日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2015年7月15日号

2015年7月15日号  

白鳥決定を活かそう 無辜を救う再審制度へ   

なくそうえん罪救おう無実の人々 関西市民集会part8

 関西の冤罪事件当事者や支援者でつくる関西えん罪事件連絡会「たんぽぽの会」が、6月27日、大阪市内で「なくそうえん罪 救おう無実の人びと 関西市民集会パート8」を開き、約300人が参加しました。8回目の今回は、再審事件に門戸を開いたといわれる最高裁の白鳥決定が出てから40年目に当たることから、シンポジウム「白鳥決定40周年を語る」が企画されました。

白鳥決定軸に

 青年時代に国民救援会の専従として白鳥事件の運動にとりくんだ同会顧問の佐藤佳久さんがコーディネーターを務め、元裁判官の安原浩さん、白鳥事件大阪守る会会長で弁護士の小林保夫さん、東住吉冤罪事件の弁護団の乘井弥生さんが、白鳥事件や白鳥決定について、それぞれの経験と視点からの話を展開しました。
 安原さんは、白鳥決定で死刑4事件が再審無罪になったが、誤判の原因究明もされず、誤判の構造も改められていない、有罪慣れしている裁判官を変えないと駄目だと指摘したうえで、「裁判官は証拠と理屈に動かされるから、署名や集会、デモなどには表向きは影響されない。しかし、関心度や評価は気にしている」と発言しました。小林さんは、「松川事件の諏訪メモ、白鳥事件の磯部鑑定などのように、無実を明らかにする証拠が運動の広がりで発掘される場合もある」と運動の重要性を強調。乘井さんは、「東住吉冤罪事件で大阪地裁の再審開始決定では、冒頭に白鳥決定の基準が示され、新旧証拠を突き合わせて検討した結果、再審開始決定となった。高裁の即時抗告審では、検察がさまざまな再現実験をやったが、白鳥決定の理念をひっくり返せないところまで追いつめている」と話しました。

支援最後まで

 冤罪当事者の発言では、介護中の認知症の母親に暴行を加えて死亡させたとして傷害致死で起訴された佐保輝之さんとひかるさん夫妻が、大阪高裁で傷害致死の逆転無罪判決(暴行については不当な有罪認定)を勝ちとったと報告。湖東記念病院人工呼吸器事件、中津学園刑事弾圧事件、日野町事件長生園不明金事件、神戸質店事件、名張毒ぶどう酒事件など、各事件の当事者や家族、支援者が無実を訴えました。袴田事件の袴田巖さんの姉・ひで子さん、布川事件の桜井昌司さんも登壇。夏には再審可否の決定が見込まれる東住吉冤罪事件の朴(ぼく)龍(たつ)晧(ひろ)さんの家族も訴えに立ち、母・文子さんは「最後までもう一回りのご支援をお願いします」と声を振り絞って訴えました。
 アピールを万雷の拍手で確認。たんぽぽの歌の大合唱でフィナーレを迎えました。(橋本宏一)

〈白鳥決定〉「疑わしいときは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則を再審制度においても適用するとした白鳥事件の再審請求審での最高裁決定(1975年)。新証拠と旧証拠を総合判断し、確定した有罪判決に合理的な疑問を差し挟むことができれば、再審の対象になると認め、財田川事件の再審開始決定をはじめ、死刑再審4事件の再審・無罪判決につながりました。ただし、白鳥事件自体の再審請求は棄却されています。白鳥事件は1952年に北海道で発生した警官射殺事件で、射殺の指示をしたとされた村上国治さんが再審を求めていました。

熊本・松橋事件 「自白」の矛盾明白に 集会と現地調査に72人  

 宮田浩喜さんが切出し小刀を使って知人の首や胸などを突き刺して殺害したとされた1985年の松橋事件で、6月27日、支援者集会が熊本県宇(う)城(き)市でおこなわれ、東京と九州各県から72人が参加しました。
 再審弁護団の三角恒弁護士が事件説明と審理の経過を報告。宮田さんがほぼ連日の警察の「任意」取調べでおこなった「自白」の内容が数々の事実と矛盾している点や、凶器とされた切出し小刀では作ることができない傷が被害者の遺体に存在することなどが説明されました。弁護団の齊藤誠弁護士は、宮田さんが第1回公判でも虚偽自白を維持した理由について、圧力をかけるために警察が傍聴席を埋めていたなどと報告。会場から驚きの声があがりました。
 裁判所に対して公正な裁判と証拠開示を要請する集会決議を採択して集会は閉幕。宮田さんの息子さんも参加し支援者に支援のお礼を述べました。
 集会のあと、20人ほどの参加でミニ現地調査をおこないました。宮田さんが被害者を尾行して見ていたとするウソの自白が、後に体をかしげて見た、見た場所は10メートル先だったなどと変遷(せん)をくり返したことについて、現場で検証。その場所に立ってみると、道が曲がっていて自白通りに見えないことから、警察が都合のいいように自白を変えさせた経緯が明らかになりました。

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