日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2015年4月15日号

2015年4月15日号  

盗聴法改悪 阻止を 中央本部に「闘争本部」設置  

 安倍内閣がすすめる「戦争をする国」づくりと一体に、いま国民監視・抑圧の政策がすすめられています。安倍内閣は3月13日、刑事訴訟法の一部「改正」案、それと抱き合わせにした盗聴法(通信傍受法)の改悪案を閣議決定しました。
 冤罪を起こさぬための司法制度改革をめざし、2011年に法制審議会に特別部会が設置されました。しかし、冤罪を作り出した警察、検察、裁判所のメンバーが押し切る形で議論がすすめられ、採択された「答申」は、取調べの可視化や検察の証拠開示などの冤罪防止策は不十分なまま、逆に司法取引の導入や盗聴法改悪によって、警察などの権限を強化したものとなりました。閣議決定はこの答申を受けたものです。
 こうした情勢をふまえ、国民救援会中央本部は4月1日、「盗聴法改悪阻止・冤罪防止のための抜本改革実現闘争本部」(略称「盗聴法改悪阻止等闘争本部」を設置しました。今後、国会議員への要請行動や署名活動、危険性を市民に訴える街頭宣伝などにとりくみます。

東京・埼京線痴漢冤罪事件 石田さん逆転無罪 被害供述、映像と矛盾  

東京高裁

 無実の石田崇さんが電車内で痴漢行為をしたとして起訴された埼京線痴漢冤罪事件の控訴審判決で、東京高裁(河合健司裁判長)は3月24日、一審の有罪判決を破棄し、石田さんに逆転無罪判決を言い渡しました。

 事件は、2013年に東京の埼京線の電車内で当時17歳の女性のスカートの中に手を入れ、太ももなどを触ったとして、女性の後ろにいた石田さんが犯人とされたものです。石田さんを犯人とする証拠は女性の供述のみで、その信用性が焦点になっていました。
 一審判決は、犯行をしている手首、肘、肩、顔を女性が注意深く観察して石田さんを特定しており人違いはないと判断。振り返って犯人を特定する動作が車内の防犯カメラに映っていない点については、顔を動かさずうつむいたまま目線を左に向ければ犯人の特定はできると認め、女性の供述を全面的に採用し、石田さんを犯人としました。
 今回の二審判決で河合裁判長は、女性は注意深く確認したと言うが、映像には女性が石田さんのほうを振り向くとすぐに胸ぐらをつかむ様子が映っており、手首、肘、肩、顔と順次確認したか疑問だと指摘。また女性が法廷で「手首、肘、肩の順に確認したという言い方になった。じっくりとは見ていないが人間の体はつながっているから分かる」と証言しており、注意深く観察したとする根拠がないと一審の誤りを指摘しました。さらに、女性が犯人の手首を確認する際に、目線だけを向けて確認したとする証言についても、鞄を抱えた左腕やボリュームのある長髪が顔の両頬を覆っていて、自身の太もも部分を見るのは困難だと認定。また、検察での被害再現の写真から、犯行をしている手首はスカートに隠れて見ることが難しく女性の説明と整合しないと断じました。そして女性供述は犯人を特定する核心部分で捜査段階から公判にかけて変遷(せん)し、重大な食い違いがあると指摘。女性供述の信用性には疑問があり、供述を全面的に信用した一審判決は重大な事実誤認があるとして破棄し、犯罪の証明がないとして無罪判決を言い渡しました。

法廷内が歓喜 石田さんに笑顔  

 「原判決を破棄する。被告人は無罪」
 裁判長が主文を言い終わらぬうちに、法廷は傍聴者の歓声と拍手に包まれました。一礼して被告人席に戻った石田さんは、深呼吸して天を仰ぐと、目を閉じて判決理由に聞き入りました。
 裁判所前で支援者が広げた「逆転無罪」の横断幕を目にした石田さんは、背を丸めて照れながら支援者と握手しました。石田さんは、「ここまで運動できたのは、ご支援のおかげ。ありがとうございました」と笑顔で話しました。

