日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2015年8月25日号

2015年8月25日号  

盗聴法刑訴法 改悪案 衆院採決強行 参院で廃案に 全国で宣伝、国会議員要請を  

 盗聴法改悪と司法取引の導入などを盛り込んだ刑事訴訟法等改悪案が、8月7日、衆院本会議で採決を強行され、冤罪犠牲者や多くの国民の反対に耳を貸そうとせず、自民、公明、民主、維新、次世代、生活の各党の賛成多数で可決しました。国民救援会はただちに声明を出し、採決強行に抗議するとともに、参院での徹底審議、廃案をめざしてたたかう決意を表明しました。

 5日の衆院法務委員会で、自民、公明、民主、維新の4党から突如、盗聴法・刑事訴訟法改悪案の修正案が提出されました。
 質問に立った日本共産党の清水忠史議員は、布川事件足利事件を例に出し、「一部の事件の取調べ可視化では冤罪防止にはならず、新たな誤判を生み出す」と指摘すると、上川陽子法務大臣は、「対象事件の範囲は狭いものではない。施行3年後に、捜査機関の運用を勘案しながら、必要な見直しをする」と答え、問題を直視せず先送りしました。
 司法取引について清水議員は、「修正案によって、無実の人が犯罪に巻き込まれ、新たな冤罪が生まれる危険が無くなったのか」と質問。修正案を提出した民主党・山尾志桜里議員は、「修正案で、弁護人の例外無き常時立ち会いなどを盛り込んだ。しかし、それらによってリスクを100%払(ふっ)拭(しょく)できるとは言えない」と、法案の問題点を自ら認めました。

共謀罪導入で
盗聴監視社会

 盗聴捜査について、「盗聴の対象となる犯罪は、政府案そのままだ」との清水議員の追及に、山尾議員は振り込め詐欺などの情勢に応えるためと述べ釈明。また、違法捜査がおこなわれていないかを監視する第三者の立ち会いについては、捜査機関内部の、捜査に従事していない警察官の「指導」という名の立ち会いとなったと説明しました。
 清水議員は、「今後、共謀罪などが対象犯罪となると範囲が広がり、盗聴・監視天国にならざるを得ない」と警鐘を鳴らし、「盗聴捜査の立ち会いで、警察官が警察官を監視するとなっているが、野球やサッカーで、同じチームの人が審判をやったら、皆怒ってしまう。第三者の立ち会いがあるからこそ、チェックが効き抑制となる」と鋭く指摘しました。
 法務委員会では、その後、日本共産党の畑野君枝議員による質問、清水議員が法案への反対討論をおこないました。採決では日本共産党以外の賛成多数によって可決されました。

反省なき警察
盗聴させるな

 翌6日におこなわれた院内集会では、衆院法務委員会で参考人として意見を述べた布川事件の桜井昌司さんが発言。「警察は裁判で無罪となった人に対しても『あの人は犯人と信じている』と発言するなど、自らの誤りを反省しない。こんな警察に盗聴捜査をさせるべきではない」と怒りを露(あら)わにしました。
 7日の衆院本会議での盗聴法・刑事訴訟法等改悪案の採決に先立ち、畑野君枝議員が反対討論をおこないました。
 畑野議員は、「法案の中心は、国民を監視し抑え込む治安立法と言うべきで、冤罪被害者と国民を裏切るもの。対象犯罪を一般犯罪にまで拡大し、第三者の常時立ち会いを無くせば、重大な人権侵害をさらに広げ、盗聴を日常的な捜査手法とする盗聴の自由化につながる」と批判。
 また、日本共産党の緒方靖夫国際部長(当時)宅盗聴事件についてふれ、「盗聴の事実を認めず謝罪をしない警察に、盗聴の自由化を認めるなど断じて許す訳にはいかない」と強調しました。
 畑野議員は、4党による修正案について、「危険性はいささかも変わるものではない。修正案を法務委員会に提出したその日に採決を強行したことは、前代未聞の暴挙」と厳しく批判しました。
 その後の採決で、日本共産党と社民党が反対し、賛成多数で可決。参院へ送付されました。
 国民救援会は7日、抗議声明を出し、衆院での採決強行に断固抗議するとともに、参院での廃案をめざして、ひきつづき奮闘する決意を表明しました。
   *   *
 共同のたたかいとともに、国民救援会は独自に、9月1日〜10日を「戦争法案・盗聴法改悪案廃案めざす集中行動期間」として、全国各地で宣伝・アピール行動、地元国会議員事務所への要請行動などにとりくみます。
 宣伝資材は中央本部で用意をし、各都道府県本部へ送ります。支部まで行動を広げましょう。

