日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2015年2月25日号

2015年2月25日号  

治安強化は戦争への道 盗聴法の大改悪を許すな  

 「イスラム国」による日本人殺害事件をも利用して、自衛隊の海外での武力行使に向けた法制化をすすめる安倍内閣。昨年施行された秘密保護法と合わせて、今国会の焦点となる盗聴法の改悪、「司法取引」の導入も「戦争をする国」づくりを支える権力の武器となる危険性があります。監視・秘密社会を許さないために、各地で反対の声を上げましょう。

 国家が戦争をするためには、政府にとって都合の悪い情報を「秘密」として隠す一方、戦争に反対する勢力を監視し、反対運動を萎縮し抑圧する仕組みが必要です。憲法改悪と集団的自衛権行使のための関連法案の成立に向けた野心をあらわにする安倍首相は、かつての戦時中の日本と同じような監視・密告社会づくりを画策しています。

盗聴捜査拡大
歯止めなくす

 とりわけ安倍政権は、昨年9月の法制審議会の答申を受けて、憲法違反の盗聴法の大改悪(盗聴捜査の大幅拡大)案を3月にも国会に上程し、通常国会での成立をめざすとしています。
 法相に提出された答申では、これまで暴力団組員などによる組織的な殺人など、極めて限られていた盗聴捜査の対象を、窃盗や詐欺など発生件数が多く身近に見られる犯罪にまで広げ、しかも盗聴時の通信事業者の立会い義務を廃止し、警察のやりたい放題に盗聴ができるように目論まれています。
 盗聴法が大改悪されれば、憲法が保障した通信の秘密を犯(おか)し、国民のプライバシーを侵害する危険性があります。盗聴対象は、反社会的組織や犯罪集団には限定されていないため、消費者団体や労働組合など一般市民が構成する団体が広く対象となる危険があります。また、盗聴捜査の拡大が、都合の悪い秘密を隠し、秘密に近づこうとする市民を監視し、抑圧する秘密保護法や、「話し合い・合意」を処罰する共謀罪と結びつけば、政府に都合の悪い団体や運動を弾圧し、国民監視・抑圧をすすめるための強力な「武器」となります。

署名パンフで
運動広げよう

 「戦争をする国」づくりに突き進む安倍政権に、危険な武器を渡さぬよう、反対の運動を急ぎ強めましょう。
 盗聴法の今国会での成立を許さないために、次の行動にとりくみましょう。
 /圭靆勝崚霙伊‖膕悪・共謀罪創設反対」署名(1月25日号に掲載)にとりくみましょう。∩艦連、自由法曹団、国民救援会が共同でつくったパンフレット(右欄参照)を多くの人の元へ届けましょう。そしてこれまでの秘密保護法反対で広げた共同のたたかいを力に、さらに急速に運動を広げましょう。

岡山・倉敷民商弾圧事件 「民商は私の生きがい」 被告人質問で堂々と訴え 岡山地裁  

 倉敷民商事務局員の禰屋町子さんが法人税法違反と税理士法違反の疑いで、同事務局長の小原淳さんと同事務局次長の須増和悦さんが税理士法違反の疑いで逮捕、起訴された倉敷民商弾圧事件。
 小原・須増裁判の第8回、9回公判が1月27日、28日に岡山地裁でおこなわれ、小原さんと須増さんに対する被告人質問がおこなわれました。
 この裁判で検察は、税理士法は\婆蛎緲、∪婆浬駑爐虜鄒、税務相談を税理士の独占業務としており、税理士資格のないものがこれをおこなうことは違法であり、小原さんたち2人は、倉敷民商の会員の確定申告書を「自己の判断」で作成したので違法であると主張しています。
 これに対して公判で小原さんは、民商は中小業者の営業と暮らしを守る運動組織であり、自分の経営実態を把握するため自主記帳、自主計算、自主申告をすすめていると明確に述べました。そして、パソコンソフトの申告書の入力画面を裁判官、弁護団、検察官席のモニター画面にそれぞれ映し出し、入力作業などは国税局発行の手引きを元におこない、専門的知識がなくても、指定の場所に打ち込めば誰でもできる形式的な作業であると述べました。
 また、民商会員が納める「集団申告分担金」とは、毎年3月にいっせいに集団申告をおこなう際に能力に応じて全会員から収めてもらうものであり、確定申告書作成の代行料金ではなく、申告後の集会の会場費やバス代、広告費などに充てられるものだと明快に答えました。
 事件後、検察主張に沿う供述調書を作成されて民商を退会した会員について聞かれると、「警察や検察の捜査を何度も受け、辛い目にあい、民商自体に悪い感情を持ってしまって退会されたのではないかと思うと、とても残念です」と、声をつまらせながら話しました。
 須増さんも、実際のパソコンソフトの入力方法を指し示しながら質問に答え、「私はプライドを持って、中小業者に役に立つように働いてきました。逮捕、起訴され非常に悔しい思いです。私の生きがいを奪わないでほしい。調書をとられて民商を退会した会員は、捜査機関に脅されたと思う」と裁判長に訴えました。
 検察の反対尋問では、実際にパソコンのキーボートを打ったのは誰か、倉敷民商ニュースの内容などについて質問がされました。
 裁判所から、申告書を会員に渡す時に説明をしたのか、特別会費などについて質問がされました。
 次回3月5日の公判は論告求刑、最終弁論となります。
 公判後の報告集会では、いまだに勾留が続く禰屋さんの夫・祐司さんから、3人の無罪と、1日も早い釈放のために支援が訴えられました。
 なお、1月28日に国民救援会岡山県本部と中央本部、禰屋祐司さんら5人は、国民救援会が23日に発表した抗議声明を岡山地裁に手渡し、禰屋さんの釈放を要請しました。