静岡・袴田事件 袴田さんに真の自由を 再審開始 1周年集会に170人が参加  

 昨年3月27日に再審開始決定が出された静岡・袴田事件で、「袴田事件は終わっていない! 再審開始決定1周年集会」が3月27日、東京都内で開かれ、170人が参加しました。袴田巖さんは体調不良のため欠席しました。
 集会では巖さんの姉・ひで子さんが挨拶に立ち、「1年前に釈放された時、巖は無表情で嬉しいのかどうか分からなかったのですが、最近では自宅を訪れた方に挨拶をしたりと、笑い顔が出ます。皆さんのご支援のおかげです。無罪となるまで頑張ります。今後ともよろしくお願いします」と述べました。
 弁護団事務局長の小川秀世弁護士が、東京高裁での審理について説明。「即時抗告審で、袴田さんを取り調べた時の録音テープが23巻出てきた。任意の取調べが続いている時の録音では、袴田さんはきっぱりと事件への関与を否定している。また、トイレに行きたいと言う袴田さんに対して、取調室に便器を持ち込んで用を足させているやりとりが録音されている。しかし、裁判で警察官は、袴田さんが便器を持ってきてほしいと言ったと証言しており、明らかに録音テープに反してウソの証言をしていることが分かる。証拠開示について、警察や検察は静岡地裁で1本のテープを出しただけで、すべて出したと説明してきた。警察や検察が証拠開示でウソを言った場合どうするのか、問題になる」と厳しく批判しました。
 各界から挨拶がおこなわれ、元プロボクサーの輪島功一さんは「みんなの力で検察が根を上げるぐらいに、真実を広げる必要がある。袴田さんが元気なうちに自由にしてあげたい」と支援を力強く訴えました。
 基調講演では、九州大学大学院法学研究院の豊崎七絵准教授が、「検察官の即時抗告は許されるのか?」と題して講演しました。検察による即時抗告は、無実を訴えてたたかう人への過度な負担であり、社会復帰を妨げることを明確にしました。

大阪市「思想調査」アンケート裁判 思想調査は違憲 橋下市長の違法行為認定 大阪地裁  

 大阪地裁(中垣内健治裁判長)は3月30日、大阪市が3年前におこなった市職員への「思想調査アンケート」は憲法違反であり、国賠法上の違法行為にあたり、原告一人あたり6千円の賠償をおこなうよう命じました。
 判決文では、大阪市が全職員におこなったアンケート22項目中5項目は、「プライバシー権と労働基本権の侵害にあたる」と断罪しました。その項目とは、「あなたは特定の政党を支援する活動に参加しましたか」、「あなたは組合活動に参加しましたか」、「あなたは自ら納めた組合費がどのように使われているか知っていましたか」などをあげ、一般的に市長が職務上、命令する権限があったとしてもこれらは憲法上違法にあたる行為であると明確な判断を出しました。
 報告集会で弁護団の西晃事務局長は、「憲法に違反すると明確に判断されたことは大きな勝利で、判決は市職員と市民に勇気と確信を与えるものです」と述べました。59人の原告団の代表の永谷孝代さんは、「市職員はすべて俺に従えという橋下市長の命令調の中で、ものが言えない暗い職場になっていたが、この判決を多くの仲間に知らせて明るい職場に変えていくよう頑張りたい」と決意を語りました。(大阪・姫野浄)

第216次最高裁統一要請行動 5事件30人が参加  

 第216次最高裁統一要請行動が3月26日におこなわれ、5事件30人が参加しました。
 早朝の宣伝活動では、宣伝カーで各事件関係者が公正な審理と判断を訴えて、ビラを配布しました。
 宣伝後、労働・民事事件、刑事事件と分かれて最高裁に要請しました。各事件から署名や上申書、要請書を最高裁の担当者に手渡し、それぞれの事件の真相を伝え、慎重な審理や国民や労働者の立場に立った明確な判断を求めました。
 また、この日の行動には、先日最高裁で公務災害認定の決定をかちとった愛知の鳥居公務災害訴訟の関係者も参加し、勝利の報告とひきつづき多くの最高裁係属事件でも公正な判断をするように要請しました。

岡山・倉敷民商弾圧事件 禰屋さん428日ぶり釈放  

 岡山・倉敷民商弾圧事件で、法人税法違反と税理士法違反で逮捕、起訴されている禰屋町子さん(写真)が、3月24日、逮捕から1年2カ月ぶりに釈放されました。
 禰屋さんのメッセージを紹介します。
   *     *
 日本国民救援会の皆さまには、とてもご心配をお掛けしました。私は信頼だけは失いたくありませんでした。救援会の方が一番に動いてくださったので、428日間の勾留や、接見禁止も一番厳しかったのですが、皆さんが応援してくださっているのが分かり、心の支えとなり頑張ることができました。皆さんの応援がなかったら、耐えられなかったと思います。
 今回の事件は、法人税法違反は冤罪、税理士法違反は弾圧で、検察側が考えたストーリーです。釈放されただけで、気がゆるんではいけないと思っています。
 長い闘争にはなると思いますが、頑張りますので、どうかこれからもご支援をお願いいたします。本当にありがとうございます。

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