を隠し続けているのは許せない」と抗議しました。特別面会人の稲生昌三さんから奥西さんの近況が報告されました。「奥西勝さんの生あるうちの救済を心から求めます」とアピールが読み上げられ、最後に、参加者は裁判所に向かって、「ただちに再審開始を決定せよ!」と声を上げました。
 集中行動後、裁判所・検察要請と栄などの繁華街での宣伝に別れて行動しました。
 要請行動では、「奥西さんは89歳で拘束する必要はない。直ちに釈放を」、「帝銀事件の平沢さんのように獄中死させてはならない」、「検察は隠しているすべての証拠を出せ」、「宣伝でビラを配ると、『おかしな裁判だ』と言われる。市民は裁判所を見ている」、「奥西さんの容態を考えると、毎日胸がドキドキする、いますぐ自由の身に」など、参加者全員が訴えました。

奥西さん一時危篤に病状一進一退つづく  

 奥西さんは8月中旬に4日ほど40度を超える高熱が続き、血中酸素が80%に低下して一時危篤状態となりました。その後どうにか持ちこたえて意識も戻ったものの、一進一退を繰り返している状況です。
 9月9日に八王子医療刑務所に行った特別面会人の稲生昌三さんによると、病室の鉄格子の窓越しに奥西さんを眺めると、高熱が出ているようで目を閉じ、口をハッハと動かして辛そうな様子だったとのことです。

袴田事件 「長い人生無駄に」一刻も早い再審を要請 ボクシング王者も要請  

 一家4人を殺害したとして袴田巖さんが死刑判決を受けた袴田事件。再審開始決定に検察が異議を申し立て、現在東京高裁で審理中です。9月3日、日本プロボクシング協会や国民救援会、アムネスティ・インターナショナル日本など8団体の共催で、宣伝行動と要請行動がおこなわれ80人が参加しました。

 この行動には、日本プロボクシング協会から、WBA世界ライトフライ級チャンピオンの田口良一さん、元世界2階級チャンピオンの八重樫東(あきら)さんが参加。布川事件の桜井昌司さん、足利事件の菅家利和さん、名張事件の特別面会人・稲生昌三さんなど事件関係者も参加し、メディアの注目を集めました。
 裁判所には代表20人が1200人分の署名を携えて要請。日本プロボクシング協会事務局長の新田渉世さんは、韓国やタイのボクシング協会も支援を決定をしたことを伝え、「罪のない人を救いたい一心でやっている」と検察の異議を棄却するよう求めました。チャンピオンの田口さんは、「袴田さんは48年間長い人生を無駄に過ごした。一刻も早く再審を」と訴えました。桜井さんは、「非科学的な検察の主張に引きずられず、すぐに決定を」と訴え、裁判所の決断を迫りました。

全国から80人が宣伝・要請 救援会は31人が参加  

 今回の行動には8都道府県の国民救援会から31人が参加しました(北海道、京都、愛知、静岡、東京、神奈川、千葉、茨城、中央)。
 北海道から来た高松修二さんは、「桜井さんや菅家さんの言葉に冤罪のひどさをあらためて実感した。WBCが結束して世界中のボクシングファンが袴田さんを応援している力強さも感じた」と話しました。

岡山・倉敷民商弾圧事件(禰屋裁判)有罪根拠の弱さ露呈 税理士も無資格職員が書類作成 岡山地裁  

 法人税法違反と税理士法違反として起訴された倉敷民商弾圧事件の禰屋町子さんの裁判が、9月4日、岡山地裁(中田幹人裁判長)でおこなわれ、検察証人の石木紀和・広島国税局税理士専門官と、那須一郎・中国税理士会登録調査委員長税理士が証言しました。いずれも税理士法(税理士独占業務)にいう「(自己の判断にもとづく)税務書類の作成」とは、どのような行為か、が立証趣旨です。
 石木証人は、小原・須増裁判で証人出廷した際、本件にまったく関与していないことを前提に、税理士法の形式的で乱暴な解釈に徹し、弁護人の反対尋問で何が税理士法違反の行為となるのか明確に証言できませんでした。今回、検察は、事前に訴訟記録を読ませ、それを前提事実としての解釈を求めたために、弁護人から異議が続出、「証人とは自己の体験を語るものなのに、あたかも鑑定人であるかのごとき証言を求めている。こんな伝聞証言では反対尋問ができない」と厳しく批判し、しばしば審理が中断して、検察は予定した尋問を省略して持ち時間枠を終える事態となりました。
 那須証人も小原・須増裁判での証言をより具体的に語り、「自分の税理事務所では税理士資格のない職員が自己の判断にもとづいて確定申告書を作成しているが、最終的に自分が見て署名・押印するから問題ない」などと証言。本件で民商会員が最終的に確認して署名・押印するのとどう違うのかという問題を浮きぼりにしました。
 裁判所による検察寄りの異常な訴訟指揮が突出し、石木証人に対する補充質問では、禰屋さんがおこなった実務に間違いはないかとしつこく尋問、証人は「適正だった」と明言しました。(本藤修)