静岡・袴田事件 追加の意見書を 裁判長がさらに説明求める 東京高裁  

 静岡・袴田事件の三者協議が2月10日、東京高裁(大島隆明裁判長)でおこなわれました。
 即時抗告審で検察は、再審開始決定の決め手となったDNA鑑定について、信用性がないと批判。弁護団は検察官の主張については静岡地裁でも十分に審理を尽くして、鑑定は科学的で合理性は十分ある方法であると判断された、これ以上検証は必要ないと主張しています。
 記者会見で弁護団によると、裁判所はDNA抽出方法の検証実験について弁護団にさらに詳しい説明を求め、弁護団が次回の三者協議(4月16日)までに追加の意見書を提出することとなりました。

東京・JAL不当解雇撤回争議 最高裁が不当決定 原告団「全面解決めざす」  

 2010年12月31日に日本航空(JAL)が乗員、客室乗務員が解雇され、135人が解雇無効を求めてたたかっているJAL不当解雇撤回争議で、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)は2月4日付で客室乗務員訴訟を、同5日付で最高裁第1小法廷(金築誠志裁判長)は乗員訴訟の上告を棄却する決定をおこないました。
 弁護団と原告団は声明を発表し、「会社更手続き下の整理解雇の効力が問われた初めてのケースでもあり、最高裁は慎重に審理し…高裁の結論が見直されるべき事件であった」、「最高裁の不当決定に屈することなく、自主的全面的解決を目指して、力の限り奮闘する」と述べました。

高知・高知白バイ事件 片岡さんが高裁に 即時抗告し要請  

 昨年12月16日、高知地裁で再審請求を棄却された高知白バイ事件の片岡晴彦さんが、1月29日、高松高裁に即時抗告理由書を自ら提出しました。提出には高知県本部田中肇会長と中央常任委員松浦章仁徳島県本部事務局長が同行。片岡さんは書記官に高裁では新証拠を充分に調べて、再審を開始してほしいと力強く申し入れました。
 提出後の記者会見で片岡さんは、「バスは止まっていた、スリップ痕は偽造であるとの三宅鑑定を高裁は採用してほしい。一審でバスは止まっていたと証言してくれた人が偽証罪にされないためにもこの人たちのためにも、最後までたたかいぬく」と、決意を述べました。(県本部)

大阪・東住吉冤罪事件 3・7決起集会  

 2012年3月7日の再審開始と刑の執行停止決定が出されてから3年が経とうとしていますが、いまだに青木惠子さん、朴(ぼく)龍(たつ)晧(ひろ)さんは釈放されていません。
 即時抗告審で検察は再審開始決定を覆(くつがえ)そうと抵抗し続けています。大阪高裁に検察の即時抗告を棄却させ、2人の釈放を勝ちとるさらなる大きな運動をつくるための決起集会を開催します。

「私は無実です」 国民救援会が新たに支援決定した冤罪事件 天竜林業高校成績改ざん事件  

成績改ざんを指示したと元校長が有罪に

 静岡県立天竜林業高校校長だった北川好伸さんが、生徒の成績調査書を改ざんしたとして、虚偽有印公文書作成、加重収賄として有罪判決を受けた事件を支援決定しました。概略を紹介します。