川内原発 再稼働強行 中央本部、福島県本部が抗議声明  

 原発に反対する国民の声を無視して8月11日、九州電力は鹿児島県薩摩川内市にある川内原発1号機の再稼働を強行しました。
 東京電力の福島原発事故で、今も11万人の福島県民が避難生活を強いられ、放射能漏れや除染などの問題も収束していないなか、何の反省もなく、また九州電力は住民に十分な説明もしないまま、再稼働を強行しました。
 国民救援会中央本部は、再稼働に抗議し、即時中止を求める声明を発表。同福島県本部も抗議声明を発表しました。

弾圧跳ね返し無罪を 岡山・倉敷民商弾圧事件 東京に支援組織  

 岡山・倉敷民商の事務局員3人が税理士法違反などで起訴された倉敷民商弾圧事件で、裁判に勝利し弾圧を跳ね返そうと、「無罪を勝ちとる東京の会」が8月7日に結成されました。会は、東京商工団体連合会(東商連)、東京都生活と健康を守る会連合会、国民救援会東京都本部などが呼びかけたもので、都内で開かれた結成総会には50団体113人が参加しました。
 弁護団の鶴見祐策弁護士が一審不当判決の詭(き)弁ぶりを解説し、「たたかえば必ず勝利できる」と訴えました。被告人の小(こ)原(はら)淳(じゅん)さんは、留置場などに拘束されていたときの体験を報告。取調べに黙秘を貫いてたたかう上で、国民救援会が発行した「80問80答―弾圧とのたたかい」が心の支えになったと話し、「中小業者の権利を守るためにも絶対負けられない」と決意を述べました。
 討論のなかで国民救援会東京都本部の副会長でもある佐藤誠一弁護士は、「裁判勝利に加え、民商の組織を増やし活動を活発化させ、権力が弾圧に手を出したことを後悔させよう」と訴えました。豊島民商の事務局長を務める30歳の熊谷雅敏さんは、「民商で働く事務局員すべてに対する攻撃だ。支援というより当事者としてたたかう」と述べ、東京の会の役員に自ら立候補しました。
 事務局長に選出された東商連の工藤勝人さんは、小原さんと須(す)増(ます)和(かず)悦(よし)さんを有罪とした一審判決でさえ、2人がおこなったことは中小商工業者の営業や生活の保護を目的としたものと認めざるを得なかったことを指摘し、「われわれが本当に社会的に貢献しているという自覚を高め、全国の仲間と連帯して無罪を勝ちとる運動をいっそう発展させたい」と決意表明しました。

三重・名張毒ぶどう酒事件 再審ただちに 名古屋高裁・高検に要請  

 名張毒ぶどう酒事件の再審を求めて、愛知守る会と国民救援会愛知県本部などが、7月24日、名古屋高裁と高検へ要請をおこない、愛知、大阪、兵庫から9人が参加しました。
 参加者は高裁へ、「奥西さんにしか犯行機会はなかったとされているが、事件現場にいた多くの村人の供述が隠されたままだ」、「奥西さんを有罪とする証拠は開示するが、無実を示す証拠を開示しないのでは、日本は法治国家ではないと世界から見られる」などと訴えて、9月10日に人間の鎖で裁判所を取り囲む集中行動をおこなうことを告げました。(愛知県本部)

救援運動の魅力広がる 2都県本部でイベント企画 支援が未来作る 東京  

 救援運動の魅力を伝えようと、都内で「救援ひろば2015」が7月20日、実行委員会と国民救援会東京都本部の共催で開かれ、160人が参加しました。
 第1部の「救援学校」では、国民救援会中央本部顧問の斉藤喜作さんが「国民救援会の歴史と役割」について講演。真実を守り、人権を守る運動の一翼を担ってほしいと強調しました。
 寸劇「司法取引」では、救援会大田支部の会員などが、マンガ「ドラえもん」の登場人物に扮(ふん)して、国会で論戦が続く刑訴法改悪案の問題点を分かりやすく解説しました。
 事件関係者からの訴えで、岡山・倉敷民商弾圧事件の禰(ね)屋(や)町子さんは、「証拠開示もおこなわず、起訴ありきの事件です。裁判で証拠となっている査察官報告書は、私が逮捕されてから5カ月後に作成されたものです。証拠が無いのに逮捕をして、後で証拠を作り出しています。ご支援をよろしくお願いいたします」と涙ぐみながら訴えました。
 冤罪犠牲者のパネルディスカッションで三鷹バス痴漢冤罪事件の津山正義さんは、「未来が分からない、信じられない、その中でも頑張らなければいけなかった日々から解放され、今は明るい未来が見えています。皆さんのおかげです。今、事件をたたかっている人の背中を押して、心を支えることができるのは皆さんです」と話しました。
 そのほか、難問が続出する中、ただ1人だけ全問正解者がいたクイズ「国民救援会検定」や、JAL争議団・フェニックスによる合唱など、さまざまな催しがおこなわれました。

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