大阪・中津学園刑事弾圧事件 安東さん「横領してない」控訴審が終審、判決10月5日大阪高裁  

 中津学園・安東育子さんの150万円横領被疑事件の控訴審第2回公判が9月7日、大阪高裁で開かれました。
 公判ではまず安東さんに対する被告人質問がおこなわれ、弁護人から150万円の受け取りは争わないということについて質問され、一審段階と同様に覚えていないことには変わりがないが、従前どおり佐伯園長の指示に従って払戻し、払い戻した後は必ず学園側に渡しているはずだと述べました。さらに、被害者に150万円を弁償した理由について問われると、安東さんは「一審判決で、自分がやってないのに刑務所へ入らなければならないと言われて大変ショックでした。私はそれまで自分の無実のことばかり主張してKさんの被害については思いが至りませんでした。Kさんにはたいへん申し訳ないと思っています。園長の指示であったとしても、私もKさんのお金を扱っていたので責任の一端があると思い弁済しました」と述べました。検察官の質問に対しても「弁済した150万円は必ず法人から取り戻す。私は横領などしていません」ときっぱり述べました。
 その後、4人の弁護人がそれぞれに、法人は自らのずさんな会計を隠蔽するために嘘を重ね検察の判断を誤らせミスリードしている。150万円の不明金は当時資金繰りに窮していた法人の仕業である。法人がついてきたウソは安東さんを陥れるためのもの。民事事件係争中に相手を陥れるため(企業などが)デッチ上げをした例は過去にいくつもある。証拠不十分な本件に対し、法人は控訴審においても新たに被害者を利用し、うその手紙を書かせるなど、安東さんを陥れようとしている。許しがたいことで、裁判所の真摯な判断を求めたいと鋭く迫りました。
 判決は10月5日と指定されました。(大阪府本部)

真実語り継ぐ 亀戸事件で追悼会 東京・亀戸  

 1923年9月に起きた関東大震災の際、当時の東京の南葛地域(現在の江東区、墨田区)で高まりつつあった労働運動や民主主義運動の弾圧を狙い、南葛労働会の幹部の川合義虎など青年10人が警察と軍隊によって虐殺された亀戸事件の追悼会が、9月6日、江東区の浄心寺でおこなわれ、75人が参加しました。
 追悼会は、国民救援会も参加する実行委員会の主催で毎年おこなわれているものです。治安維持法国賠同盟、日本共産党東京都委員会、日本民主青年同盟などの代表が追悼の辞を述べ、戦争立法の成立が狙われている状況のもと歴史的事実の歪曲を許さず、後世に真実を伝えようと誓い合いました。

監視社会を止めよう 共謀罪廃止求め市民集会  

 9月7日、第二東京弁護士会主催の市民集会、「共謀罪と監視社会について考える〜国連越境組織犯罪条約のために600の共謀罪は不可欠か〜」が東京都内でおこなわれました。ジャーナリストの青木理さん、弁護士で元法務大臣の平岡秀夫さんがパネリストで、弁護士の海渡雄一さんがコーディネーター兼パネリストとして参加しました。
 最初に海渡さんが共謀罪について、犯罪をおこなうことを合意しただけで成立するもので思想を処罰するのと紙一重であること、しかも600もの犯罪に関して共謀罪を設けようとしていることなど基本的な説明。青木さんは、盗聴法・刑訴法改悪案には対象犯罪の限定などの歯止めがあり、これまで使えなかったが、いま国会で議論されていることが決まれば公安警察が盗聴法を使えるようになる。共謀罪は検察・警察がほしがっているものだと述べました。

福井女子中学生殺人事件運動の裾野広げる 前川さんを守る会が地元福井に結成  

 9月5日に「前川彰司さんを守る福井の会」の結成総会が総勢74人の参加で開催されました。
 福井事件は、第二次再審を目指して準備中で事件をもっと広範な人に知ってもらうために運動の裾野を広げ結成しました。
 当日は、結成にあたり「支援する愛知の会」の仲間3人が激励のために参加されました。
 第1部は前川彰司さんから、逮捕されてからの過酷な取り調べ等の実態と、7年間の刑務所暮らしの辛さ、いまでも苦しんでいる実態が話されました。
 続いて愛知の会の新免さんより、署名行動、要請行動を通じて世論を喚起し、検察・裁判所を圧倒するような力と、運動前進のために守る会を大きくしようと、経験を交えて力強い挨拶がありました。
 第2部では吉村悟弁護士が講演。検察、警察が一体となって司法取引を悪用して、でっちあげたこの事件の不正義は許せない。運動と弁護活動が「車の両輪」となって再審無罪を勝ち取りましょうと守る会を激励しました。
(木原和治)

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