孫の進学のために
依頼したと証言を

 2008年7月、匿名の告発をきっかけに、静岡県教育委員会は2006年に天竜林業高校の校長(当時)だった北川さんが教諭4人に成績調査書の改ざんを指示したとして、県警に刑事告訴しました。県警は北川さんを2件の虚偽有印公文書作成の容疑で逮捕し、4人の教諭は容疑を認めて起訴猶予となりました。さらに、成績を改ざんした謝礼として生徒Xの祖父・中谷良作氏から現金20万円を受け取ったとして、加重収賄容疑として、北川さんは再逮捕されました。現金を渡したとされる中谷氏は、略式起訴、罰金70万円の有罪判決を受けました。
 北川さんは345日間にわたって身柄拘束されながら、一貫して容疑を否認。最高裁まで争いましたが、2010年、懲役2年6月・執行猶予4年、追徴金20万円の有罪判決が確定しました。

「校長の指示で」と
 4人が口裏合わせ

 検察の主張は以下の通りです。
 生徒指導要録・調査書の作成等校務全般を総括していた北川さんは3年生の生徒Xの成績等が記載された調査書を改ざんしようと企て、教員A、Bと共謀して実際は3・1であった成績を科目別評定値を加算するなどして、3・5とし、公印を押印させて虚偽の有印公文書を作成したとされています。また校長室内において、生徒XをT大学に推薦するに当たり、有利便宜な取り計らいをしたことの謝礼等の趣旨でXの祖父中谷氏から現金合計20万円を受け取ったというものです。
 別の生徒Yに関しては、調査書の平均値を4・3としたとされています。
 警察の捜査で、問題となっている2人の生徒の成績改ざんがおこなわれたことと、それにかかわった教員がいることは明らかになっています。しかし、北川さんがそれを指示したことと、中谷氏が北川さんに謝礼を渡した証拠はなく、あるのは捜査段階での中谷氏と教員4人の供述だけです。

教育熱心な北川さん
「改ざんなどしない」

 天竜林業高校は、当時日本で唯一の林業高校でしたが、廃校計画もあり、北川さんは、それに反対し教育活動に熱心にとりくんでいました。北川さんは成績改ざんなど一切おこなっていないと、2014年4月、静岡地裁浜松支部に再審請求を申し立てました。新証拠として、以下のような主張をしています。
 ・中谷氏は任意の段階で30日近い警察の取調べを受け、最初は否認していましたが、「孫と一緒に坂を転げ落ちてもいいのか」、「こんな大事なことを頼んで何もお礼をしていないのがおかしいじゃないか。なんかやっただろう」と責められ、「自白」させられました。中谷氏は、北川さんの再審申し立て時の記者会見にも同席し、「北川さんに頼んでもいないし現金も渡していない」と明言しています。
 ・中谷氏は06年に3回、高校を訪問し、校長室で北川さんに成績改ざんを依頼し、現金を渡したとされていますが、事務日誌には、来訪の記録がありません。事務長の証言などにより、来訪記録は機械的に詳細に書かれており、中谷氏の記録がないということは、訪問がなかったということであり、北川さんの無実を示しています。
 ・4人の教員のうち、Xの副担任Bは、「北川校長から指示は受けていない」と弁護団に証言。Xの担任教員Aから「何とかしなければ」と言われ、副担任の自分から「成績を上げるしかないね」と成績改ざんを提案したと述べています。
 ・4人とは別の教員は、「校長が元の指導要録との突合せなしに、これを見破ることは不可能です」と証言。北川さんは、成績改ざんなどを知れば、むしろやめさせる校長だとも述べています。
 4人の教員は、教育委員会から処分(減給)を受けていますが、刑事処分は受けず、現在も教職にとどまっています。4人に対して、校長の指示があったというなら処分は軽くするなど、誘導があった可能性も疑われます。
 現在、北川さんの教え子らを中心に、「北川好伸さんを支える会」が、結成され、署名活動などを始めています。

〈要請先〉 〒430―8520 浜松市中区中央1―12―5 静岡地裁浜松支部

ご支援下さい 再審請求人 北川好伸さん  

 定年退職したのち、教育委員会への内部告発をきっかけに突然、逮捕、勾留されました。私は身に覚えがないことにもかかわらず、345日間も勾留されました。取調べでは検事に眉間に鉛筆を突きつけられ、怒りと悔しさで憔(しょう)悴(すい)しきりでしたが、屈しませんでした。
 家族もばらばらとなり、私と妻は天竜に住むことができなくなりました。悔しくて仕方ありません。私の無実と、裁判の誤りを明らかにするため、みなさんのご支援をお願いします。

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