日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2015年6月5日号

2015年6月5日号  

名張事件 奥西さんの命あるうちに 第9次再審申立て 弁護団「早急な事実調べのため」  

 農薬を入れたぶどう酒で5人を殺害したとして奥西勝さん(89)が死刑判決を受け、再審を求めている1961年の名張毒ぶどう酒事件で5月15日、奥西さんの弁護団は現在たたかわれている最高裁への特別抗告(第8次再審請求審)を取り下げ、新証拠を用意し新たに名古屋高裁に再審請求(第9次)を申立てました。
 弁護団の鈴木泉団長は、「名張事件を支援している皆様へ」と題した文書を発表し、経緯を説明しました。これによると、凶器となった農薬が奥西さんの「自白」と違うものだと証明する新たな毒物の鑑定を弁護団が準備しましたが、再審請求審の一審である請求審段階で提出した証拠であれば、再審開始の要件となる新規・明白な証拠となりうるけれども、その後の審級、例えば特別抗告審で提出された新証拠については、再審開始の要件の新証拠とは認めない判例があるということ、さらに、最高裁に新証拠を提出して棄却されてしまった場合、新たに名古屋高裁に再審請求をしても、その証拠はすでに判断済みとして扱われ、新証拠として使えなくなってしまうと説明しています。
 また、奥西さんの病状は、2年間にわたって人工呼吸器を装着した状態で、残された時間がそう長くはない状態が続いていることから、一刻も早い事実調べをおこなって再審開始決定を勝ちとる必要があると判断し、2日前に奥西さんと面会して奥西さんの意思を確認したうえで取り下げ書を提出したとしています。
 弁護団が新たに提出した新証拠は、ぶどう酒に混入された農薬が「自白」のニッカリンTとは違う農薬であることを、事件当時におこなわれていた手法と同じペーパークロマトグラフ試験によって実証したものです。これまでの棄却決定では、裁判所は弁護団が科学的な分析とそれに基づく主張をしたにもかかわらず、実証的な根拠もなくそれを認めませんでした。今回の新証拠は当時の実験方法をおこなうことで、再審請求を棄却した決定が誤っていることを明確にしたものです。また犯行の機会と場所に関する状況証拠についても、合わせて新証拠として提出しました。

東住吉事件 今夏に決定の可否 裁判所へ波状要請  

 大阪府本部と東住吉冤罪事件を支援する会は、東住吉冤罪事件の再審開始決定と完全無罪を求めて、3月から6つのブロックで毎週、大阪高裁への要請行動をおこなっています。5月18日は北摂ブロックから3人と府本部姫野浄(きよし)事務局長、同河角信治事務局長代理が同行し、個人署名630人分(累計4万3472人分)と団体署名7団体(累計575団体)を提出しました。
 要請で姫野事務局長は、「検察と弁護団双方の最終意見書が提出され、検察は『放火したという朴(ぼく)自白は間違いなく、自然発火の可能性はない』と言うが、この主張では足りない。裁判所は公正な判断を」と訴えました。
 高槻・島本支部の鷲尾吉久支部長は「冤罪は司法が守ってくれなかったらあかん。司法は冤罪をなくす砦であるべきだ」と訴え、吹田支部の盖椰一事務局長は「冤罪で2人は20年間も刑務所に入れられている。3年前に再審開始決定が出た段階で2人を釈放しなければいけなかった」と訴えました。
 裁判所は、この夏までに再審の可否を決定する予定です。府本部の6ブロックの要請行動は裁判所の決定が出るまで継続していきます。
 密室での「自白」が最大の証拠となり有罪となったこの事件で再審無罪が確定すれば、警察の自白強要が白日の下にさらされることになります。このことは、他の再審事件にも大きな影響を与えます。全国の国民救援会の仲間のさらなるご支援をよろしくお願いします。

最高裁統一要請行 公正判断訴え  

 最高裁に係属する事件による第217次最高裁統一要請行動が5月14日におこなわれ、名張事件、専修大学労災不当解雇事件、オリエンタルモーター不当労働行為事件、石橋労災認定裁判の4事件36人が参加しました。
 早朝に最高裁の門前で宣伝行動をおこない、事件への理解と支援を呼びかけました。
 要請では、職業病でガンを発症した石橋労災について、同じ被害者を今後も出さないために、裁判所が被害を認めるべきだなどと訴え、名張事件では、隠している証拠を出し、一日も早い再審決定をするよう訴えました。

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